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月夜譚 【No.101~No.200】

心の写真 【月夜譚No.172】

作者: 夏月七葉

 シャッターを押す時は、いつも心躍る。その瞬間を写真として切り取ることができるのは、正にその瞬間でしかない。コンマ数秒でも違えば、それは違うものになる。

 彼はファインダーから視線を外して、満足げに頷いた。今回も納得のいく瞬間を収めることができた。

 目の前に広がるのは、一面の向日葵畑。黄色い花が太陽のように咲き誇って、長閑に風に揺れている。

 写真を撮ることは彼にとって重要だが、直にこの目で景色を見ることもまた大切なことだった。

 実際に目にした景色を心の中に記憶しておくことは、写真として残すよりも鮮やかで素敵なものになることが往々にしてある。心の中の美しい景色は、生きている限り永遠に輝いている。

 ……まあ、写真家である彼が言うのもおかしな話だが。

 彼は苦笑を漏らして、正面を向いた。この黄色い景色を、心のアルバムに仕舞っておく為に。

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