結婚式の憂鬱 3
「では、ご夫婦の登場です!」
ガチャリ、と音を立てて、歓声とともに私の視界は開けた。
....改めてみるとすごい人の量だなぁ。
どこを見ても、人、人、人である。
フォレストが此方をすごい形相でにらんでいる気がするが、気のせいだろう。
そんなことはどうでもいいのだ。
そう。これからが憂鬱なイベントなのだ。
そんなことを考えているうちに、私とクリスは新郎新婦の席についていた。
「では、新たにご夫婦となられたお二方に、『愛の舞』を披露していただきましょう!」
憂鬱なイベントの開始である。
なぜ私が舞を嫌うかというと、一人で舞うならいいのだが、大勢の前で魔力を振りまきながら踊るというのはとてつもなく私にとっては恥ずかしいのである。
しかもだ。新郎とともに踊る舞である。
「では、舞を披露していただきましょう!」
司会が高らかな声で言った後、曲が五秒後に流れ始める。
....一発目から振り付けを間違えるところだったわ。危ない危ない。
曲が終盤に差し掛かってきたら、私はクリスと目で合図を送る。
最後が一番難しい。お互いに合図を送り、タイミングがぴったりに合わさらないと発動しない、魔法陣を発動させなければならないのだ。
...あと五秒。
5,4,3,2,1,
...よし!今だ!
お互いに両手が合わさり、魔力が少し吸われた気がする。
カッ!
私の頭上にある魔方陣が、発動した。
...良かった。うまくいったみたい。
いくら婚約者とはいえ、さすが幼馴染である。
そうして、私は憂鬱なイベントを一つ終わらせたのであった。
豆知識
オリジン王国の国宝に名前には、必ず光明が付きます。




