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銭湯の娘。

作者: 七瀬




私の家系は、、、?

代々 『銭湯を継いでいる者です。』


しかも、、、?

銭湯の番台に座るのは、何故か、、、?

みんな女性と決まっているんです。



何百年と続いている、ここの銭湯を私が引き継ぐ時が何時くる!

私のおばあちゃんもそのおばあちゃんも、、、。

私は、母から受け継ぐ事に、、、!!!




母は、私が小さい時から何時も言っていました、、、!


『いつか? 貴女が私の後を継いで、ここのお番台の上に座るのよ!』

『・・・私が!?』

『そうよ! ヒマワリが私の後を継ぐの!』

『・・・でも、私にもできるの、、、?』

『もちろんよ! ここのお番台に座れるのは女性だけだと決まっているから!』

『じゃ~お兄ちゃんは座れないんだね!』

『そうね! あの子、ここの銭湯を引き継ぎたいと言っていたけど、、、?

残念だけど、、、男性は無理なのよ!』

『じゃ~私がここの銭湯を守るわ!』

『ヒマワリ、偉いわね! その時が来たら、貴女にすべて任せるわね!』

『ううん!』




ずっと私が子供の時はそんな会話をしていたのだけど、、、?

私が、中学生、高校生と成長していくうちに、、、!

私にも別の叶えたい夢ができた、、、!


それを、母親に話した事がある、、、!


『お母さん! 私ね、私、、、! パティシエになりたいの!』

『えぇ!? ヒマワリ、貴女はここの銭湯を引き継がないとダメなのよ!』

『どうして? 私にも別の夢が出来たのよ! それなのに、、、お母さんは

私に諦めろと言うの、、、!』

『ヒマワリ、わたしと約束したわよね! ここの銭湯のお番台に座れるのは

女性しかダメなの! しかも血縁関係がある女性ひとしか、、、!』

『何故? お兄ちゃんじゃダメなの! お兄ちゃんは、ここの銭湯を引き継ぎ

たいと一番強く思っている人なのよ!』

『だから、何度も言っているでしょ! 男性じゃお番台には座れないのよ!』

『じゃ、座らなかったらいいじゃない!』


【バチン!】


『お母さん! 何するのよ!』

『何故? 貴女はそんな子になってしまったのよ! 貴女が子どもの頃から

ずっと言い聞かせてきたのに、、、!!!』

『私は、ここの銭湯を絶対に! 引き継がないから!』

『ヒマワリ、』




お母さんが、頑張って! この銭湯を守り続けてきた事はよく知っている!

毎日毎日、お風呂場の掃除から、薪を割って燃やして、お店の掃除も丁寧に

して、休むことなくここの銭湯を守り続けてきた事...。


ここのお客さんは、、、?

常連のお客さんがほとんどで、時代ごとにお客さんも減っている、、、!

どうせ! 私がここの銭湯を引き継いでも、、、!


ここの銭湯は、いずれ潰れてしまうと思うと、、、。

私も引き継ぐ事を躊躇してしまう部分もあった、、、!



それに、私のやりたい事じゃない事をしていく事が苦痛にならないか、、、?

そんな事ばかり考える!



お兄ちゃんが女性なら、ここの銭湯をお兄ちゃんが引き継げるのに、、、!

私は、お兄ちゃんに相談する事にした、、、!


『ねえ、お兄ちゃん! 少し話したい事があるんだけどいい?』

『ヒマワリ、どうしたんだ?』

『お兄ちゃんは、ここの銭湯が凄く好きなんだよね!』

『あぁ! そうだよ!』

『お兄ちゃんは、私がここの銭湯を引き継ぐ事になってもいいの?』

『えぇ!? どうしたんだよ! ヒマワリ、』

『私ね! 夢が出来たの! パティシエになりたい!』

『じゃ、ここの銭湯はどうなるんだ!』

『お兄ちゃんが、引き継げば!』

『バカ! 俺は男だぞ! お番台に座れるのは女性しかダメなんだ、、、!

お母さんが、ずっとそう言ってきただろう!』

『お兄ちゃんには、覚悟はあるの?』

『・・・なんの?』

『女性になればいいじゃん!』

『はぁ!? 何を言うかと思えば、、、? 無理に決まってんだろう!』

『どうしてよ! そこまで、ここの銭湯を好きで引き継ぎたいなら! 

やるべきじゃないの、、、!!!』

『・・・・・・』

『1度、本気で考えてみたら、、、?』

『・・・・・・あぁ、』




あの時の私は、どうしても夢である! パティシエになりたくて、、、!

お兄ちゃんに、ここの銭湯の事を擦り付けていた、、、!



でも、まさか!?

そんな事になるなんて、、、!?




ある時、お兄ちゃんが旅行に行くと言いだした、、、!

家族も、たまにはゆっくりするのもいいよね!


・・・そんな風に思いながら、お兄ちゃんを見送った、、、!






10日間後、、、。


旅行から帰って来たお兄ちゃんに、家族はびっくり、、、!

まさか!? 女性になって帰って来るなんて、、、!!!


『勇気! あなた、どうして、、、?』

『お母さん! ワタシはどうしても、ここの銭湯を引き継ぎたいの!

子どもの頃から、ずっとそう思っていたわ! 何故? 女性しかダメなの?

男がダメなら、女になればいい! だから、女性になったのよ!』

『・・・どうして、こんな事に、、、!!! お母さん、凄く悲しいわ!

せっかく、男の子に貴方を産んだのに、女性になってしまうなんて、、、!』

『女性になったんだから! ワタシもお番台に座れるわよね!』

『バカ! そんな事ができる訳ないでしょ! ここの銭湯を引き継ぐのは、、、!

ヒマワリと決まってるの! 勇気、貴方じゃないわ!』

『お母さん、』

 


まさかまさかだったけど、、、!?

お兄ちゃんが、お姉ちゃんになると思わなかった、、、!


そんなに、思い詰めていたのかと、、、!

私は、自分を責めた、、、!


私は、お兄ちゃんがここの銭湯を引き継ぎたい事を本気でお母さんに

話す事にした、、、!


『お母さん、いい?』

『えぇ!』

『お兄ちゃんの事! お母さんも知ってる事でしょ! お兄ちゃんは

ここの銭湯が本当に好きなのよ! そうじゃなかったら? 女性になったり

なんかしないでしょ!』

『でも代々、ここの銭湯は、、、!』

『お母さんが言いたい事はよく分かるけど! お兄ちゃん、女性になった

んだよ! ここの銭湯は、お兄ちゃんが引き継ぐべきだよ!』

『ヒマワリ、』

『私の何千倍も何億倍も、お兄ちゃんの方がここの銭湯が好きなんだと

分かったから、、、! 正直、私にはないよ!』

『そう、分かったわ! でもあの子に、ここの銭湯を引き継がせるかは?

直ぐには、決めれないわね!』

『・・・・・・』



あれから1年後、、、。


今は、お兄ちゃんがいや? お姉ちゃんがここの銭湯を引き継いだ、、、!

今では、大柄な女性がお番台に座っている、、、!


いろいろ話した結果!

女性になったお兄ちゃんならイイとなった、、、!


『良かったね! お兄ちゃん!』




私は、夢であるパティシエになるために、、、!

今は、フランスで修行している!


ここの銭湯も、これで安泰かな、、、!




最後までお読みいただきありがとうございます。

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