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その27

今回また二話投稿です。

先にその26の方をお願いします。




 イメージは、水底から水面へ蹴り泳ぐ感じか。ああ、これはできてしまいそうだ。

 水と違い空気の抵抗なんて少ないものだろう。だけどイメージで浮力を持たせることはできると思う。

 斜めに力を入れれば、飛び進む事はできそうな気がしてきた。ふよふよと浮く感じ、イメージね。


 あれ? 着地はどうする? ゆっくり落ちるようにしたとしても、高さがあればそれだけ加速度がつく。


 だ、駄目だ! 飛べるかもしれないけど、着地ができない! 危ないよ、気づいてよかったよ……




「シラユキ、深く考えるよりやってみるの。その高さなら危険もないし、疲れないでしょ? ますは何回も飛び降りてみなさいって」


 おっと、かなり長く考え込んじゃってたみたいだね。

 考えるより慣れろ、か。魔法は感覚で使うもの、また忘れるところだったよ。


「うん。まずはこの高さから、衝撃無しで降りられるようになればいいよね」


「ああ。だが、無理はするんじゃないぞ? 足が痛くなったり、疲れたら、ちゃんと言うんだぞ?」


「はーい!」


 だからこれくらい大丈夫だってば。いや、でも私って相当ひ弱なのかもね、油断は禁物だ。






 台の後ろ側は階段状に段差がついている。と言ってもたかが40cm程度、一段あるだけだが。


 トントン、と上がり、ひょいっと降りる。そしてスタッと着地。ふむ……

 とりあえず、重力、浮力は頭から外しておこう。まずは兄様のように軽く着地できるようにならなければ。

 ふわり着地は当分無理だろう。飛ぶこともまだ考えない。きっとやりたくなって、怪我をしかけて、みんなに余計な心配を掛けるだけだ。



 そんな感じで、色々と考えながら昇り降りを繰り返していると……


「ぷっ、くっっ、ふふふっ」


「ちょっと、駄目だよフラン、笑っちゃ」


 うん? フランさんが笑いを堪えている。何かあったのかな?



「どうしたの? みん、な?」


「あ、ああ! な、何でもないぞ。くっ、なんでもな」


「か、可愛い、何この子可愛すぎる……」


「フラン! 笑っちゃ駄目だって……、ふふっ」


「ふふっ、あははは! もう駄目! お、面白過ぎるわよこの子!」


「さすが姫様です」


 な、何よこの反応は? シアさんはいつも通りとして、他のみんなは、何がそこまでおかしいのか、笑いを堪えている。と言うかフランさんは既に限界が来たようで、笑っている。



「はーい! シアさん! 説明を求めます!!」


「ぶふっ!」


 父様も決壊したか。一体何なのよ……


「それでは、姫様からのご指名です。私から説明をさせて頂きますが、よろしいですね?」


 姉様に確認を取る。私が説明するから黙ってろ、と。シアさん昨日のこと根に持ってるなー


「う、うん、お願い。私はちょっと、このシラユキの愛らしさを他の皆にどう伝えようか、考えないといけないの」


「何それ!? やっぱり私、またなにか変な事しちゃってたの?」


「変な事などではありませんよ? ご安心ください」


「そうそう。面白い事はしてたけどね……、ふふふ」


「まあ、姫はやっぱり姫だった、っていう事かな」


 私は私だった? うーん、わけがわからないよ。




「姫様。後もう何度か、先程の練習を繰り返してもらってもいいでしょうか」


「え? うん、いいよ」


 またトントン上がり、ひょいっと降りる。そしてポンと着地。


 トントン、ひょい、ポン。トントン、ひょい、ポン。数度繰り返す。


「ぶっ! ふふっ、くくくっ。気づいてない、気づいてないよこの子!!!」


 またフランさんが盛大に笑い出してしまった。何? 何なの?




 なんかさ、馬鹿にされてるみたいでさ……、悲しくなってきちゃった……


「うわっ! やばっ! ごめ、シラユキごめん!!!」


「何姫様を泣かせているのですかあなたは……!」


「シラユキ! な、泣かないで! シアも落ち着いて! ナイフ仕舞って!!」


「あちゃー。やりすぎだよみんな……」


「メアリーだって笑っていただろう!? ああ……、娘を泣かす父親か、もう生きていてはいけないんじゃないか……?」


「お父様も馬鹿な事言ってないで、慰めてあげてよ。まさかこんなにショック受けるなんて……」





 くすんくすんとぐずる私。


「申し訳ありません姫様。もう少し早く説明に移るべきでした。姫様の愛らしいお姿を少しでも長く、いえ、何でもありません」


「結局悪いのレンじゃん!」


「全員よ、フラン」


「あ、そうだよね……。すみませんユーネ様。シラユキもごめんね? 悪気は無かったのよ。ほんとに可愛くて、面白くて笑ってただけなの。あー、面白くて笑ってたのが駄目なのよね……」


