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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
新たなる出会い
60/240

警察署2

 「何やってんだい、アンタ達は!」


 そう言うとその女性は走達のいる部屋に入ってきた。

 その女性は20歳前後位、スカジャンを着ていて、茶髪に複数のピアスをしており、ヤンキー風の身なりをしている。ボーイッシュだが、中々の美人だ。


 「姐(ねえ)さん!いや何コイツ等が…」

 「その前に、銃を下ろしな!」

 「でも…」

 「でもじゃない!それを無闇矢鱈(むやみやたら)に人に向けるなってアイツも言ってただろ!アタイ等は無闇に人を傷付けるような、人間集まりじゃないんだよ!」

 「すっ、スイヤセン姐さん!」


 そう言うと彼等は銃火器の安全装置(セーフティ)をかけ、それ等を懐などにしまい込んだ。


 「たく…あんた等、悪かったね。ウチの連中が怖い思いさせちまって…」


 そう言うと彼女は走達に軽く頭を下げ侘びた。

 急な展開に走達も固まった様に少しの間、言葉を詰まらせた。

 彼女は意外と礼儀正しいようだ。


 「いえもう済んだことですし…」

 「そうそう、こんな状況下だ。ピリピリしても仕方ないしな…」

 「そうかい、すまないね…ところでアンタ達は何者だい?どうしてここに?」


 正一が再びことの経緯を説明した。

 それを聞き彼女は、


 「なる程ね…武器(銃)目当てで来たのかい…」

 「えぇ、そういう訳でして…」

 「うーん…協力してやりたいけど、アタイの一存(いちぞん)では決められないんだよ。待ってな、上と話してくる。」


 そう言うと彼女は階段を登っていった。

 が、途中の踊り場で足を止めた。


 「あっそうだあんた等!」


 彼女は男達に目をやり、


 「アタイが戻るまでに、又何か、つまんない事すんじゃないよ!ソイツ等と大人しくしてんだよ、分かったか!」

 「うっ…ウッス!姐さん!」


 男達は背筋をピンとして答えた。

 それを聞くと、彼女は再び上に行った。

 どうやら彼女はかなり恐れられているようだ。さっきまでの威勢は何処へやら。彼女の姿が見えなくなると、途端にへたり込んだ。

 そんな男達と走達は特に話すことも無く、無言で彼女の帰りを待った。

 少しすると約束通り、彼女は戻って来た。


 「またせたね。ちょいと来てくれるかい?ウチの大将がアンタ等と話したいそうだ。」

 「大将?」

 「彼女達のリーダーみたいだな。どうする走?」

 「ここまで来たんだ。手ぶらじゃ帰れねーよ。行こうぜ!」


 他の2人も同意し、彼女達と上へ上がった。

 そこには、彼女達以外にも多数の若者がいた。銃を突き付けてきた男達みたいな連中もいれば、いたって真面目そうな高校生位の男女もいれば、幼い幼児も何人かいた。

 彼等は走達を、少々警戒気味に見ている。走達は、その視線が少々痛く感じた。それを察したのか彼女は、

 

 「悪いね、皆普段は気のいい奴等なんだけど…」

 「気にしないで下さい、僕等は余所者ですから。えっと…お名前は?」

 「あぁ、そういや自己紹介がまだだったね。アタイは鬼童町(おんどうまち) 嵐子(らんこ)だ。」

 「鬼童町…スゴイ…いや、珍しい名前ですね。」

 「ああ、よく言われるよ。周りからは「ラン」って呼ばれてるよ。アンタ等もそう呼んでくれて構わないよ⁉」


 慣れているのか、彼女は特に気にする様子も無く、アッサリしていた。

 どういう字で書くのか説明され、それを聞いた走は、内心「鬼の字が入っているし、ピッタリな名字だ!」と、思ったが、口にはしなかった。

 そんな話をしながら署内を進んだ。普段目にすることのない警察署の内部。今は警察官は1人もいない。いるのは自分達とそう年の変わらない若者達のみ。そう分かってはいるが、走達は、どうしてもかしこまってしまっている。等と話していると到着したのか、ランは足を止めた。


 「ほら、ここだよ!」

 「ここ⁉」


 ランが指差す部屋。そこの扉の上には、「取調室」のプレートご付いている。ドラマとかで見た事あるのと同じだと、走達は感じた。

 それからランがドアを叩き、


 「辰馬、アタイだ。例の3人を連れてきたよ。」

 「ランか、いいぜ、入ってくれ!」


 中から返事が帰ってきた。ランはその言葉を聞くとドアを開いた。

 そして走達を中へと誘導した。

 恐れ恐れ中に入ると、向こうも3人の男がいた。1人はパイプ椅子に座り、残りの2人はその後方に立っている。

 走達と彼等の目があった。ほんの少しの間沈黙が続いたが、パイプ椅子に座った男が先に口を開いた。


 「わざわざ来てくれてご苦労さん。立ち話も何だ、座ってくれ。」


 と、男は言い、同じパイプ椅子に座るように勧めた。

 これが、走達と辰馬の出会いだった。

 


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