その242
「お待たせしました姫様。む、ミランさんももうお戻りでしたか」
「あ、はい、バレンシアさんこんにちは。私は今からソニアさんと交代で受付に入るところですね」
「もう準備できたの? ミランさんともうちょっとお話したかったなー」
予想していた時間よりもはるかに早くシアさんが迎えに来た、まだこちらに来てから五分と経っていない気がする。
ふむむ、どうやらショコラさんはお邪魔虫にならなかったみたいだね。それだけ早く私を可愛がりたかったのかも? なんてね。ふふふ。
「エレナー、ウルリカー、準備できたみたいだからまた奥行くよー」
キャロルさんが軽く手を振りながら離れていた二人を呼ぶ。大声ではなかったのでシアさんチョップは炸裂しなかった、ちょっと残念。
「もう? 今座ったばっかりなんだけど……」
「こちらまで戻って来んでもよかったかもしれんのう。ま、ここで言うとっても何も始まらん、行くとするかの」
二人の言い分ももっともだ、こっちまで戻って来た意味はあんまりなかったかもしれない。でも私的にはミランさんに会えたのと、ソニアさんを紹介してもらえたので大いに意味はあったんだけどね。
シアさんを含めて八人と、何気に大所帯になってしまった、カウンターの中の人口密度が凄い事になってしまっている。邪魔になってしまうのでさっさとまた奥の部屋に行こう、とシアさんの手を取って動きかけたその時。
「あ、あの……」
か細い、小さな声で呼び止められた、気がする。
「……う? あ、ソニアさん?」
聞き間違いかも? と思いながらも振り向くと、そこには顔を上げ、こちらを見つめるソニアさんの姿があった。
先程とは打って変わり、お勉強会からお茶会へとセッティングし直された奥部屋に戻って来た。だけど待っていたのはショコラさん一人だけで、ライナーさんの姿はどこにも見当たらない。
まさか、シアさんにもう用済みとか言われて追い出された? それとも男の人が一人だけなのはさすがに辛かったのかもしれない。ライスさんなら大喜びするのに。
「ほらシラユキ、こっちだ、早くこっちに来い。……ん? どうしたソニア」
笑顔で自分の腿を叩きながら、また全力で私だけを歓迎するショコラさんだったが、一緒に部屋に入って来たソニアさんに気付いて怪訝そうな表情になり、その動きを止める。
「あの、ええと……」
しかしソニアさんは口ごもるだけで答えようとしない。そればかりか目線を下げ、ショコラさんと目を合わそうともしない。
ショコラさんは優しい人なのになー。やっぱりSランクともなるとそれだけで怖がられちゃったりするのかもね。それはちょっと悲しい事なのかもしれない。
「またか。なーんかさ、この中の誰かに用があるっぽいんだけど、さっきからこんな感じで全然話そうとしないのよこの人。あっちじゃカウンターの中みっしりだったし、受付も交代の時間だってミランさんが言うんで連れて来てみた。そっちは? ライナーさんいないみたいだけどトイレにでも行ってる?」
エレナさんが説明しながら席に着き、流れる様な自然な動作でテーブルに置かれていたクッキーの山に手を伸ばしながら、ライナーさんについて尋ねる。
な、なんという自然な動作……。エレナさんはいきなり談話室に入って来て勝手におやつを摘みだしたりする人だからね。ああ、トイレに行ってるっていう簡単な理由もあった、なるほどそれか?
