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⑤話『デートは自分も楽しめるように!』

日曜日が来た。

優の初デートの日であった。

優は楽しみ過ぎて1時間早く待ち合わせ場所に来てしまった。


「本当に早く来すぎたな、まあいっか、もしかしたら親衛隊に邪魔されて遅刻するよりマシか……」


優は出来るだけ長く咲菜と一緒の時間を過ごしたいと理由で朝の7時に待ち合わせしていた。

そのため優は寝坊しないように4時に目覚ましの時間を設定していた。


「いつもの休みなら10時くらいに起きているから本来布団の中でぐっすりだろうな……」


そんなことを考えながらラノベを読んで待つことにした。


「!! は! この場合パンケーキ屋さんでも並んどいた方が良いのかな!」


そして近くのパンケーキ屋さんを見たら店が閉まっていた。


「……まあ、当然か……」


自分が設定した時間のせいでほとんどの店がまだ閉まっていた。

予定では映画に言って買い物して食事をしてとデートの王道パターンを用意していた。

しかし、この時間に設定してしまったため、店が開くまで待っておくしか方法がないのであった。


「いつもなら漫画喫茶やインターネット喫茶で時間を潰すのもいいだろうけど、デートでそこに入るのって大丈夫なのだろうか? 俺はそこんとこ考えたことなかったしな」


優は完全に迷走していた。

成功したい! 

そんな気持ちが強すぎて何が良くて何が悪いのか分からなくなっていたのだ

そんなことをよそに

ある者たちが優を見張っていた。


「こちら愛紗……目標が待ち合わせ場所に着いたようだ」

『何! 待ち合わせは7時だろう! あいつはバカなのか! 女の子に待たせたことをアピールしてカッコをつけようと思ったんだろうが1時間早く来たら逆に気を遣うだろうが! それでなくとも女の子ってのは着替えや化粧に時間がかかるって言うのに! やはりこんな奴に咲菜様は任せられない!』

「そうですね、だけど私たちには都合がいい、あいつがヘマをすれば咲菜の目も覚めるでしょう、ならこれはこれで成功です」

『ああ、本当は遅刻させて呆れかえさせる作戦だったが……まあいい、これはこれで、あいつは本当に馬鹿なんだな』


そんなことを言って優の監視をしていると


「だーれだ!」

「え、咲菜ちゃんかい! ほほう、俺と同じく楽しみ過ぎて早く来てしまったのかい!」

「はい! でもほとんどの店閉まってますね……でも! 優君と一緒にいるだけで楽しくなってきます! えっと、散歩でもします?」

「散歩ってお爺さんとお婆さんみたいだな」

「いつか来る日のために予行練習しましょう!」


そう言って若くて元気な2人はのんびりと散歩をし始めた。


「いい天気ですね~」

「そうだな、ぽかぽかだな~」


何気ない言葉を言いながら2人は微笑みながら歩き出した。


「……」

『……』


それを見ていた愛紗と聞いていた親衛隊の人は


『何でだ!』

「静かに、通信の音がでかいと聞こえますよ」


通信の言葉に愛紗は怒った。


『しかしだ! なぜ彼女はあれを庇うんだ!』

「だから静かに、もう、咲菜は優しすぎるんだから」


そんなことを言いながら2人の後を付けた。


『しかしどうする! 我々が立てた作戦も今の状態では役に立たん!』

「ええ、邪魔するにしても遅刻以外だと女に逆なんさせる作戦とか怖い男に襲わせる作戦とか割り込むのも難しいですしね、……仕方ない、男の作戦をもうしてしまいましょう」

『まあ、そうするしかないな……あいつの情けない姿を見れば咲菜様だってきっと!』


そう言ってガラの悪そうな男を配置させた。


「? 何だあのガラの悪そうな男は? 咲菜別の道にしようか」

「そうですね」


すると


「おいおい兄ちゃん、可愛い姉ちゃん連れてんじゃねえか、俺にも楽しませろよ」


すると優はスマホを取り出して


「もしもし警察ですか?」


すぐさま警察に電話した。

それを見た男は


「!! てめえ! それでも男か! 男なら拳で……」

「え、何で戦う必要あるの? もしここで手を出したらこっちも警察にしょっ引かれるじゃないですか、そうなったら咲菜にも迷惑掛かるし親にも迷惑掛かるしでいいことないでしょう」


