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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
地下 隠れ家
32/205

バリケード

 区切りが良かったのでここから3章とします

 走達は剣持達に案内され、彼等の隠れ家に向かった。正一の車は隠れ家の入口近くに停めた。本来なら駐禁を切られるだろうが、今は取り締まる警察は居ないので、堂々と停めれた。


 「!おい、こんなとこから入るのか?」

 「ああ、ここから入るんだ。」


 それは、路地裏にあるマンホールだった。剣持が蓋を開けると、先に新堂姉妹を入らせ、それから走達が入った。剣持はその間何時でも刀を抜ける状態で回りの様子を伺っていた。


 「マンホールに入るなんて生まれて初めてよ。」カエデがつぶやいた。

 「そりゃそうだ。マンホールなんて、業者でもない限り入る機会なんて皆無だから。」

 「まるでタートルズみたいだ。」

 「こっちです。」有紀子が懐中電灯を片手に走達を招いた。


 彼女の誘導に従い、下水道を進むと少し広い場所に出た。


 「もう少しですよ。」

 「ところでここはどの辺なんだい?」

 「難波の南の方です。ここから更に南下したら通天閣の近くに辿り着きますよ。」

 「通天閣…そんなとこまで逃げて来たのか俺等は…」

 「無我夢中で逃げまくっていたからな。」

 

 等と話している内に着いた。


 「ここです。」

 「これは?」


 そこにはバリケードが築かれていた。有希子が、バリケードから出ている紐をグイグイと、引っ張りながら、


 「私達が隠れ家は、下水道や地下鉄の線路等といった、地下空間を利用しているんです。蚊が出現した地上とはバリケードやシャッターで何重にも封鎖してあります。」

 「なる程、地上の下手な所よりは安全かもな。」

 

 等と話していると、「誰だ!」とバリケードの向こうから人の声が聞こえてきた。


 「その声、大石さんですね。私です、有希子です。」

 「新堂さんか!無事戻ったんだな。待っててくれ、今開ける。」


 その言葉通り、バリケードの一部が動き、ヒトガ通れるだけの隙間が出来た。そして、そこから1人の若い男が顔を出した。見た感じ、走等と同じ位の歳だろう。


 「新堂さん、登紀子さんに剣持さん…ってあれ、袴崎さんは…それに知らない人達も…」

 「…それが…」


 有希子が暗い顔をし、それを見て男は事情を察したのらしく、顔色を変え


 「まっ、まさか…」

 「いや、(まもる)くん。ここではあれだ。詳しくは後で話す。早く中に。」

 「剣持さん…あぁ、そうですね。皆さん早く中に。バリケードを閉じます。」


 全員が中に入ると、防と言う男は近くにあった物でバリケードを再び閉じた。

 それと同時にまた別の声が聞こえてきた。


 「おーい、防!どうかしたか?」奥からパーカーを着た、いかにも腕に覚えありといった感じの男が現れた。

 「あぁ、修一(しゅういち)か。お前こそどうしたんだ?」

 「何って、遅いから気になって様子を見に来たんだよ。」

 「そうか、すまないな。少々話をしていてな…」

 「話って…ん、見慣れない連中もいるな。」


 修一と呼ばれる男は走達を見て発した。


 「僕も詳しくは聞いていないんだ。兎に角、早く居住区に行こう。あっ、新堂さん。それ調達した食糧かい?」

 「あっはい。」

 「ご苦労さま。ここからは、僕達が運ぶよ。」

 「あぁ、重そうだしな。任してくれ。」

 「あぁ、それじゃあお言葉に甘えて。」

 「はい、ヨロシク!」


 新堂姉妹が食糧を2人にバトンタッチし、一同は奥に進んだ。



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