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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
地下 隠れ家
34/205

居住区

 「おお、君達無事で何よりだ。」

 「高倉(たかくら)さん。私達は何とか。でも…」

 「でもって、うん、1人見当たらない人がいて、逆に知らない人間が入るじゃないか。これは一体?」

 「詳しくは俺が説明します。一先ず中に。」剣持が代表するかの様に切出した。

 「あぁ、それもそうだな。」

 「後、コレを。新堂さん達が取ってきてくれた食糧です。」

 「おお、有り難い。ご苦労さま。それじゃ、置いてくるから話はまた後で。」


 高倉と言う男は食糧を受け取ると奥の方へと消えた。


 「今の人は?」正一が訪ねた。

 「高倉さんと言って、ここのリーダー格の1人です。」

 「リーダー格ね…」


 走達が高倉の後ろ姿を見送ると別の方から、今度は女性の声がして来た。そこには小太りの中年の女性がいた。


 「ちょっと有希子ちゃん。顔をゲカしてるじゃないの!」

 「あっ、御子柴(みこしば)さん。少し転んでしまって。でも、これくらい大丈夫ですよ。」


 有希子は平気そうに言ったが、女性は有希子の手を掴み取り


 「何言ってるのよ、化膿でもしたらカワイイ顔が台無しでしょうが。手当するからいらっしゃい。」

 「そうよ有希子、してもらいなさいよ。御子柴さん、お願いします。」

 「任しな、ほら早く。」

 「あっ、ちょっ…」


 女性は有希子を連れて行ってしまった。あとに残された走達は

 

 「登紀子さん、今の人は?」

 「御子柴さんって言って、元はそこそこ大きな病院で看護婦さんをしてたらしいは。ここじゃ、貴重な存在よ。」

 「看護婦か…確かにここでは医療関係者は貴重だな。」

 「えぇ、それより…やっぱあたしも有希子の事気になるから行くわ。それじゃあ。」

 

 そう言うと登紀子は2人の後を追う様に行ってしまった。


 「行っちゃったな…」

 「本当、見た目も性格も正反対なのに仲がいい姉妹だな。」

 「それはそうだろう。双子の姉妹だ。生まれてからずっと一緒らしいからな。仲がいいのは良い事だ。」


 修一と防が微笑ましい感じて話している。そこへ、高倉が帰って来た。


 「待たせたな。剣持くん。奥で話を。後、そこの3人も来てくれるか?あっ、心配しなくとも何かしようって訳じゃない。ただ色々と聞かせてもらいたいんでね。」

 「えっ、あぁ、分かりました。よっちゃん、カエデ行こうぜ。」


 2人も頷く。そして高倉に誘導され走達は奥に向かい、戸が取り外されたドア口を潜る。するとそこは狭いがちょっとした商店街の様に両側に店が並んだ場所だった。最も、店は営業してる訳もなく、シャッターが閉じているが。


 「ここは?」走が高倉に質問した。

 「元はとあるビルの地下だ。見ての通り、近隣や上の方のテナントに入ってる会社等の人達をターゲットにした飲食店やコンビニが入っていだんだ。最も、今は地上との出入り口は見ての通り、蚊が入ってこないよう、封鎖済みさ。」


 高倉が指差す方向には、ここと外を通じる階段があったらしいが、大量の粗大ごみのようなもので、完全に埋め尽くされている。


 「さっきの居住区は、ここや近隣の建物のインフラ等の管理の為のスペースらしく、アチコチと繋がっているんだ。結構な広さなんで居住区として利用してんのさ。」

 

 更に説明を聞くと、技術者がいるらしく、その人が太陽光や下水道等を利用した水力発電のシステムを作ってくれたおかげで、贅沢には使えないが必要最低限の電気は確保できているらしい。先程の居住区に電気があったのは、そのおかげだという。


 「さてと、話はこの位にしとこう。ここだ、入ってくれ。」

 

 テナントの一角に走達は通された。そこには、複数人の男女がいた。

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