と言ってガラの悪そうな男に言った。


「さすが優君! カッコいいです!」


そう言って咲菜は頬を赤めながら嬉しそうに言った。


「糞! ダサ男があああああああああああああああああああああああ!! いきがってんじゃねえ!!」


そう言って男は殴り掛かった。


「ファ!!」


優は咄嗟に咲菜を後ろにやった。


「セイ!」


咲菜は優の後ろから出てきて掛け声とともに男を背負い投げした。


「……すげえ」

「もう、これでも私護身術は條島さんから倣ってるんですからね!」


そう言って男が気絶したのを見て


「今です! 優君! 逃げましょう!」

「あ……」


そう言って咲菜は優をお姫様抱っこして逃げた。


「それ逆! 咲菜逆!」


愛紗は驚愕しながら言った。


『お前こそばれるだろうが!』

「だって!」

『分かるがダメ!』


そう言って親衛隊の人に注意された。


『それに、あんな状態男はプライドがズタズタになるもんだ! きっと今度は男から別れる覚悟が出来るんじゃない?』

「そうかも、それはそれで良かった」


そう言って愛紗は2人の後を静かに走りながら付けた。


「良かった、追ってこないようです」

「咲菜ちゃん」


お姫様抱っこされた状態で優は咲菜を見ていた。


「あ! ごめんなさい!」


咲菜は青ざめた。


(あわわわわ! どうしよう! これはお姫様抱っこ! 女の子なら大喜びのシチュエーションだけど男の人だとこれは完全にプライドが崩れ去るもの! 嫌だ! 別れたくない! 悲しい顔されたくない!)


咲菜は震えながら優を見た。

それを見ていた愛紗は


「ちょっと心苦しいけど我慢して咲菜、あなたの為なの、あなたの未来の為なの」


そうつぶやきながら愛紗は悲しそうな目で見守った。


「嬉しい」

「「『え』」」


優は頬を赤くしながら嬉しそうに言った。


「僕こんな気持ち初めて、嬉しい」


そう言って咲菜の方を見ながら


「また……してくれる……」


と照れくさそうに言った。


「……はい!!」


ホッとしたように咲菜は返事をした。


「『お前は乙女か!』」


愛紗と親衛隊の人が言った。


「糞! 何だあの気持ちの悪いプライドのないダメ男は!」

『本当だ! やはり分からんあの男は!』


2人は近童 優と言う男を分かっていなかった。

この男はプライドなんてすでに捨てていた。

高校の時、優は出来るのかな? という理由如きで試にする必要もない土下座をしたのである、

しかも後輩にである

後輩もすごく困った様子で見ていた。

その時の様子を尾貞はこう語る


「キモかったです、さすがにこんなバカなことするとは思いませんでした、せめて少しぐらいはプライドはあると思ってたのに、非常に残念です……」


こうして人格形成された男近童 優はこのまま成長したのである。


「さてと、邪魔者がいなくなったのでデートの再開だ!」

「はい!!」


そう言って再び散歩を再開させた。


「どうします、もう少し様子を見ましょうか?」

『そうですね、そしてチャンスを狙いましょう』


愛紗は2人の後を追った。

そして2時間もの間2人は歩いて座ったりを続けていた。


「はあ、はあ」

『大丈夫か! 愛紗! 無理するんじゃないぞ!』

「ありがとうございます、しかし座るとばれるので立っていないと……」


愛紗はさすがに疲れがたまっていた。


「ねえ、もうそろそろ店が開いているよ、映画館も近くにあるみたいだし」

「そうだな、映画見てからお昼にする?」

「うん!」


そう言って映画館に入って行った。


「映画なら早めの時間帯でもやっているというのに、なぜ今まで散歩を……」

『近くになかったからかもしれないが……まあいいじゃないか』

「そうだな、これで座れる……」


そう言って愛紗はバレないように映画館に入って行った。


「さてと、どんな映画がいい? 俺はアニメ映画ばっかりだから他の映画を見るのもいいけど?」

「えっと、私はその……優君が言っていたアニメ映画が見たいんだけど……いいかな?」


そして咲菜が指を指す方を見ると


『フラッシュ少女 サンシャインちゃんズ!』


と書かれていた。


「日朝のアニメか、たまに見るな、全部見ていないから分からないけど」

「おっ面白いんですよ! キャラクターも可愛いし! それにこのアニメと一緒に私育ってきたんですから!」


と言って少し咲菜はムスッとした。


(何この子、超かわいい!)


そんなことを考えて


「俺も見てみたいよ、朝苦手だから見逃すけど……まあ俺基本深夜枠のアニメしか見てないから結構気になってはいるんだよね」


と言ってワクワクしながらチケット屋を見つめていた。


「そうなの? 良かった、いやだって言われたらどうしようかと思ったよ」

「ふ、俺はアニメや漫画が大好きな人だぜ、アニメ系で嫌って言うことはあまりないと思うから安心して!」


そう言って内心楽しみにしていた。


「私、友達だと子供っぽいと言われて見に行くことが出来なかったので嬉しいです」

「俺は基本1人でアニメ映画見に行くからなあ、そんな事気にしたことなかったよ」

「本当にあなたの言う通り人と関わると気を遣うことばかりなんですね……友達が出来て改めて思い知らされました、でも皆いい人だし大切なのでこれからも仲良くしたいですね」


