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その167

「聞きたい事、か。まあ、私たちに答えられるものなら何でも聞いていいぞ? ふふ、シラユキに頼られるのは嬉しいものだな……」


「ガトーってシラユキ様の前だとホント猫かぶりだよね……。っと、失礼しました、何でも遠慮なく聞いてくださいね。シラユキ様が人払いをしてまで私たちに聞きたい事ですか……、ちょっと緊張してしまいます」


 え? ショコラさんって猫かぶってるの? ど、どういう事……? はっ!? そうじゃない、そうじゃないよ! 今のキャロルさんの一言ももの凄く気になるけど、それよりまずは……



 今私たち三人のいる場所はいつもの談話室ではなく、私の部屋。メアさんとフランさんにお願いしてちょっとの間だけ三人だけにしてもらったのだ。

 シアさんは今日は町に一人でお出かけ、昨日思いついた宿代を無くす方法を早速確認しに行っている。確認が取れたらすぐに帰ってくるといっていたので、それまでに二人からあることを教えてもらわないといけない。


 そう、シアさんについての事なんだ……






 はやる心を落ち着けて、深呼吸を一回、二回。真剣に話し出す。


「ええとね、シアさんのことなんだけど……。あ、話せない様な事だったらそう言ってね? それと、聞いちゃ駄目な事だったりした時は怒ってほしいな。私も自分でも本当に聞いちゃっていいものなのか悩んでるの……」


 ショコラさんもキャロルさんも、シアさんの過去についてはもう絶対に触れないと決めている筈だからね。その時はちゃんと叱ってくれると嬉しいな、多分泣いちゃうと思うけど……


「シア姉様のこと、ですか? そうですね、答えられないご質問だったとしたら、すみません、はっきりとお断りします。でも、シラユキ様も真剣に悩んでいるんですよね? 怒る様な事はしませんよ」


「シラユキは優しい子だからな、バレンシアの傷となる過去に触れるような真似はしないだろう。となると何か別の問題か? とにかく言ってみればいい、シラユキにそんな暗い顔は似合わない。私の膝の上に来るか? 一度胸を吸って落ち着くか?」


「このままでいいよ! でも膝の上にはちょっと座らせてもらいた、はっ!? あ、後でね!」


「あはは。まずはシラユキ様のお悩みを解決しちゃいましょう。ガトーいいなあ、私もシラユキ様に胸吸われてみたいなあ」


「え? 違う違う! 吸わないから!! 座らせてもらうだけだからね!!」


 危ない危ない、今の言い方だと後で吸わせてもらうみたいに取られちゃうよね……。ショコラさんはもう完全に私の事は娘扱い赤ん坊扱いだね、嬉しいけどもうちょっとだけ、せめて子供扱いにして欲しい!


「キャロルも正式にメイドとして認められれば添い寝できるようになるんだろう? それまでの我慢だな。ふふふ、本当に幸せだぞあれは……。シラユキ、恥ずかしいかもしれんが後で吸ってくれないか? その、なんだ、シラユキの可愛さを見てると胸が疼くんだ」


「胸が疼くとか……、アンタはライナーにでも吸ってもらえ! くっそう、本気で羨ましいな……。シラユキ様? 私の胸もシア姉様に内緒で吸って頂けませんか?」


「なんで私の周りの女の人はおっぱい吸わせようとするの!? もう! まずは相談に乗ってよー!」


 狙ったのかそうじゃないのか、多分そうじゃないとは思うけど、ちょっとだけ心が軽くなった気がするね。ありがとう二人とも……




「聞きたいのはシアさんの恋愛観、かな? シアさんってやっぱり女の人が好きなの? もうずっと前から悩んでるんだけど……」


 これは、多分、シアさんに対しての裏切り行為に当たってしまうと思う。信用してない訳じゃないんだけど、でも、行動の端々にちょっと怪しさが含まれて……、ちょっとどころじゃなくね?


「え、あー……、その事でしたか。うーん、どうなんでしょう? 男性にも女性にも興味が全く無い、ああ、恋愛するという意味では興味は全く無いと思いますよ。私は子供の頃から百年以上一緒に旅をしてましたけど……、何て言ったらいいんだろう……。すみませんシラユキ様、ちょっと言葉にし難いです」


 言葉にし難い? でも男の人にも女の人にも興味無いっていうのは間違いないのかな?