 悪気がないのは分かってるよ。でもあんな風に笑われるのはちょっとね……


「うん……。なんか、馬鹿にされてるように、思っちゃって……」


「!? す、凄い罪悪感が! ごめん! ごめんね!! だ、誰か私に罰をー!!」


「すみません、今、私にも凄まじい罪悪感の嵐が……」


「いいから説明してあげて? 許してもらうのはそれからよ」


「大丈夫ですか? 姫様。その、説明を続けても……」


「う、うん。お願い」


 別に怒ってるわけじゃないんだけど、いいか。後で何か、我侭一つくらい聞いてもらっちゃおう。



「回りくどい説明は省きます。姫様、着地の衝撃を和らげる魔法、成功していましたよ? それも無意識に、詠唱破棄で」


「え……、え!?」


 な、なぬ!? またか! また無意識か私!! さらに詠唱破棄か!!


 そうだよ詠唱だよ! 私無言でやってたよ! 声に出せばよかったんだよ! もう遅いよ!!!




 確認のために、もう一度台に上がる。そしてちょっと勢いをつけて飛び降りる! 今度はちゃんと意識して!


 トンッと華麗に着地。


 できた、できてたね今。衝撃なんて殆ど無かった。軽く走ってる時にかかるくらいの負担か? それか! 無意識にそれを再現して見せたのか私は……




「父様! テーブルくらいの高さ、出して! 出してくれないと絶対許さないから!」


「わ、分かった。少し待て」


 少し離れた地面に手をかざす父様。みるみる地面が盛り上がり、テーブル大の高さの飛び降り台が完成する。70cmちょっとくらいか? 周りの地面、へこんでるな。なるほど、周りの土を使ってるんだもんね。


「結構疲れるんだよなこ」


「父様凄い!!!」


「うお! こんなところでポイントが稼げるとは! よし、見てろシラユキ。次はもっと大きな」


「いらない!」


 父様に言って私は走り出す。止められそうだが、無視だ!


「シラユキ!?」


「姫様!」


「大丈夫! ……多分ね!」



 そのまま走って階段を上り、その勢いのまま踏み切って、ジャンプ! うわ! 怖いわこれ!! でもいける、できる!!


 トトトンッと。勢いは全て殺せなかったが、問題なく着地。足にかかる負担もさっきと同じくらいだ。三歩分に分かれたからだねきっと。




「はい拍手ー!」


 くるっとみんなの方を向いて、笑顔で決める。


「何かするなら、まずは一言言いなさいって言ったでしょう!」


「怪我でもしたらどうするんだ……。今のはしてもおかしくない勢いだったぞ?」


「あれ!? 怒られた!!」


 メイドさんズは拍手してくれていたよ。






 私の使った魔法は、着地の衝撃を和らげる、では無く。落下の勢いを抑える魔法、だったようだ。見ていた人たちからすると、少しはふわっと浮いていたように見えた、らしい。そういえば、飛距離が伸びていたような?

 後は、着地の瞬間のみ、適度な力で発動させる事ができれば、兄様のように自然に、歩いているような着地ができるみたい。兄様やっぱり凄いわ……

 シアさんのふわりと着地は、瞬間ではなく、直前に使っていた、という事か。


 しかし、最初から『落下の勢いを抑える魔法』だと教えてくれればよかったのに。私が『着地の衝撃を和らげる魔法』を使いたいって言っちゃったのがいけないのか。

 答えを教えないで、自分で気づくようにしてくれたんだろうか? 意味合いは同じようなものだから、どっちでも良かったのかもしれない。使う私が名前を付ければいいんだったね。


 魔法に名前なんて無い。私の、私だけの魔法を創る。


 難しいね。言葉遊びのようだ。






「勢いをつけて飛ぶことは絶対にしない事。約束よ?」


「はーい、ユー姉様」




 勢いをつけると、思わぬ飛距離が出て慌てて失敗するんじゃないか、という理由だ。頑張ればもう高く飛び上がれるかもしれないしね。


 これからはもっともっと、深く考えないようにしよう。感覚、感覚で使うんだ。もっと気楽に、力を抜いて、それでいて、頑張ろう!






ど、どんどん増えるお気に入り件数とユニーク……

今までの約三倍になってしまいました。


毎日増えてる数を見て驚き喜んでいます。




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