と少し笑顔で言った。

そして2人は映画のチケットを買った。


「ウウ……優しいな、俺の彼女は……ではポップコーン食べるかい?」

「うん! コーラも欲しいかも!」

「奇遇だな、俺もだ」


優は映画では専らコーラとポップコーンのセットを頼んで映画に入っている。

どうやら咲菜も同じようである。


「優君が見たい映画があったら私にもまた紹介してくださいね!」

「おう! 深夜アニメの良作をまた教えるぜ!」


そう言って2人はポップコーンとコーラを買うと


『間もなくフラッシュ少女 サンシャインちゃんズの映画の上映時間になります』

「行くか、丁度良く飲み物と食べ物も買えたし」

「はい!」


そう言って2人は映画館に入った。


「こちら愛紗、2人はフラッシュ少女 サンシャインちゃんズを見るようです、これから私も向います」

『了解、作戦は映画が終わって近童が1人になった時だ』

「了解!」


そう言って映画の終わりを狙った作戦が開始された。


「こちらをどうぞ~」

「わーい!」


子ども達はサンシャイン棒を貰って行く


「いいな、私は大人だからもうもらえないけど……」

「ふ、これは気持ちの問題だ、心の中で棒を持てばいいのだよ」

「うん、そうだね、ありがとう」


そう言って諦めるように咲菜は館内へと入って行った。


「さてと、私も入るか」

「こちらをどうぞ~」

「……あの、私大人なんですけど、20歳ですけど……」

「!! 失礼しました!」

「いえ、別に……」

『そう言えばお前って本当に背が小さいしな……』


愛紗は自分のコンプレックスを少し気にした。


「楽しみ~!!」

「なんかこっちもドキドキしてきた、映画なんて萌えアニメ以来だ」


そう言って指定席に座って上映を待った。


『みんなー!! 映画館にきてくれてありがとおおおおおおお!!』

『映画を見る前に私たちからのお願いだよおおおおおおおおおおお!!』


そして、映画館の諸注意を聞いて映画が始まった。

主人公たちがピンチになると棒を振って応援するなど子ども達は大いに盛り上がった。


「うん、結構面白いな、また録画してみようかな」

「それなら私の家に全巻そろっているので一緒に見ませんか?」

「マジで、見る見る」


2人はコソッと約束した。

それを聞いて愛紗は


「糞、地味に約束しやがって……」


と爪を噛んで嫉妬を優に向けていた。


ゾク!

「おおう」

「? どうしました?」

「なんか悪寒が……気のせいかな?」

「大丈夫ですか?」

「うん、もう大丈夫そう」

「分かりました、無理はしないでくださいね」

「ありがとう、気を遣わせてごめんね」

「ううん、いいの」


そう言って逆に二人の距離を近づけてしまった愛紗であった。


**************************************************************************


「ふー、面白かった、キッズアニメもなかなかにストーリーがいいな」

「そうでしょう、最近のアニメってすごいよねえ!」


そんな気の合った会話をしながら館内から2人は出て来た。


「そういえば、咲菜はどんな理由でアニメ見始めた? 子どもの頃からこのアニメを見てずっとそんな感じだったの?」

「えっと……確かにこのアニメは子供の頃から見ていたんですが、その……なんといいますか……昔は、もうアニメは卒業しないといけないのかなって思ったことがありまして……他の子もアニメを見なくなってきてドラマを見るようになったのを気にしてしまった時代が私にもありました……」

「ほうほう、まあそんな時期が来るのも仕方ないよな、成長と共に他の人が見なくなっていくわけだから……」


そして、咲菜は続けた。


「そんな時、久しぶりに優君を見つけたんです! その時の優君がアニメの話をしていて楽しそうに話していたんですよ、それで私、ああ、大人になってもアニメ見ることはおかしくないんだと思ったんです」

「え、いつ頃の時の話?」

「えっと、私が中学1年生、13歳の時です」

「俺が……えっと……26歳の時か」


確かに26歳でも友人の尾貞と一緒に今季の派遣アニメを語っていた覚えがある。


「俺が26歳の時のアニメか~どんなアニメやってたかな~その話を聞くと調べたくなってくるよ~」


そう言いながら優は懐かしい思いになった。

そして


「でも、そうか、俺のアニメ好きが咲菜ちゃんの迷いを無くしたのか~自覚はないんだが、少し嬉しいな」

「本当に優君には助けてもらってばかりですね!」


咲菜は笑いながら言った。


「おっおう!」


照れながら優はニヤ突いた。


(やべえ、俺の彼女ってカワええなあ!)


そして顔を隠した。


「? どうしましたか?」


不思議そうに咲菜は優を見たが


「いや、その……何でもありません」


と照れすぎて誤魔化した。

そして、咲菜は


「あっ私トイレ言って来ていいかな?」

「おう、いいぜ!」


そう言って咲菜は長蛇の列のトイレに行った。


「……やっぱ映画の後のトイレって込むんだな……」


そう言って咲なのトイレを待った。


「今です、咲菜がトイレに行っている間に作戦開始です」

『ああ、こっちも準備できた、仕掛けるぞ!』


そして、愛紗と親衛隊の人の優と咲菜の間を引き裂く第二の作戦が開始された。


「ラノベでも読んでおこう」


そんなことを知らずに優は咲菜が出てくるまでラノベを読んで待つことにした。


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