今日の晩御飯
短編小説ですよ (*`・ω・)ゞ
※ ホラーじゃないです。
ホラーが読みたい方はやめた方が良いです。
これはギャグです。
これはとある都市伝説。
夕方のこと。
そこで迷惑なことや腹のたつことをすると、【バン様】によって成敗されると言う。
人々は【バン様】を恐れて、夕方は大人しく過ごしていた。
「ねぇ止めときなって! そんなことしたら【バン様】に何されるか...!」
「はぁ? んな居るか居ねぇかわかんねぇよーな都市伝説怖がってたらいつまでもダセェまんまだぜ? それにあそこでいきがってる中坊をシメたってよぉ、世のためにはなれどメーワクにはなんねーぜ?」
「いや、でもさでもさ、都市伝説は置いとくとしてもさ、ね? こんなトコで問題起こしたら、アノ鬼の生徒会が黙ってないって!!」
「生徒会ぃ? 生徒会ってウチのか?」
「そうだよ!!」
「ウチの生徒会なんかただのお飾りだろ? 会長なんかフツーにバイト掛け持ちしてるじゃねーか」
「いやいやヤバいのは会長じゃなくて副会長の方だよ!!」
「あ~あの一年のクセにエラソーにしてる女か。アイツもムカつくんだよな」
「エラソーにしてるんじゃないよ! 実際エライんだよ!! アイツ、めっちゃ強いんだよ!! 大きな不良グループを一夜で壊滅させたとかいうウワサもあるんだよ!?」
「ウワサだろー?」
「ちげーよ! 実際中学校とかでも負けなしだったんだってさ! 今だって運動部の三年でも大人しく従ってるし!! あ、でも一回だけ負けたことがあるとかないとか... いやいや、でもウチの学校じゃ絶対サイキョーなのは変わりないって!!」
コンビニの前でたむろしている中学生の不良グループと、その近くで口論している高三の男女。
「おいおい俺らをシメるって? それ本気で言ってんの? お兄さんらたった二人で、俺ら十人相手するって? あんまナメないでくんね?」
すると中学生のグループの一人が不機嫌に近寄ってきた。
「あぁん? テメェーらこそ目上の人間への敬いっちゅーモンが足りねぇーんじゃねぇーの?」
「ちょ、だからやめよーってば!! もーホント置いて帰るよ!?」
「大丈夫大丈夫。すぐ終わらせてやるから。エミちゃんに怖い思いはさせねぇよ。粗大ごみは、片づけなきゃな。」
男達はそれぞれ戦闘体勢へ。
そして男達の拳がぶつかる...
「人様に迷惑じゃぁ阿保ぉ!!」
そして壊滅。
「は?」
そしてただ一人の生き証人(笑)である女は、現状認識するのに少し時間を要した。
「ああああぁ!!!! あんた、生徒会副会長の潘!!!! ちょ、うわぁぁぁ!!!! 本物だぁぁぁ!!!! ぎゃああぁぁぁ!!!!」
そして、叫びながら乱入してきて一瞬で壊滅させた、その少女の正体を知り、絶叫する。
「ふん、こんな道路上で喧嘩なんかしたら大迷惑なこと間違い無しやろ。よって生徒会副会長、潘 ユウキ、処理します。」
「ま、待って待って、待ってください! 潘、いや潘さん! 今後は大人しくするからっ!!」
慌てる女。
「か、帰ります帰ります! 大人しくしますから許してください潘様!! オメーら帰るぞ!!」
逃げていく中学生の不良達。
そして、
「テメェー潘!! ナメたこと言ってんじゃねーぞ!!」
キレだす男。
「大人しく帰れ! めんどくさいな!!」
「あぁ? テメェー自分から喧嘩売ってきたんだろーが!! 女のクセに生意気なんだよ!! しかも一年だろーが!!」
「はぁ? 一年とか女とか、そんなん関係ないやろ!!」
「はっ、オメーなんか先公どもに媚売ることしか脳がねぇークセに!!」
「よぉーし覚悟せぇよぉー? 今日の晩御飯はあんたの素揚げやぁ!!」
「揚げれるモンなら揚げてみろよ!!」
「よぉし気ぃが変わった!! 叩きや!! あたしは今日叩きが喰いたい!! つーか喰う!!」
そう言って潘は履いていたローファーを脱いだ。そして手に構える。
「え、やっぱりちょっと待ってくれね? それ、本気で俺を叩く気だよね?」
「せぇかぁ~い!!!!」
「うわぁぁぁ!!!! ごめんなさいぃぃぃ!!!! 許して潘ちゃん!!!! うわぁぁぁ潘様ぁぁぁ!!!!」
まさに地獄絵図。彼は本当に晩御飯になってしまうのか(笑)!
