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④話『どんなことでも……』

「條島さん! どうしてですか! 優君は私の財産やお父様の会社が目的ではないと言ったではありませんか!」

「それは分かります、きっと本音でしょう、質問して気づいたのですが、お金や偉くなりたいと言う理由ではないのが目に見えます、彼にはあなたしか映っていません」

「そうだろ、なら賛成するだろうがい」


條島は笑いながら


「はははは、それとこれとはわけが違います、さっきの戦いでどんだけあなたは情けないのですか? さすがにドン引きですよ、さすがにもっと男らしいところを見たかったのが正直な感想ですね、つまりはあなたにはいろいろ足りないんですよ」

「ですよね~それについては認めるの一択しかねえわ」

「ははは、認めればいいものでもありませんよ」


條島は苦笑いしながら言った。


「條島さん、あなた強そうですね、僕を鍛えてもらってもいいですか? 正直今のままではデートもままならないと思いますので」


と優はお願いした。


「……正直驚きました、あなたは屑ですが、一応は覚悟してるんですね」

「まあね、最初は咲菜が来るまで家に引き籠るつもりだったんだけど、かっこいいとこ見せたいという理由が出来ましたので」


さっきの戦いで優は思った。


(こりゃ、主人公設定でどうにかなる問題でもなさそうだ、正直努力は嫌いだが咲菜と結婚するためだったら努力ぐらいいくらでも我慢してやる!)


優はさすがに覚悟を決めていた。

このチャンスを逃せばリア充になりそして結婚という最大のチャンスを逃すと思ったからだ、金があろうがなかろうがもはや優にはそれしか頭になかったのと、優にとっての可愛いは正義であるからである。


「まあ、別によろしいですが、いつにするんですか?」

「休みの日とか? 今日は一日休みだけどいいかな? 護身術を覚えるのも簡単ではないがやらないよりはマシかと」


と優は知識がないが條島に聞いた。


「別に構いませんが、まあそうですね、今のままで賛成したくないし、正直お嬢様の頑固さは知っているので私が言っても聞かないでしょうからあなたが私に認めることの出来る男に育っていただくしかないでしょうね? デートの度に私が護衛したら雰囲気も糞もないでしょう?」


條島は紙を取り出しペンを走らせた。


「まずはこれをしてみてください」

「筋トレですか? 何ですか? 最初は5回からどんどんと増やしていってとは?」

「どうせあなたはろくに運動なんてしてないんでしょう? 正直10回ぐらいでもいいかと思しますのでそこはあなたが考えてくれればいいのですが護身術でもある程度の筋力を覚えてから教えることにしますのでまずはこれを続けてください、教えている間に疲れたと言われて都丸の私嫌い何でまずその情けない精神を何とかしてください、当面はそこが目標ですので」


それを聞いた優は


「了解した。では今から筋トレを始める今日は取り敢えず10回して次の日からどんどんと5回ずつ増やしていくことにすりょ」

「まあそれでいいのでは?」


それを聞いた咲菜は


「あまり無理をしないでくださいね」


と心配そうに言った。

それを聞いて條島は


「大丈夫ですお嬢様、こんな程度で根を上げるようでしたら結婚してもダメですから」

「そうだよ、結婚の後は我慢が大切だし、さすがにこれぐらいは我慢できるよ」


そう言って笑いながら咲菜の頭を撫でた。


「俺、頑張るから咲菜ちゃん、俺の子と信じてくれよな!」

「優君……うん! 頑張ってね!」


咲菜の言葉を聞いて優は変わることを決意した。

そして、咲菜と條島は車で帰って行った。


******************************************************************************


「1……2……3……4……5……6……7……8……9……10っと今日は終わりっと」


優は早速メニュー通りに筋トレをした。


「まあぶっちゃけ言われた通りにしなくてもいいだろうけど確かにいきなり運動不足の俺が筋肉を傷めただけで終わるのはバカだな、ちょっとずつコツコツとやっていくとするか」