「いや、小腹が空いたもんでひとっ走り買い出しに走らせた」
「っほー……。二つ名持ちの方を使いっ走り扱いとは……。いやはやさすがSランク、格が違うのう」
ちょっと意味合いが違うけど、ライナーさんはショコラさんの言う事なら何でも聞いちゃいそうだね……。惚れた弱みってヤツですか? ふふふ。
「ふーん。あ、これ美味し」
「自分で聞いたんだからもうちょっと興味持とうよ……」
さーて、ライナーさんの事は完全に忘れ去られたところで、とりあえず私たちも椅子に座るとしようかな。
さっきのよりも縦幅の少し広くなった長方形のテーブルに、向かい合わせで並べられている三対の椅子。今は向こう側の真ん中にショコラさんが、こちら側の左にエレナさんが座っている。
ふむ、こっち側の残った二つにはウルリカさんとリズさんが座るんだろう。ライナーさんはどこまで買い物に行っているのか分からないけど、戻って来たらショコラさんの隣のどちらかに座る筈。そうなると残った一つが私の席か、なるほど理解した。
理解したが私が向かう先は勿論ショコラさんの膝の上。次はリズさんね。
これで席が一つ空く事になるし、どうせならソニアさんもお仲間にしてしまおうか。
「ショコラさんお願ーい。ソニアさんも空いてる所に座っていいですよー」
「えっ? あ、え、そんな……」
「ああ、可愛いなあシラユキは……。これでよし、と。ほら、好きなだけ揉んでも吸ってもいいんだぞ? はあ……、幸せだな……」
私を優しく持ち上げて自分の膝の上に座らせてくれるショコラさん。本当に幸せそうな笑顔で撫で、頬グニ、頬擦りの連続攻撃を繰り出してくる。
「ふふ、姫様もお幸せそうですね。ウルリカさんはガトーの右隣の席へどうぞ。リズィーさんはエレナさんの隣でいいですね? ソニアさんはさらにその隣へお願いします。同種族のリズィーさんの近くの方が貴女も安心できるでしょう?」
シアさんの言葉に軽く返事をして、ウルリカさんとリズィーさんも席に着いた。しかしソニアさんはまだ動こうとしない。
なるほど、リズさんとソニアさんを近くにするっていう考えは出て来なかったよ、私はまだまだ配慮という物が足りないね。
でもソニアさんはなんで座ろうとしないんだろう? 臨時でもギルド員さんなんだからショコラさんとも何度も会ってる筈だし、本当に優しい人だっていうのは分かってると思うんだけどな。ううむ、分からない。
「あ、あのっ、か、帰ります。し、失礼しました……」
椅子に座るどころか逃げる様にして部屋から出て行こうとするソニアさん。しかし……
「ちょい待って、まだ帰せない」
キャロルさんがさっとドアの前に躍り出て来てそれを阻止してしまった。
ソニアさんはどうしたらいいのか分からないのか、オロオロと視線をあちらこちらに彷徨わせている。出会ったばかりのミランさんを思い出させられてしまうね。
「ここまでついて来たって事は何か目的があるんでしょ。それに、先に呼び止めたのはそっちよね? 悪いけど洗いざらい吐いてもらうから。気の弱そうなアンタが何か企んでるとは思えないけど、シラユキ様に万が一があるといけないからね。はいはい、さっさと座った座った!」
「は、は、はいぃ……」
キャロルさんに追い立てられる様にして、やっとソニアさんも席に着いてくれた。若干涙目だ。
ライナーさんはまだ戻って来ないけど、これでお茶会が始められるね! と、その前にソニアさんの用事を済ませてからかな?
「やっぱりキャロルがしゃんとしてるのは似合わないなあ。ちょっとバレンシアに抱きついて元に戻ってよ」
「なんでよ? 私は元々こっちが素だっての。私ってそんなにシア姉様に甘えまくってた?」
エレナさんはそんなにキャロルさんがお姉さんしてるのに納得がいかないのか……。私の前では普通に優しくて頼りになるお姉さんなんだけどなー。まあ、シアさんにちょっと褒められるとすぐにふにゃっとなっちゃうんだけどね。ふふ。
「ふふふ。バレンシアさんは、キャロル先生のお姉さん、なんですから、甘えてもいいと思いますよ? 私にも、可愛らしいキャロル先生の姿を、もっと見せてほしいです……」
「やめてよリズ……。ああっと、ごめんごめん。んで、ソニア? 誰に何の用があんのよ?」
おおっと、私もちょっと忘れかけてました。
ソニアさんは気が弱そうだけど大人しめで綺麗なお姉さんだし、おっぱいも大きいので是非ともお友達になってもらいたい。何か企んでるっていうのもキャロルさんの思うとおり、まずありえないだろうね。
「あ……、あの……。え、ええと……」
「煮え切らない奴ぅ」
「ご、ごめんなさい……」
エレナさんひどーい。帰ったらシアさんにお仕置きしてもらわなきゃ。
「これエレナ、それだけ言い出しにくい事なのかもしれんじゃろ? のうソニア殿、まずは誰に用があるかだけでも教えてもらえんもんかのう。大勢の前で話せないと言うのなら儂らは席を外しても構わんのじゃよ?」
「そうそう。別にアンタを責め立ててる訳じゃないんだからさ、言うだけ言ってみなさいって。まあ、どっちにしろ吐くまで帰さないんだけどね」
「は、はい……」
(わーい、エレナさん怒られたー)
(くっそう! 姫後で泣かす!)
