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2/2

その2 本当に、

その1、ご覧いただきありがとうございました(*^^*)

続きです!



「お兄様!また私宛のお手紙を勝手に開封しましたわね!?」

「いや、ユリア、ちがうんだよ。」

「何が違いますの?この綺麗な切り口、お兄様のペーパーナイフに決まっています。」

「流石ユリア、僕の持ち物がよく分かって…じゃなくて。ほら、心配なんだよ。」

「もう…もう!信じられないわ!」


私は怒っています!なぜなら、私の家族はみんな過保護で、私の自由を奪っていくから。


「これは大事なお友達が、旅行先での出来事を伝えてくれる大切なお便りですのよ。とても楽しみにしているのに、私より先に開封してしまうだなんて…」

「ごめんよ、ユリア。どこの馬とも知れない輩からのラブレターだったらどうしようかと思って、気が気でなかったんだ。」

「例えそうだとしても、お兄様には関係のないことですわ。」


ツン、とそっぽを向いて見せても、兄のソフィアはデレデレと眉を下げて謝るだけ。こんなシスコンの兄でも、王城の専門施設の一員を務め、数多の女性からアプローチを受けているというのだから世間はおかしい。真顔の時はテア家の一員らしい整った顔立ちなので、みんな騙されているのだわ。


「ごめんよ、大切なお手紙を開けてしまって。そうだ、ユリア、お詫びと言ってはなんだが、一緒に新しい便箋を買いに行かないか?もちろんエスコートするよ。」

「…お兄様が、私と出掛けたいだけではないのですか。」

「ユリアと一緒に出掛けられたら嬉しいよ。」

「…もう勝手に私の物に触らないと、約束してくださいますか?」

「ふふ、分かっているよ。」


決して約束する、とは返さず、のらりくらりと結局は私の意思を無視する。この兄と話していると、全てが暖簾に釘押しだ。私のことをまるで聞き分けのない幼女のように扱う。


うちの家族は皆過保護で心配性だ。

未子として存分に甘やかされている一方で、たくさんの制約も与えられている。

兄に手紙を勝手に見られるのなんて序の口で、朝目覚めたら母がベッドの縁で私の目覚めを待っていただとか、隣国の親戚の元で留学中の姉から毎週末贈り物が届くだとか、

ーーー社交の場には、参加させてもらえない、だとか。


14歳と言うと、お兄様は貴族の男子が通う学園に通っていたし、お姉様はお母様と共にお茶会や夜会に参加していたはず。

私だって、そろそろこの安全で甘やかな屋敷から出て、社交に励んだり、世間を知ったりしても良いはずなのに。


そんなに私、頼りないのですか?


その一言がどうにも口に出せずに、もやもやとした心地で過ごしている。




ソフィアお兄ちゃん(21)

愛の強いシスコンお兄様です。

がんばれユリアちゃん!

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