「よぉし追い詰めたでぇ...覚悟しぃやぁ...」
「ぎゃああぁぁぁ!!!! 助けてぇぇぇ!!!!」
そして男の眼前にローファーの踵が迫って...
「そのくらいにしときなよ潘ちゃん。」
救世主が現れた。
少なくとも男はそう思った。
その救世主(笑)は、潘の振り下ろしたローファーを片手で止めていた。
髪の長い、女性だった。
「あ、会長。」
そう、その救世主(笑)は先ほど男が笑っていた生徒会長だった。
「ほらもーそんな鬼の形相とかやめなよー。潘ちゃんかわいーんだからさぁー」
と、セクハラ紛いのことを言い出した。
「ほら、さっさと帰りなー。城ヶ崎と鳴海、あんたら勉強しないと今度の期末ヤバイんじゃないのー?」
そう言って生徒会長は男女に帰るよう促した。
女は男の袖を引いた。
「ほら馬鹿! 早く帰るよ! じゃあね、ありがとう大原! 勉強頑張るわー」
そして生徒会長が見えなくなると、女は男をどついた。
「何が怖い思いはさせねぇよだよ!! めっちゃ怖かったんだぞ!! ウチ、ちゃんと止めたよね!? もう城ヶ崎君に付き合ってらんない! 別れよ!!」
「えっ、エミちゃんやめて捨てないでぇ!!!!」
「ぎゃーキモい! やめろ離れろ! もうウチに関わるな!!」
こうして二人は別れたそうな。
そうして、【バン様】の伝説は増えて行く。
★
「もー潘ちゃんさー、ちまたで【バン様】なんて呼ばれてるの知ってるー?」
「え、なんすかそれ!?」
「やっぱりねー。ほらさっきも潘様って呼ばれてたでしょ? それが変化して【バン様】になったんだよ~」
「それあたしだったんすか!?」
「あれっ!? 知ってたけど気付いてなかったんだ!?」
生徒会長は持っていたビニール袋から焼き鳥を二本取り出し、一本を潘に差し出した。
「ん。バイト先で余った焼き鳥貰ったから一本あげる。」
「いいんですか?」
「いいのいいの。もともと同じ施設の子にあげるつもりだったし。」
「えーっと、大原会長のバイト先ってコンビニでしたっけ?」
「ん? そーだよー? あと、大原会長じゃなくて愛羅でいいのに。」
「いやそれはさすがにちょっと悪いかと...焼き鳥いただきます。」
「マジメだね~。はい、お食べ~」
焼き鳥を食べながら帰る二人。
「ってゆーか私のバイト先、さっきのコンビニなんだよねー」
「え? さっきのって?」
「潘ちゃん達が喧嘩してたトコ。潘ちゃんもまーまー声でかいよ~、店内に聞こえるくらいには。もーちょっと声小さくしよーねー、近所迷惑だから」
「あああっ!! あたしとしたことがっ!! 不覚っ!! こうなったら副会長を辞任して...」
「いやそこまではしなくていいよ? ってゆーか今、生徒会二年生居ないから潘ちゃん抜けたら終わっちゃうんだよね~」
「あ、そう言えば会長ってもう受験生っすもんね」
「受験はしないけどね~」
「え?」
「フツーに就職~」
「そうなんすか!?」
「でもま、私ももう三年生だし、そろそろ引退かな~?」
「あああっ!! 先輩やめないで~!! そして卒業しないで~!!」
「あれ!? それってつまり留年しろってこと!?」
そうしてやかましく二人は帰って行く。
【バン様】に勝った唯一の人間が、大原生徒会長だと知る者はほとんど居ない。
お久しぶりです♪
読んでくださってありがとうございます。
潘 → 潘様 → バン様
都市伝説ってこーゆーモノなんですかね?
因みに、潘ちゃんの名前の由来はこちら ↓
晩御飯 → 晩餐 → バンサン → バンさん → 潘さん
えー実を言うとこれは別作品、『魔方陣の亀裂』の前日譚と言いますか、まぁそんなカンジで書きました。
本物のホラーだと思った方ごめんなさい!!
全力でギャグを追い詰めた話でした。
え?
追い詰めたんじゃなくて追い求めたんじゃないのって?
いやだって読み返したらなんにも面白くないじゃないですか。
追い詰めたはいいけどその後逃がしたって状態ですね♪ ズーン...
ささ、気を取り直して、魔方陣の亀裂の方もよろしくお願いしますね♪
では、他の作品でお会いしましょう♪
さよ~なら~♪