(そんな! シアさーん)
「あ、あの……」
(はい姫様。つまりエレナさんは死にたいのですね?)
(笑顔なのに怖っ! 姫卑怯! ずるい! 汚い!)
(汚いは……、褒め言葉だよ!)
「その……」
(姫様に対して何と言う暴言を……。あ、姫様にも後でお話があります)
(あう、ごめんなさい)
(あっはは、調子乗りすぎたね姫)
「え、ええと……」
(エレナさんもですよ? まったく、初対面の方に対して……)
(えー? 別にいいじゃんこれくらい。どうせもう会う事も無いって)
「三人とも少し静かにな、これじゃ話が進まん。ソニア、見てのとおりコイツ等は気のいい奴等ばかりだ。何よりシラユキは可愛いだろう? 話してみろ」
「ごめんなさーい。ふふ、怒られちゃった」
「何その訳分かんない理論。ショコラも姫の前だとなーんか変な感じするなあ……」
「どうして私まで……、心外です」
「可愛いと白状させやすいもんなんじゃろか?」
「ふふ。シラユキ様の可愛らしさは、特別、ですからね」
「まあね。ソニア、ゆっくりでいいから落ち着いて話してみて。このメンバーなら世界を敵に回してもどうという事もないから」
「は、はい……」
多分強さで言うと、世界で上から数えてすぐの人たちが集まってるんだろうなあ……。なにこのお茶会こわい。
ゆっくりたっぷり時間を掛けて、じっくりとソニアさんのお話、身の上話の様なものを聞かせてもらった。正確な時間は計っている訳もないので分からないが、持ち込んだクッキーも、ライナーさんが買って来たケーキの山も綺麗さっぱり無くなり、私もソニアさんライナーさんを除く四人の膝の上を軽く三週はしたので、それなり以上の時間という事だけは間違いない。
ちなみに今の位置は、巡り巡ってまたショコラさんだ。
時間は確かに掛かったが実際は、あの、その、ええと、の言葉が九割を占めていたので私なりに簡単にだが纏めてみようと思う。
ソニアさんはなんと、リズィーさんに憧れて冒険者になったという。同じ有翼族の人の活躍の噂はやっぱり耳に届きやすいものらしい。
その噂を聞いて、もしかしたら内気な私も頑張れば? と生まれ育った村を出て冒険者になるために旅に出たんだとか。
そこまでの行動力があるのに内気? と疑問におもったけど、今のソニアさんを見るとやっぱりそうなのかな、と思えてしまう。
しかし、冒険者になるまでは、いや、Cランクに上がるまではよかった。どうやら才能もそれなりにあったらしく、とんとん拍子でCランクまで昇進。だがそれ以降伸び悩んでしまっているみたいだった。
必死に頑張るも中々成果が上がらず、ただ時間だけが過ぎていく中で焦りが出始め、自分なんて所詮ここまでか、と諦めかけた頃、とある噂話が偶然ソニアさんの耳に入ってきた。
それは、リズィーさんもAランクに上がるまでは、凄腕の冒険者師匠から師事を受けていたらしいとの事。これはキャロルさんのことだね、あってるあってる。
ソニアさんは情報収集に走り回り、その師匠が『双塊』の二つ名で呼ばれる、リズィーさんよりもさらに高みにいるエルフの冒険者だという事までは何とか突き止める事ができた。
もしかしたらその人は有翼族を鍛える上での何か、裏技的な物を知っているんじゃないか? それならば私も、と、今度は本人を探し始めたのだが……。
まあ、その、あれですよ。キャロルさんは引退してメイドさんになっちゃってたから、どう頑張っても見つけられなかったんだって。ギルドの人も冒険者を辞めた人が今どうしているかなんて、把握していても中々口外はできないものだよね。ソニアさんがもっと高いランクの人だったら話は違ってきたかもしれないけど。
あっれー? 半分くらい、いや、ほぼ全部私のせいじゃね? これ。謝った方がいいんじゃ……?