そう言って條島にスマホでメールした。

帰りの際に交換しておいた。


『そうです、まあ序の口なんですけどね、これぐらいは』


優は


「そんなこと言わないでおくれよ」


と思ったが取り敢えずラインで


「ありがとうございます」


と送っておいた。


「はあ、俺もリア充かあ、やべえ、実感するとスゲエ嬉しいんですけど、もはやプレッシャー程度でこのチャンスを逃したくねえっていう興奮に満ち溢れる感じがやべえ」


優は自分がリア充になることで良くわからない自身が溢れていた。

しかし、今日の親衛隊騒動で自分の力が不足しているのも自覚していた。

だが彼が出した決断は


「よし、今度の日曜日デートしよ!」


だった。

速攻で優は咲菜にラインを送った。


「なあ、次の日曜日デートしようぜ」


ムフフ笑いながらスマホを眺めていた。


「気持ち悪いわよ、あんた近所にドンだけ迷惑かけたと思ってんの?」

「うわあ! びっくりした、いきなり部屋に入って来るなよ、責めてノックしてよ」

「ちょっと居間に来なさい」

「? 何だよ……」


少し嬉しがっているところにお母さんが怒り気味で言ってきたので少しテンションが落ちた。

そして、居間についてお母さんはスマホを見せた。


「これを見なさいこの情けない息子よ」

「何だよ母さん、酷く……」


スマホには信じられない映像が映っていた。


『wwww情けねえ男うぷしてみた件wwwwww』

『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!! 僕の右腕ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああ!!』


コメント欄

○○村かwww

兵○○で草

情けねえリア充がいるから安心しろお前らwww

こんなリア充にだけはなりたくねえww

よかった、俺こんなんじゃなくてwww


『あああああああああああああああああああああああああああああああああ!! 痛いよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! 鼻血出たあああああああああああああああああ!!』


コメント欄

情けなくて心が痛いwww

見てて草しか生えねえwwww

こんなに堂々と情けないとは逆にかっこいいような気がする

おい目を覚ませ! これはダメなリア充だ!!


