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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
第一章 始まり
14/205

自分達への手紙

 変なことが起き、少し気分を害された気になったが、気を取り直してタイムカプセルを掘り出そうと、走達は一本松の元にたどり着いた。


「ふー、やっと着いたな。」

「埋めたのは、確かここね。」

「そんじゃ掘るか!」

「おう!」

 

 走と正一が荷物の中からスコップを取り出し、埋めた場所を掘り始めた。

 しばらくすると


カチン‼


と音がした。


「おっ!あったぞ。タイムカプセルだ!」

「よし、壊さないよう、慎重に取り出せ。」

「早く早く!」

「急かすなって!」

 

 3人はようやく、目当てのタイムカプセルを掘り出した。

 早速、その場で開けてみた。


「これは俺の入れたやつだな。」

「これはあたしのね。」

「すっげー!懐かしいな。」


 中身は当時流行っていたり、よく遊んだ小さなおもちゃ等が大半だった。

それ以外は、3人がそれぞれ未来の自分へ向けて書いた手紙だ。皆書いた内容は、よく覚えていない。

 

「俺は「宇宙飛行士を目指してがんばっているか」だって。そういえばそんな事言ってたな…」


 と、昔の事を懐かしむ正一。


「あたしは、うっ…」


 カエデは顔を赤くし、手紙を隠そうとしたが、走が覗き見し、


「どれどれ…ぷーっ、CAだってCA!CAって、キャビンアテンダントの事だろ?似合わねー!」 


 走は大笑いした。


「五月蠅いわね、そう言うアンタはどーなのよ?」

「おれはそんな子供っぽい事書いてねーよ。どれどれ…」


 走の手紙には、


「ウルトラレンジャーズのリーダーになって、悪い奴をやっつけて皆にチヤホヤされたい(特にカワイイ女の子に)。」


 と、書いてあった。

 それを見て走は、カエデ以上に顔を赤くした。


「あはははは!!何よコレ!?あんた、馬鹿丸出しじゃないの!一番子供っぽいし、はははははっ!」


 と、カエデはさっきのお返しとばかりに、大笑いした。


「ウルセー!」

「まーまー!まぁ、とにかくだ、目的は果たせた事だし、そろそろ帰ろうぜ。」

「ああ、そうだな、続きは帰ってからゆっくり見ようぜ、長居は無用って言うしな…」


 走達は下山しようとし始めたその時だった、動物の鳴き声がした。


 「ミギャーー‼」

 「キャイ、キャイーン‼」


 それもただの鳴き声でない。人間でゆうところの、悲鳴に近いものだった。


「何だよ今の?」

「動物の鳴き声だが、普通の鳴き声じゃなかったぞ!?」


 ガサガサッ!


すると茂みから、山猫や山犬が血相変えて走達の横を走っていった。


「犬猫が俺らに目もくれずに走ってくぞ。」

「何かから逃げている感じだぞ。」

「何かって、まさか熊でも出たっていうの?」

「いや、亀山(ここ)に熊はいないはずだ。」

「じゃあ、何なのよ。」


 すると一匹の山犬が遅れてやってきた。もたもたしながら走ってきた。恐怖で足がもつれてしまった様だ。


「何だよあの犬、逃げ遅れたのか?」


 その時、その更なる後方から何かが大きな羽音をあげ、山犬に向けて飛来し、突っ込んで来た。


 「ギャイーン!」


 山犬は悲鳴を上げるも、そのまま硬直したかの動きが止まった。いや、麻痺して動けなくなったと言った方が正しい。山犬は痙攣したように身体をピクピクさせたかと思うと、そのまま口や目から血を出して倒れ、そのまま息絶えた。山犬の死後、飛来した物体は亡骸から離れ、上空に舞い上がった。そこに、更に同じ物体が2匹やって来てた。

 計3匹のそれは不気味な羽音を立てて空中に浮かんでいる。


「おっおい、何だよあれは?」

「ゆっ夢でも見てるの…」

「それならいいんだが、現実みたいだこれは…」

 

 プーンプーン!!


 大きな羽音を立て、普通の人間が持つイメージとかけ離れた大きさのその物体、「「蚊」」は走達を次のターゲットに決めたように針を3人に向けた。


 

 本文のスコップは、小型のヤツの事です。スコップとシャベルは西日本と東日本で逆になってるらしいです。筆者はそのへん曖昧ですが、舞台が関西なのでそれに合わせてます。

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