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「情報屋さん、僕が第1王子のロイ・ユリオプステージだよ。よろしくね。」
「はい。よろしくお願いします。」
普通の人なら倒れてもおかしくない程の美貌をこちらに向けられてなお倒れないのは零のおかげだな。
零は子供の頃拾ってから育てるまで美が輝いてきた。依頼で連れて行ってもその美貌で倒れる依頼者が続出して零は必要なかったのだが人前に出る時はフードをつけるようになった。
「わぁ、僕の顔みて倒れないのは初めてだよ。さすが一流の情報屋。」
第1王子は子供のように声を弾ませながら言った。宰相を見ると俺を無意識か尊敬した目で見ていた。
「リック、素が出てるよ。もう予想外のことがおきると出ちゃうんだから。」
「ちょっ王子!やめて下さいよっ!あっ…」
2人の会話を満面の笑みで見ていた。やはりそうだったのか。睨んだ通りだったな。
「情報屋、もうバラしますけどこれが素です。だれにも言わないで下さいよ!」
宰相は真っ赤な顔をして前のめりになって言った。でも黙ってる程お人好しじゃない。
「では、口止め料をもらいましょうか。」
「あはは、情報屋さんの性格嫌いじゃないよ。でもねもし口止め料より高い値段を払ってでも宰相の秘密を買おうとするやつがいたらどうすんの。」
「そしたら売ります。」
当たり前だ。こっちは商売でやっているんだ。
「じゃあなんだけど僕がその情報を永遠に買うよ。君の秘密でね。」
…っ⁉︎どこで俺の秘密を!
「情報屋さんって宰相同様素が違うでしょ。頰が引きつった笑い方をしてるよ。よく貴族がする笑い方だね」
第1王子はベットで膝を曲げてニヤと笑った。美貌の分、俺の狂気と言われる笑いにも匹敵する笑いだった。
これは零の怒った時の笑いに似ているな。前に油断して大怪我で帰ってきた時の笑顔がものすごく怖かったのを覚えている。
「なんのことでしょう。」
俺は冷汗をかきながら今できる最高の笑顔をした。これが
「ほらひきつってる。違うならこの情報流しちゃおうかな。」
第1王子は余裕な笑みで指をくるくると回した。この余裕さだと広める方法も用意してあると考えた方がいいだろう。
「潔く認めなよ。」
こちらには証拠もあるがあちらには証拠がない。しらをきれば大丈夫のはずだ。
「はぁ、しょうがないなぁ。情報屋さんはこれから仲間になるからあまりこういう方法は使いたくなかったがしょうがないね。リックお願い。」
第1王子がそう言うと宰相は後ろに控えていたが「はい」と言い前に出てきた。それに俺は警戒し身構える。宰相と第1王子を交互に警戒する。
「情報屋さん、大丈夫だよ。何もしないから。ちょっと見るだけだからね。」