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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
新たなる出会い
204/206

子供達

新堂姉妹達が子供達と遊んでいる頃、


「よいしょと!一先ずココに置いとくぜ!?」

「ああ!」


辰馬の仲間等が、隠れ家の端に何人か集まり、荷物を置いた。


「それは!?」


その様子を見ていた、内海の仲間の1人が聞いてきた。

それに対して彼等は、


「俺等の手持ちの荷物を纏めた物ッス!」


と、返した。


彼等が乗っていた2号車。新堂姉妹等も乗っていた。その2号車が、テナントビルの一件の後、壊れて動かなくなり、立ち往生してしまった。更に蚊の襲撃を受け、やむを得ずその場に乗り捨てた。

その後、色々あって、走達と合流。そして、2号車の代わりに、キャンピングカーでココまで来た。そのキャンピングカーに乗る際、スペース等の問題から、必要最低限の荷物しか持てなかった。

その最低限の荷物。それを更に、一つに纏めた物がコレだ。


「コレが…で、中身は!?」

「色々あるけど、主に携帯食に最低限の医薬品、そして弾薬だな!」

「弾薬!?」

「そっ!警察署から拝借した銃火器の弾薬ッス!」

「ああ、そう言えば、君達のヤツはそうだったな…」


内海達が所持している猟銃等は、元々、狩猟免許を持つ彼等が所持していたもので、普段は厳重に保管してある。猟銃の保管方法等は、法で定められている。基本は、法で定められた、堅固な保管庫(ガンロッカー)に入れる事だ。施錠は欠かせない。

勿論、弾薬も同様だ。


対して辰馬等は、隠れ家にしていた警察署にあった物を拝借して使用している。当然、彼等の中に、免許を持つ者はいない。

なので、完全に違法なのだった…


「今更かもしれないが、勝手に持ち出したりして大丈夫なのかね!?」

「そうだぞ、銃刀法違反だし、持ち出したら窃盗にあたるんじゃ…」

「…まぁ確かに、非常事態とはいえ、何かしらの罪にはなるかもな!」


一旦、言葉を止めてから、続けた。


「でも、全て覚悟の上ッスよ!」

「ああ何しろ、俺等は沢山の、チビ達を抱えてるからな!」


そう言って、遊んでいる子供達の方に目をやる。その子供達は、主に辰馬の仲間等の兄弟や、例の事件で、親とはぐれているところを、彼等が保護したのだ。


「子供達か…」

「ああ。今の大阪の地で、そのままほっといたら、蚊共の餌食になるのは、火を見るよりも明らかだからな!」

「か弱い奴らだ。俺等が守ってやらねーと!」

「ああ。海外じゃ、人身売買組織に拐われた子供達を助ける組織があるらしい。無論、活動は命がけだ。曰く、子供達の為なら死をも覚悟の上だそうだ。その人達だって、命がけで子供達を助けてるんだ。だったら、俺等も命かけるぜ!」

「そういう事だ!アイツ等の為ってんなら、危険も、何かしらの罪に問われることも全て、覚悟の上よ!」


と、言い切った面々。

辰馬の仲間である彼等。見た目は少々強面の不良ぽい面々だが、実際は兄弟・仲間思いで、人の良い連中なのだ。


かく言う内海等も、妻子持ちが多い。彼等の言葉に多いに心動かされた。


「そうか…なら我々はもう何も言わない。あの子達の為、我々も力を貸そう!」

「そう来なくちゃな!」


そう言って彼等は、固く握手を交わした。

年こそ離れているが、互いに守りたいものがある者同士。通じ合うものがあったのだ。


彼等は、例の日の一件後、この場に隠れ家を気付いた者達と、方や後からやって来た者達。といった間柄。

最初は、よそ者感を感じていた。が、この事が元で彼らの垣根は取り払われ、彼等は一つとなったのだった。



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