色々な噂話を掻き集め、最後に消息を絶ったとされるリーフサイドの町にやって来て暫く経った頃……、ショコラさんに捕まったらしい。そんなに人手不足なのかこの町の冒険者ギルドは……。
ちなみにお話の最中ソニアさんとお友達になり、私からは敬語抜きで話せる様になったのだが、まだ本当の意味でお友達になれたとは思えないのでそこは割愛します。
「ミランさんとソフィーティアとか、後話しかけ辛いかもしれないけどガトーに聞いてみればよかったんじゃない? あ、リズが先生って呼んでるから分かると思うけど、私が元『双塊』のキャロル・ウィンスレットよ。改めてよろしく」
いやいやキャロルさん、普通はね?
「は、はい。で、でもあの、ま、前に一度遠目で拝見させてもらったときに、そ、その……」
「この、可愛らしい先生のお姿を、見てしまったと、いう事ですね。ふふ」
「こんなちっこいのが『双塊』だなんてゴツイ二つ名持ってるなんて思えんわなそりゃ、同じ名前の子供だったかって思っちまうのが当たり前か。ははっ、キャロルが悪いわ」
ですよねー。悪くはないと思うけど、ね。
「うっさいわデカブツ。ねえソニア、それでも駄目元で聞いてみるとかしないとさあ、何にもならないでしょ。悪いけどそんなんだからCランク止まりだってのよ。冒険者になろうと思って村を出た行動力はどこに行ったって言うのよ」
ふう、と大きくため息をつくキャロルさん。
ソニアさんはショックを受けてしまったのか完全に黙り込み、また下を向いてしまっている。
「先生、今のは少し……」
うん、今の言い方はちょっとひどいんじゃないかなー? でも冒険者としてだとキャロルさんの言い分が正しいんだろうね。
でももうソニアさんは私のお友達なんだから、もうちょっと柔らかく接してあげてもらいたいよ。
「まあ、つまりアレか、ソニアはキャロルにアドバイスを受けるか弟子入りしたいのか? 正直そんな性格では上がれたとしてもBランク、それも下位が精々だと思うぞ? 突出した才能があったり、能力持ちなら話は別だと思うがな」
無言のまま小さく頷いて答えるソニアさん。
ショコラさんも結構冷たい言い方と言うか、厳しい評価だね。フォローに入りたいけど、私は冒険者事情なんてさっぱり分からないただの子供だもんねー……。
「ん、んー? 空気悪……。ね、キャロル、ショコラ、とりあえずさ」
ここでエレナさんがかるーく話に入ってくる。今度はまた一体何を言うつもりなんだろうか。
「姫の前でこんな話、やめない?」
「ですね。キャロ、最強と呼ばれるガトーならともかく、既に冒険者を辞めたあなたが何様のつもりですか?」
エレナさんとシアさんにみんなの視線が集中し、場が一気に凍りついた。気がした。
その後の二人の反応は早かった。
「も、もももっ、申し訳ありませんでした!!」
キャロルさんは全力で頭を下げて謝り、
「いやっ、今のは一般論であってな、別にウジウジと下らん事で悩むソニアの姿勢にイラついた訳ではなくてな?」
ショコラさんは私の頬をグニりながら全力で言い訳を始めた。うにに。
「とにかくさあ、子供の前でする話じゃないっしょ。姫から見たら新しい友達が苛められてる様にしか見えないってコレ。子供にどこまで理解力求めてんのよアンタら」
テーブルをトントンと指で叩きながら、少し言葉強めに言うエレナさん。
え? いや、理解はちゃんとしてますよ? もしかしてエレナさんから見たら私って、極々普通の子供に見えてるって事かな? それはちょっと、喜んでいいのか悲しんでいいのか……。
と言うかエレナさん、すっごく機嫌悪そうだね。怒ってる? 怒ってるんだよね? ちょっと怖いです。早くいつもの変な方向に元気な自由お姉さんに戻って!
