⑩話『前にも同じことが……』
「えっと……斉藤さんでしたっけ? 僕に何の用ですか?」
優は斉藤と呼ばれる男にいきなり街中で呼び止められて喫茶店にいきなり連れ込まれた。
「お前に話がある」
「まっまさか! ダメです! 俺ノンケなんです! 彼女持ちなんです! あなたとそんな関係出来ない!」
「そんなわけないだろ!」
「……お客様、他のお客様のご迷惑になるますのでお静かに」
「おいおい注意されるんじゃねえよ、何やってんだよ」
「ク!!」
斉藤は怒りを抑えた。
そして話をした。
「君は今すぐ咲菜と別れろ!」
「は?」
と唐突に彼女と別れろ宣言された。
「何でお前の言うこと聞かないといけないの? バカだろ?」
「お前が彼女を縛ってるからだ」
それを聞いて優は顔を赤くして
「やだ、僕まだそんなプレイしていないどころか一線も越えてない、それにこんな公衆の面前で縛りプレイだなんて、恥を知れ!!」
と斉藤は他の客にも睨まれた。
そしてヒソヒソと
「本当に無神経……」
「ちょっとキモイね」
「ドン引き、正直警察呼びたい……」
と不評の声がする。
「お前! どこまで卑怯なんだ……」
「いや、俺まだ何もしてないんですけど、お前が勝手に自滅しただけなんですけど?」
といきなり責任転嫁された優は文句を言った。
「とにかく、お前のせいで彼女は苦しんでいるんだ!」
「え、なんで? 何を根拠に?」
「さっき編集部に来て担当を女性に変えて欲しいと言いてきたんだ」
「へえ」
優はそのことの件についてあまり興味が出なかった。
しかし、斉藤は真剣そうに
「彼女は自分の周りに男がいるとお前が心配するからという理由でそう言ってきたんだ!」「マジで! なんて彼氏冥利に尽きる彼女なんだ!」
「そう言う話をしてるんじゃない! 君のせいでたくさんの人に迷惑をかけているってことが何故わからない!」
「人はいつも誰かの迷惑になっている……性ってやつだろうな」
と哲学者気取り風に優はカッコを付けた
「お前は人に迷惑をかけ過ぎだから言ってるんだ!」
「でもそれって咲菜の問題だろ? 確かに俺からも言うが、別に許可されたのならいいんじゃない? もしダメでもどうするか俺が勝手に解釈して別れることでもないだろうし」
「俺にも迷惑が掛かってるんだ!」
「ごめん」
取り敢えず謝る感じで優は斉藤に謝った。
「そんな適当な謝罪があるか」
「でもいいじゃん、何? 手柄が欲しいの? 確かに仕事の手柄を立てたいのは分かるが、会社の決定に逆らうのはどうかと?」
「お前に俺の気持ちが分かるか!」
「何でそんなに怒ってんの? あ、そうかお前あいつのこと好きなのか?」
「なっ何をバカなこと言ってるんだ! 俺は彼女の担当であって決してそんな関係ではない!」
「そうか、まあどうでもいいが、もし恋心で仕事してるんだったら編集長は優秀だな、俺の可愛い彼女に集るハエを追っ払ってくれるなんて」
「てめえ!!」
それを聞いて斉藤は優の胸ぐらを掴んだ。
「えー何この人超怖い、やばいなあ」
とやる気がなさそうに言った。
「お前のせいで俺はあの子と組むことが出来なくなった! お前のせいで!」
「おい静かにしなさいよ、みんなに迷惑だろ……」
斉藤が周りを見ると他の人が迷惑そうに見ていた。
「いいじゃん、彼氏持ちの人と組んだって辛いだけだよ、あんたが咲菜のこと好きなのは分かったけど……あの子の心は俺だけのものだ!」
とドヤ顔で優は言った。
ボコ!
優は斉藤に殴られた。
「……痛、血が出た」
「あのお客さん暴力沙汰は困るんですが」
「俺に言わないでくれませんか?」
優は店員に言った。
「お客さん、この店に出入り禁止ね」
「まあ今日が初めてだからもう行くこともないけどな」
と言って結局追い出された。
「帰るか」
そしてそのまま優は帰ろうとすると
「待て!」
「あの、何でそんなに俺が帰る邪魔をするんですか?」
「お前! この後帰って何をするつもりだ!」
「え、飯食ったらエロゲーするけど? 今日はあいつと買ったエロゲーをお互いクリアーしてまた別の日に感想を言い合ったりどうしても攻略できない相手を2人で相談しながらクリアーするって約束だからな」
「お前! 女の子にそんな汚らわしいもの買ったのか!」
それを聞いて優は
「ああ! エロゲーは汚らわしくねえし! 素晴らしい恋愛ゲームだし! 2人の初めてのお揃いの品にそんなことを言うんじゃねえ!」
「黙れ! 女の子にそんなゲームをやらせるなんて最低だ!」
「あいつはもう20歳だぞ、お前らに言われるようなことではないだろう? それについて連れて行って頼まれたんだからそりゃ了解を得ているに決まってんじゃん? そんなことも分かんないの? バーカ!」
煽るように斉藤の言葉を否定していった。
「この犯罪者予備軍が」
「うわー、歯が立たないと思ったら差別してきた、引くわー」
さらに優は言った。
「それにエロゲーでも俺は基本ストーリー重視タイプだし、ほら今の高校生だって気持ちが盛り上がったらエッチ―事するだろ、エロゲーだってストーリーがあって恋愛して盛り上がってあのシーンだからな、他のドラマとかも映画とかも小説とかもカットしてるだけであって別に普通の事だからな、そこら辺のビッチどもと一緒にするな!」
と熱烈に言い切った。
「言いたいことはそれだけか?」
「うん、じゃあね」
そう言って優は再び帰ろうと試みた。
しかし、
「待て!」
腕を掴まれた。
「帰らせろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
