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プロローグ

 世界の狭間と、そう呼ぶ以外にない場所。

 そこを1組の少年少女が、浮遊するように漂っていた。

「……綺麗」

 少女はその場所からしか見えない光景――狭間から見たVR世界を見て、素直な感想が口から洩れた。

 地に足のついていない状態に、如何に科学的な空間と言えど、世界を全く異なる空間から眺めると言う、幻想的な状況。

気分はピーターパンのウェンディーーとはいかなかった。

「……綺麗、かい?」

 共に浮遊する少年は、無感動どころか無表情で、それらの光景に侮蔑する様な視線の送っているが故に。

「――まるで別人だね。昔はもっと、いろんな事に興味を示して、発見に喜んでたのに」

「発見し、知ってしまったから、全てに絶望したんだよ――世界、理、概念、法律、知識、情、欲望、そして可能性……そんな物ただ存在するだけさ」

 少年は少女から眼を離し、点在するように浮かび上がるVR世界の光景に目を向ける。

「人なんだよ――それらを使い、機能させるのはね。だから歪な世界、歪められた理に概念、差別と暴力の為の法律、踏み躙り騙す為の情、ただ暴走するだけの欲望……現実逃避の為の可能性だって存在する」

 その眼を見て、少女はぞっとした。

 その眼には怖気がするほどの冷たさが宿っており、とても自分と同年代の――増して、自分と幼少時の楽しい記憶を創ってきた少年の眼とは思えなかった。

「ねえ、教えてよ……どうすれば君は、人を許せるの?」

「――許すも何もないよ。ただね……僕はただ、僕の中で生まれた怪物を具現した上で、これらの世界で歪んだ物を喰らうだけさ」

 この呪文でね――そう呟き、少女を突き放した。

「システムログイン――ID、ワイズマン」



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