予定
駄々っ子のように怒っていたフォレスト宥め終えた後は、クリスと今後の話を進めていた。
「そうだね、こんな感じの衣装でいいんじゃない?」
今はクリスと婚約式の衣装を決めている。突然決まったことなので1日で話を全て片付けなければならない。
「次はソレイユのドレスか」
「自分のドレスを自分で決めるってなんだか不思議な気分」
本当なら花婿や花嫁の家族、親しい人がドレスを決める、と言うオリジン王国の古くからの慣習がある。
なので花嫁は当日までどんなドレスか分からないと言うワクワク感と共に、どんなドレスでもいいように身体を絞らなくてはいけない。
最終的に全て私の好みが反映されることになり、ドレスはベースは白だが裾に少し青みをかけたデザインよドレスになった。
ヴェールはかなり長くし、後ろにヴェールガールが余裕を持って歩けるようにすることになった。
「で、結婚式が...明後日か」
「はぁ!?明後日!?」
突然向こうのほうから、フォレストの素っ頓狂な声が聞こえた。
まぁ、いるのは知っていたが。
「まあ、そういうわけだからよろしくー」
「よろしくって、こっちだって色々準備があるんだけど!?なんであんたたちはいつもーー」
「ソレイユ、後は僕が少しいじって提出でいいかい?」
ぎゃあぎゃあと喚くフォレストを華麗にスルーするそのクリスのスルースキルには感激する。社交が苦手な身としては是非とも見習いたいものだ。
「えぇ。後はよろしくね」
すっかり夜も更けてきたからか、廊下は魔道具のランプのゆらめく光が良く映えている。
「ネェ…ソレイユ」
「うひゃっ?!?!?」
気配を消されていたのと廊下の薄暗さが相まって、まるでお化け屋敷のような演出に驚き、身を翻して飛び退いてしまう。
「あっははははは!本当ソレイユってビビりだね」
…こんなことするのは絶対フォレストだと思った。
さっきの意趣返しできっと驚かしてきたのだろうが、ビビりな私にとって脅かされるのは寿命が縮むような気になるので非常にやめて欲しいのだが。
「ちなみに聞くけど、私がなんで決まった当日にフォレストに言わなかったかわかる?」
「うーん…わかんない!!」
その回答に思わず反射的に深いため息が出る。もう少しでもいいから考えて欲しいものだ。
「はぁ…それはあなたが周りに言いふらすかもしれないからよ。直轄地になかなか帰らずここに居候している貴女は知らないと思うけど、グラス家には決まった翌日に招待状が送られてるのよ」
王族に言いふらすならまだいいが、フォレストは平民の街に良く抜け出して遊びに行っている。あの口は災いの元でしかないと言われるぐらいには口が軽いので、平民に早く広まると陰謀などの準備に取り掛かる猶予ができてしまうのであまり良くないのだ。
…急に「明日結婚します!」とか言われるのも言われる側としたら困るんだけどね。
「えへ!これでもグラス家次期当主筆頭候補なのすごいよね」
「はいはい、すごいすごい」
その後はフォレストの構って構って欲を適当に躱しながら明後日に迫る婚約式への準備を進めた。