流石に優はブチギレた。
「何なんだよお前は! さっきから! どいつもこいつも俺に別れろ別れろって!」
「そうよ、確かにうちの息子はダメ人間でゴミ屑でこの世に生まれるべきでなかった存在だけど、だからこそこのチャンスを逃すようならもっと生きる資格が消えてしまうんだから邪魔しないでくれる! 孫の顔が見れないじゃない! せめて息子を誇らせろ!」
「お母さん! どうしてここに! ていうか味方するか罵倒するかどっちかにして!」
そこにはお母さんがいた。
「何なんですか! 分かっているならこいつが付き合うべきではない!」
「ダメよ! 孫を見るチャンスを完全に消す気! あの子を逃したらこの男と結婚してくれる女の人なんてこの世のどこにもいないじゃない!」
「失礼だろ!」
優は怒ったが
お母さんと斉藤の言い合いは優をそっちのけで続いていた。
「何でだろうか? すごく頼りになるのにすごく俺の精神の消耗が激しい! お母さん! あまり時間がない! 早く終わらせるんだ!」
「もうちょっと我慢できない!」
「てか悪口をやめればいいんじゃないでしょうか! お母様!」
泣きそうになりながら優は言った。
「え、無理、どう考えてもあんたの悪口しか思いつかない」
「……そうですか、了解です」
そう言って優は
「ではさらば!」
そう言って優は家に帰って行った。
「全く、世話がかかる奴だぜ」
そう言ってお母さんは笑いながら斉藤と向き合った。
「待て! まだ話は終わってないぞ!」
追いかけようとする斉藤をとうせんぼして行き場を阻んだ。
「そこを退いてください」
「ダメね、あんたが行くと我が子の人生が安泰しないのよ、このままじゃ私が老人ホームに入った後も1人孤独エロゲーをする日々になるのよ」
「だったらあんな奴なんてそうなればいいでしょうが! あの屑がそう思っているのなら!」
「アニメグッズと漫画とエロゲーに囲まれて一生を遂げるのは自由だと思うけど、私は孫の顔が見たいの!」
そう言ってお母さんはメンチを切った。
「どけ!」
そう言って斉藤は肩をふれてお母さんを退けようとすると
「キャアアアアアアアアアアアアアアアア! 痴漢よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「!!」
すると2人の警官が駆け付けた。
「大丈夫ですか!」
「お前! ちょっと来い!」
「チッ違います! 離してください!」
「ええい! 乗れ!」
そう言ってパトカーに乗せて連れて行かれた。
お母さんはやり遂げたような顔をして
「ふう、後は少し過敏になり過ぎた的なことを言えば丸く収まるだろう」
そう言って家に帰った。
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「全く、皆俺に嫉妬しやがって、リア充は苦労が多いぜ」
そう言って家に向かっていると
「あ、優君!」
「おう、咲菜、相変わらず可愛いな! さすが俺の彼女! 今から帰り?」
「はい! 一緒に帰りませんか?」
「おう! いいぜ!」
そう言って2人は並んで歩いた。
そして優は
「そうだ、今日お前の担当編集にあったぜ、あいつヤバいから担当替えてもらったら? 彼氏としてとっても心配」
「大丈夫です! 今日変えてもらえるように交渉してきましたから!」
「そうなんだ! 良かった! これで不安は消えたよ!」
そう言って優は笑いながら咲菜と歩いた。
「それで次の担当さん決まったら教えてね?」
「うん、いいよ!」
「ありがとう、いやさあ、さっきの担当さんからなんかいきなり別れろとか言われてさあ? 何なのあいつ、超怖いんだけど?」
「ごめんなさい、私のせいで」
そう言って咲菜は謝った。
「いや、普段どんな人かを聞きたかっただけなんだけど? ごめん、気を遣わせたみたいで」
「いえいえ、そうですね……良く顔を赤くする人ですね」
「……そうなんだ、一応聞くけど、俺と別れるとか言わないよね?」
「いっ言わないよ! どうしたのいきなり!」
不安そうに聞いた優に咲菜は慌てて聞いた。
「いや、なんか俺とお前が釣り合ってないとか言われて捨てられんじゃねえかって思ってさ、その場合はストーカーになりそうだから怖いなーと思って」
「大丈夫ですよ、私から言いだすことはないので、ただ別れようとあなたが言ったら分かってますか?」
少し笑いながら咲菜は優に聞いた。
「ああ、その時は俺を殺して君も死んでくれ!」
「はい!」
「ちなみにお前から地球が爆発する確率で言われた場合は同じことするので」
「はい! いいですよ!」
そう言ってお互いに初めて約束事を作った。
約束事
別れを切り出されたら相手を殺して自分も死ぬ。
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「さてと、エロゲーするか、まだ最初の1人をクリアーしてないしまずはその子からだな」
すると
プルプルプルプル!
スマホの電話が鳴って名前を見るとそこには咲菜の名があった。
「はい? どうしたの咲菜?」
『はい……どうしても見れないイベントがありまして』
「俺も今1人目攻略中だから分からないよ」
『そっそうなんですか? すみません、ありがとうございました、もう少し一人で頑張ってみます』
そう言って電話を切った。
「では、俺もプレイしますか!」
そう言ってエロゲーを続けた。
続きかけたら 今日中に書いて投稿しますので一旦ここまで




