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新たな仲間を求めて

改めて衣鶴、彼方のことを知れた夕は

篤志の遺志を引き継ぎ、新たなスタートを切る!


そして舞台は次のステージへと転換する!!


桜のつぼみが、木々に咲き始めている。

暖かな春の兆しが見えてきた、四月某日。


「……刺激が足りねえ」


いつにもまして、険悪な雰囲気が漂っております。

どうも皆さん、おなじみの大西夕です。

篤志さんが亡くなってから、早いものでもう半年はたちました。

すっかりアイドル生活に慣れた僕の前にいるのは、マネージャーでもある衣鶴だ。

相も変わらず社長の雑務の手伝いをさせられており、今日はそのお手伝いにと僕もやってきている。


「お前さ、この前のPV自信あるのか?」


「うーん……まあまあ、かな?」


「どーも編集が雑っていうか、気に入らねえんだよなあ……曲はいいのに」


何の話だろうと、彼のデスクにあるパソコンを覗いてみる。

そこには先日撮った、新曲のPVのデモが流れていた。

てっきり社長の仕事をしているのかと思ったら……相変わらず、衣鶴はやることが違うなあ。


「衣鶴~? 僕のPVチェックもいいけど、こっちの仕事もしよっか?」


「何言ってんだ、これも仕事だろ」


「もうっ! 僕手伝わないよ?」


「彼方みたいなこと言うなよ……そういやあいつが前、四月から新人がどうって言ってたな……」


また何か考え込んでいるのか、衣鶴はパソコンをいじくり倒す。

そのスピードは遅いながらも何か調べていて、ふむふむと独り言までつぶやいている。

するとー


「よし、夕。いくぞ」


衣鶴が突然立ち上がった。


「うえ? 行くって、どこに?」


「テレビ局だ。変装の準備して来い」


「え、でも今日ってオフじゃ……」


「芸能人に休みもくそもねえだろ。いくぞ」


やっぱりこうなるんだ……

深いため息をつきながら、足早に準備を始める。

早くしろとせかしまくる衣鶴の後を追い、少し急ぎ目に車へと乗り込んだのだった。



いつも仕事で行くテレビ局は、色々な番組を収録している真っ最中でどこのスタッフもあたふたしているように見えた。

受付の人に何を言ったのか、衣鶴と僕はあっさりと客間に通された。

ここまでくると、衣鶴の中であのPVはかなりまずかった、のかな?

確かに編集が少しなあとは、言っていた気もするけれど……


「お待たせ、衣鶴君。夕君も」


「あ、彼方……お疲れ」


「悪いな、仕事中なのに呼び出して」


「急に連絡来たときはびっくりしたけど、全然大丈夫だよ」


カメラマンである仲がいい彼方は、今でも交流が続いている。

性格はもちろん、外見もいい彼はかなり社内でも人気だ。

まあ、本人は否定しているけど。


「例の新人、今日来てるんだよな? 会いたいんだが」


「うーん、来てはいるんだけど……採用されてからというもの、出ずっぱりっていうか……本人がどういうかは、わからないよ?」


「そんなにすごいのかよ……」


「ねぇねぇ、何の話?」


気になって話の間に入る。

そんな僕に彼方は、優しく丁寧に教えてくれた。


「新しい社員が入ったんだ。年齢は十五歳の男の子、なんだけど」


「うえ!? それってもしかして中卒で? 初めてのケースじゃない?」


「うん、色々な人から異例の人事って言われてるよ。でもそれ以上に驚いたのは、彼の才能なんだ」


中学を卒業したばかりの新人。

それが何を意味するのか、僕にはまだ分からない。

どんな子なんだろうな。その年で社会人になるって、どんな心境なんだろう。

それにみんなが驚くほどの、才能って……?


「お待たせ、彼方。来たよ」


「あ、奈緒君。ごめんね、忙しいのに」


「ううん。へーき」


ドアが開くと同時に、入ってきたのはきれいに透き通った金髪の男の子だった。

瞳は青色がかっていて、外国人をも思わせる。

でもなぜか、メロンパンを手に持っていて……


「どうも初めまして、宮下奈緒みやした なおです。よろしくね~はむ」


のんきにメロンパンをかじりながら、軽く手を振る少年・宮下君に、僕は戸惑うしかなかった―……


(つづく・・・)

待っていた方は果たしているのかどうか、

とうとう奈緒ちゃん登場です。

個人的に書くのがすごく好きですので、

初めて見る方はどんな子だろうと

期待を胸に膨らましておいてください。

きっと、奈緒ちゃんの魅力に落ちること間違いなしです。


次回、奈緒ちゃん本格始動です!

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