それを見て優は


「マジかよ、俺もついにようつべデビューとは」


と言った。


「いや、お前モザイク掛かってるけどさすがに引くぞ、親として……」


優とは裏腹にお母さんはドン引きだった。


「この動画お父さんに見せるからね」

「やめろよ、照れるじゃねえか!」

「正直こんなに馬鹿だとは思わなかったわ」


優は晒し者にされても全く動じなかった。


「まあいいじゃねえか、おもしれえはこれ」

「アンタ馬鹿じゃないの?」


お母さんは呆れすぎて溜息をついた。


「ただいまあ、どうしたお前ら?」


父さんも動画を見て


「ドン引きだなお前……」


と言われてしまった。


********************************************************************************


そして優はお風呂に入って


「ふうう、ライン届いたかな?」


そう言ってスマホを見ると


『はい! 喜んで!』


と返事が来ていた。


「しゃあああ!!」


優は超大喜びした。

するとまたラインが届いた。

條島さんからであった。


『あの動画見てどう思いましたか?』

「upしたのお前かよ!」

『あの動画見て少しは反省しましたか?』

「ついに俺もようつべデビュー!」

『あなたって本当にアホですね……まあ動画upでお金が入ったのであなたの分振り込みますね、ちゃんと確定申告してくださいね』

「はいokです」


そうメッセージを見て寝よとしたところ


『あなたお嬢様とデートするんですか、まだ何も努力してないのに』

「だって、努力完成するまでデートしないとか咲菜が可哀そうだろ……」

『あなたがしたいだけではないでしょうか?』

「いいじゃないか別に……」

『まあ、お嬢様がいる中で暴力は振るわれないのは今日見て分かりましたのでいいでしょう……でも努力はしてくださいね』

「それはもちろんですとも」


そうラインで送った。


「さてと、明日も仕事だしねるか」


そう言って優は疲れたので寝た。


************************************************************************


「あの、僕仕事あるんですけど」

「え、あなた仕事していたんですか!」


親衛隊の人たちがまた優の家に来ていたが

信じられなさそうに言った。


「失礼な! お前らが勝手にニートと思ったんだろうが!」

「……ち、仕方ない、会社の人に迷惑を掛けさせるわけにはいかないだろうしな、今日のところは引いてやる!」


そう言って悔しそうに親衛隊は去って行った。


「まったく、人を見下しやがって」


そう言って会社へと向かった。


「おう、お前彼女出来たんだって、良かったな、恋パーティーにも二次元嫁がいるとか言って来なかったからお前には出来ないものだと思ったよ」


会社に着いた瞬間先輩に言われた。


「酷いですねえ、僕だって機会があれば恋人作りますよ」

「だからお前はそんな機会をいつも自分で潰していたんだろ」


と先輩は笑いながら背中を叩いた。


「わあ、パワハラだ」

「ちげえよ」


そう言って2人は仕事をした。

優は彼女の効果かいつもより少しやる気が出ていた。


「……彼女出来たと聞いたが、人って代わるんだな」

「そうですね、課長、まあ張り切り過ぎて……ってそれはないかあいつが討つになるようには思えない」

「だが、うつってのは油断すると簡単に発病するからちゃんと見守ってくれよ」

「了解です」


といきなりの変貌で少し心配されていた。

そして、仕事が終わり


「さてと、咲菜ちゃんはどうしてるかな?」


と思ってラインした。


『お仕事お疲れ様、日曜日楽しみにしています! 2人の思い出にしましょう!』


そのメッセージを見て優は


「何だこの気持ち! すげえ! 明日も頑張ろうと思える! 今までは仕事終わって休みが来たらダラけるという毎日でなんか仕事もあまり好きでなかったのに今なんかスゲエ頑張れる気がする!」


少しずつ優の心を癒す言葉を咲菜は送ってきた。

そして優は


「そういえば、君は大学生かな?」


とメッセージを送った。

すると答えは


『大学に通いながら小説を書いています! 前発売したので買ってみてください! タイトルはあの時の約束です!』


と送られてきた。


「……マジで」


そう言ってすぐさま本屋に向かった。


「いらっしゃいませ」


そう言って本屋を探すとすぐに見つかった。


『売上累計150万部! 大人気作の恋愛小説! 健気な思いが女の子の心を震わせる!』


と書いてあった広告を見て


「すげえ、何あいつ実家とかもう関係ないんじゃない?」


取り敢えずその本を買った。

そして、電車の中でその本を読んだ。

数ページ読んで優は思った。


「うん、これって俺への思いがすごすぎやしないか……」


と咲菜自身が優に対する思いを上手くまとめて本にしていたようだ

優はほんの評価どころか咲菜の思いのすごさに驚いた。


「なんか俺に出逢ってあいつなんか成功したっぽいようで良かったよ……俺自身が一番びっくりしている」


優はすぐさま咲菜にラインを送った。


「あの時俺、幼稚園に言ってお前に出逢えて良かったよ」

『!! どうしたんですか! いきなり! ……でも私も嬉しかったです!』


優のメッセージに咲菜は即座に返してきた。

本のペンネームは、近童 咲菜となっていた。


「!! ペンネームが先に俺の苗字になっとるがな!」


取り敢えずそれを見て優は


「なんか本当に俺のこと好きすぎて本当にあの時母さんに無理やり連れて来られて良かった勘が半端ねえ……」


優自身まさか無理やり連れて行かれた幼稚園のコミュニケーション訓練がここまでの状況を作り出すとは思ってもいなかった。

もしあのままお母さんが自分の手伝わないと言う言葉をそのまま受け取っていたら優は絶対に結婚できなかっただろう。

そして、咲菜も本を出版していなかったかもしれない、

他の人は俺に出逢って咲菜は縛られたと言っていたが、

それは結局他人の意見で咲菜自身は自分で俺のことを思い続け、

そして才能を開花させたのである、

きっと咲菜が優のことを思い続けたのは無駄でも縛られたわけでもないのであろう

運命はどこで左右されるか分からない、

そして、今回は17歳の時の強制行動によって引き寄せられた運命であった。

そうして優は帰ったらお母さんにお礼を言おうと思った。

帰りにお母さんが買い物の時、欲しいと言っていたお酒を買っていき

そして、お母さんに


「お母さん、前欲しいって言ってたお酒買ってきたよ」


そう言ってお母さんに渡した。

お母さんは優の方を見て


「お母さん、お酒より化粧品が良かったんだけど……それにお土産買ってくるなら一言欲しいわよ……気が利かないわね……だからあんたは残念なのよ」


と言った。

だが今の優にとってその言葉を聞いても怒るどころか


「分かった、次の土曜日欲しい化粧品書いて買ってくるから」

「何? どうしたの? 気持ち悪んだけど……」


と素直に謝った。

お母さんが不振がるほど優は優しくなっていた。


「いや、本当あの時俺を無理やり幼稚園に連れて行ってくれてありがとう、成功だったよ、正直こんなに実感するとは思わなかったぐらいに、あの時は後悔したけど今では正直本当にありがとうお母さん」

「……」


優は頭を下げた。

それを見てお母さんは微笑みながら


「気持ち悪……」


とまた言われてしまった。


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