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「俺はな、訳あってこの姿だが…一応もう成人してるんだよ!」


 そう言いながら手でグーを作り殴る。俺の拳は偽衛兵達のリーダーと思われる奴の顔面にクリーンヒットし後ろに吹っ飛び裏門に当たりそうになる。俺は今騒いで中にバレるのはまずいと思い裏門に壊れないように【防御】と周囲に音を消す為に【防音結界】をかける。防御とはさっき宰相に使ったがあれは対象を囲み対象の身の安全を守る為に使ったが今回は扉や壁が壊れないようにはった。もうひとつの防音結界とは外から中の音が聞こえないようにする魔法だ。だが、そんなに広く、長くははれないという弱点を持っている。この魔法は本来貴族などの高貴な身分の人達が聞かれてはいけない事を話す部屋にはられる。その時は壁の間に隙間を作り魔力を流し循環させてから防御結界を貼ると弱点がカバーされ広くはれるようになる。そして魔道具でかなりの魔力が貯められそれを循環させて長くもはれるようになった。


「リーダーがやられた。動け。」


 最初に殴った偽衛兵は防御の壁にあたったらしく伸びていた。その間に俺を囲むように偽衛兵達は手練れらしく動く。さすがだな。リーダーがやられたにもかかわらず動揺しないとは。俺は偽衛兵の動きを横目で見ながら感心する。偽衛兵の1人が俺に剣を振りかざす。もう2人は魔法を展開する。あの魔法陣は右が火球で左が水球。それを俺の前ら辺でぶつけて水蒸気爆発を起こさせるつもりという事か。だがこれは最終手段だろう。偽衛兵にしておくのはもったないくらいの腕前だな。ほしいな…。

 一応防音結界がまだ展開できることを確認する。俺は剣を懐から出した短剣で受け止め素早く剣を持っていない手を魔法を放とうとしている2人に向け魔法陣を少しいじり魔法を軽い爆発をさせた。だが、偽衛兵達の手で爆発させたから血が出ている。2人は手を抑えたまま回復魔法を使わずまた俺に魔法を打ってこようと魔法陣を展開している。判断が早いしもっと欲しくなった。絶対手に入れようと心に誓い受けている剣を短剣で振り払い偽衛兵達に話しかけた。


「なぁ、俺のにならないか。もうこれくらい戦ったら賢いお前らなら俺に勝てないことくらい分かっているだろう。」


 俺の申し出に剣を振り払われた偽衛兵は一瞬唖然の顔になった。だがすぐに顔を引き締め俺をより一層睨んできた。俺はこうなることも予想していた…というかここで了承したら殺すつもりだった。なぜならこいつらは今依頼を受けているわけだ。ここで了承したら俺の一声だけでその依頼を裏切るという訳だ。俺側についたとしても勝てないから…声をかけられたから…裏切るということがあっては困る。その面接を今したのだが合格だ。よし連れて帰ろう。俺は【身体強化】を使い偽衛兵に一瞬で近づき腹を短剣の柄でどついていく。「ふぅ」と溜息をつき防御やら何やらを解いていく。


「見事だな。こいつらはどうするのだ。」


 宰相は隠れていた木からでてきて俺の近くに歩いてくる。まだ俺を見定めているような目をしている。確かに王族の護衛となると湧いてくるようにくる暗殺者の相手をしなければいけない。宰相はそれも見定めているようだ。


「取り敢えずは依頼主の情報をはかせるために牢獄に入れておきましょう。その後は普通は殺すところなのですが私が欲しくなったのでもらってもよろしいでしょうか。どうせ殺されるなら有効活用をしませんか。まぁ、私が気に入ったのもありますが。普通の時は私の魔法で死体を消しますのでご安心ください。」

「あぁ、依頼主の情報はかせればこちらは問題ない。あとは危険がないようにしてもらえれば。」


 宰相は俺の答えに満足だったようだ。願いも聞いてもらえた。


「衛兵、私だ。宰相のリック・オウエンスだ。今帰った。開けてくれ。」


 宰相はそう言いながら裏門に手をかざした。横目で盗み見る。これは最近発売された魔力判別機。俺も欲しかったのだが中々手に入らない。きちんと売ってる側が管理しているということだ。俺みたいな素性の分からない奴らにわたらないように。

 最新技術に感心しながら魔力判別機の解析を行った。

 魔力判別機の構造は意外と単純で登録した魔力が一致するか一致しないかで判断しているようだ。一見誰でも思いつきそうな事だが実行には移せなかった。魔法式を何重にもかけなければいけなかったのとその魔法式も分かっていなかったからだ。誰が作ったのか定かではないがありがたいものだ。店のプライベートの所にでもつけようかな…。依頼者がたまに覗こうとするんだよな。

 そんなことを考えている間に偽衛兵達は裏門の中にいた本物の衛兵に縛り上げられ地下牢に連れていかれた。引き渡しは情報をはかせてからになると宰相から説明を受けた。


「それでいいですよ。ですが体とかに致命傷となるような傷はやめてくださいね。」


 俺は宰相や衛兵に向けて言った。国のやることは分からないからな。もしこっちに来た時に死んでいるもしくは致命傷をおっていたら面倒だ。


「わかっている。情報屋はこっちについてこい。衛兵達は引き続き警戒を頼む。あとで特別手当を用意する。」


 宰相の指示に衛兵達は「はい!」と元気よく返事をした。それに宰相が「静かにしろ」と突っ込んだのは言うまでもない。

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