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prologue




ー好き。すき。スキ。



物語の中で私はいつも幸せになれる。

ある時は甘く蕩けるような恋をして、またある時は情熱的な恋をする。

想いを綴り愛を謳って、いつだって結ばれるの。



でも現実世界は上手くいかない。

貴方は私じゃないあの子を見て幸せそうに微笑む。

あの子に愛を囁いて、あの子にキスをする。



彼の隣にいるのは私じゃなくて。

彼と誓いのキスをするのも私じゃなくて。

見たくない、見せないで。

心でそう思っていても口を衝いて出た言葉は

「おめでとう」







20年間片想いし続けた貴方に私は今日失恋しました。






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