「う……、ご、ごめんエレナ」
「本当にエレナなのか? いや、スマン、完全に配慮が足らなかった。この子は頭がいいから、ソニアを責めている訳ではないと分かってくれている、と頭から決め付けてしまっていたな。悪かったなシラユキ」
頭を撫でながら謝ってくれるショコラさん。
「んーん、大丈夫、ちゃんと分かってるよ。エレナさんもありがとね」
「はいはい。姫もこんなん黙って聞いてないでさ、文句言うなりバレンシアとミランさんのとこ行くなりしていいんだよ? 行っとく?」
なにこのエレナさん優しい。偽者? もう、さらに大好きになっちゃうじゃないか。
「うーん……、どうしよう。ソニアさんとももっとお話したいし……」
「では話にもう一段落つくまで、私とエレナさん、それとウルリカさんにもお願いしましょうか。キャロ、もう少し聞き出してから、その後どうするかはあなたの好きに決めなさい」
そう言うと、ショコラさんの膝の上から私を抱き上げるシアさん。
「え!? あ、はい! シラユキ様、本当に申し訳ありませんでした!!」
またもや勢いよく頭を下げて謝るキャロルさん。ブンッという音が聞こえてきそうなくらいだ。
最近はこうやってシアさんに怒られる事も少なくなってきたし、ちょっと久しぶりに感じてしまうね。
「いや、儂は残るとするよ。シラユキ、また後での」
「あ、うん。キャロルさんは……、ううん、誰も悪くないから謝らなくてもいいよ?」
ウルリカさんにももっとモフらせてもらいたかったなー。ざーんねん。
「し、シラユキ様お優しい……。私もそちらに行きたいです……。キャロル先生? 私の膝の上に、来ませんか?」
「ちょっとリズ? あ、ふざけてる訳じゃなくて本気で言ってるのかこの子。ありがとうございます、シラユキ様」
「私はそっちでもいいんじゃないか? この問題には部外者と言ってもいいだろう? なあ?」
シアさんのスカートを掴んで縋り付くショコラさんだったが、シアさんにはその手をぺしっと叩かれて剥がされ、無言でそっぽを向かれてしまった
「さっきの話だとアンタが無理矢理引き込んだんじゃねえか……。師匠だってSランクなんだからよ、下の奴等の話くらい聞いてやれって。姫さんはリズとももっと話したいだろうが、こりゃ今日はもう無理っぽいかもしれねえな。俺もリズも暫くこの町にいるからよ、また今度な」
「うん!!」
何か異常なまでにドタバタしちゃったけど、最後にいい情報を得る事ができたので大いに安心だ。これで暫くは町に入り浸る事になるだろうね、ふふふ。
再び通常のフロアに戻って来てお茶の続きを楽しむ私たちなのだが、エレナさんの機嫌が一向に治る気配がない。
「やっぱさ、当たり前だけどショコラはエルフじゃないし、キャロルもまだ余所者の空気が抜け切ってないよね。ムカツクわ」
イライラとしながらこんな言葉が出て来てしまう始末。これは一波乱ありそうな予感……?
ちょっと長くなってしまいましたね。
次回はまた一週間以内の予定です。
少し前から『裏話』の方で、おまけ小説の投稿を始めました。
タイトルは『シラユキちゃんのVRMMO体験記』。
http://ncode.syosetu.com/n3344w/22/
ネタとかメタが含まれる、設定も適当なお遊び感覚で書いているお話です。