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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
地下 隠れ家
42/205

テコンドー

 「その通りだ。」


 高倉が3人の会話に割って入って来て、説明しだした。


 「彼女、ああ見えてもテコンドーの有段者らしくてな、その辺の男よりも強いぞ。」

 「マジっすか?」

 「ああ、何でも昔から研究漬で運動不足になりがちでな、運動不足解消と研究に必要な体力を付ける為に何か始めようと思ったらい。で、始めたのがテコンドーだ。」

 「いや、何でテコンドーを…」

 「本人曰く、腕を怪我したら研究に支障が出るから、手じゃなくて足を主に使うテコンドーを選んだらしい。」

 「運動不足かと体力付けたいなら別に格闘技でなくてもいいと思うけど…」


 走はますます天才の考えは理解し難いと感じた。等と思ってる間に、


 「がハッ…」


 と、聞こえて来た。走るが声の方に目をやると、船森が倒れていた。紫苑と船森の戦いは、余所見をしている間に終わってしまっていた。どうやら紫苑が船森に踵落としをお見舞いしたらしい。


 「勝負あったわね。一応手加減してやったか、大事には至らないと思うけど、念の為に安静にしてなさい。」

 「あれで手加減した方なのか…」


 走が疑問を抱いていると、船森の取り巻きが、船森を立たせた。


 「チクショーが、覚えてやがれ!」

 「今度あったら見てろよ!」


 ベタな捨て台詞を吐いて、3人の男は去って行った。


 「はースゴイはね、アナタ。」


 カエデが感心した声を紫苑にかけた。


 「この位に大したことないはよ。それじゃ、研究再開するから。又、何かあったら呼ぶからお疲れ様。」


 そう言って、紫苑は部屋へと戻っていった。


 「まさに文武両道だな彼女。」

 「ああ、さっきの戦ってる姿。昔のドラマや漫画に出てくる不良少女、属に言うスケバンみたいだったぞ。」


 ロングスカートで華麗に足技を繰り出すその姿は、走の目にはそう映ったのだ。


 「生きて帰れたら、あたしも何か始めようかしら…」


 カエデが興味を抱いている。それに対し走は

 「辞めとけ、ますます女らしく無くなるぞ。」

と、思ったが、口には出さなかった。


 「それじゃ高倉さん、僕等はこの辺で。」

 「ああ、わざわざ済まなかったね。」

 「ところで今何時だ?」

 「さぁ、地下だから窓ないから分かんないけど、もう夕方くらいじゃないかな。」


 走達は3人共腕時計をしていなかった。携帯・スマホで分かるので近年、腕時計をしない人が増えているという話だが、肝心の携帯・スマホが動かなければ意味をなさない。3人は、山を降りた後に蚊から逃げ惑う最中、警察なり消防なりに連絡を取れないかとスマホの動作確認をした。例の一件でカエデのスマホは電源を切っていたが、安全を確認してから電源を入れたところ、正常に戻っていた。走と正一のは普通に動いたので、あの時電波の届く所に居たらどうなっていたかは不明だ。しかし、電波は町中であるにも関わらず、届いていなかった。

 そんな彼等のスマホは、3台とも電源が上がってしまっているので、ただの置き物と化していた。それを聞くと高倉が、


 「良かったら、充電するかい?」と聞いてきて、

 「えっ、いいんですか?」正一が聞き返した。

 「あぁ、いざという時に動いたほうがいいだろう。私の権限で認めよう。」


 走達はお言葉に甘えて、充電させてもらう事にした。 

 

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