「これは力になれそうにないな……、すまん。私自身バレンシアが誰かを好きだのなんだの言っていたのを聞いた事は無いな。恋愛云々以前に、アイツには性欲という物があるかどうかも怪しいところだと私は思うんだがなあ」


 キャロルさんもショコラさんも、私の変な質問に困ったような顔をしてしまう。


 ああ、これは後でシアさんに謝らないといけないね。やっぱりシアさんは私をからかって楽しんでただけだよこれは……。二人にとっては本当に、お前は何を言ってるんだ? 的な質問だったみたいだね。


「あはは、変な事聞いちゃってごめんね? でも、ありがとう、心に乗ってた重りが取れた感じがするよ。シアさんにもきちんと謝らなきゃ……」


「だがキャロルとは何度もまぐわっていたんだよなあ、やっぱりそうなんじゃないのか? キャロル、そこのところどうなんだ?」


 気持ちがすっきりとしたところで!! でも気になる、とても気になる話ではあるね……、うん? な、何度もまぐわう!?


「ちょっとガトー、まぐわうとかシラユキ様の前でしていい話じゃないって……。えーっと、シラユキ様はお聞きになりたいですか? なんちゃって」


「うん! ……あ」


 しまった! 今のはただの冗談か!


「まあ、シラユキも性に興味のある年頃……にはちょっと早すぎる気もするが、女同士だ、そう恥ずかしくも無いんじゃないのか? 私も気にならないといえば嘘になる」


「し、シラユキ様にはまだまだ早すぎますよ。でも少しくらいならいいかな……。ええと、前にお話ししてしまいましたよね、その、私はシア姉様に初めてを……。ああ、遠回しな話し方って難しい……!!」


 キャロルさんは私のために言葉を選んで話そうとしているが難しそうだ。


 確か初潮のお祝いにしょ……、初めてをシアさんに貰ってもらったんだっけ。あの話は凄く恥ずかしかったなー。

 キャロルさんが言い難そうだし、恥ずかしいけど私から聞いてみようかな。


「もしかしてその一回だけじゃなくて、えっと……、その後も何回もしてたの?」


 か、考えてみたらそうだよね、それからも一緒に旅してたんだし、そういう雰囲気になってしまう事だっていくらでもあったんじゃないかな。


「ま、まさかシラユキ様からこんな直接的なご質問が……。ええ、私もその一回だけですっぱりと想いを断ち切ろうとはしてたんですけどね……、無理でした。だって相手はシア姉様ですよ? 諦めるどころか逆にさらに、もっと、どうしようもないくらい好きになってしまって、度々ご褒美に、ええと……、そういう訳です」


 ご、ご褒美にHとか……。要求するキャロルさんも凄いけどそれに応えちゃうシアさんも何と言うか……


「そうなってくるとやっぱり怪しいな……。なあ、キャロル、バレンシアは嫌々お前を抱いていたのか?」


「嫌々じゃなかったとは思いたいなあ……。最初の頃はされるがままだったけど、何度もしてるうちに私もシア姉様を気持ちよくさせて……、あ。今のは聞かなかったことにしてください!!」


 すすす凄い事聞いちゃったー!!!


 そそそそっか、そうだよね、Hっていうのは愛し合う行為だったよね! シアさんだってキャロルさんから色々と……。あわわわわ……

 昨日読んだ本のせいでシアさんとキャロルさんがそういう事をしているイメージが具体的に!!




「うっわー、シラユキ様真っ赤っ赤、可愛い……。すみません、またちょっと話しすぎちゃいましたね。私の考えを述べさせてもらいますと、シア姉様はシラユキ様に身も心も許しているのだと思います。例えばシラユキ様が完全に女性趣味へと転じてシア姉様と愛し合いたいと思われた場合、シア姉様は喜んでお付き合いしてくれると思いますよ。私の我侭に応えてくれていたのも多分そうだと……、ああ、今更嬉しくなってきちゃいました」


「え? ……え?」


「その言い方は少し分かり難いな、無理に遠回しに言おうとしすぎだ。簡単に言えばバレンシアはシラユキのことが好きなんだろうな……」


「やっぱりシアさんはそっちの人!? ど、どうしよう……」


「違いますよシラユキ様。シア姉様は女性が好きだからシラユキ様に誤解を与える様な行為をしているのではなく、シラユキ様を愛しているから女性趣味に見えてしまうんですよ、きっと。シラユキ様が男性だったら違和感は無いんでしょうけど……」


「男も女も関係ない、シラユキだから、だな。シラユキが女だから女が好きな様に見えてしまって……、どうしたシラユキ? シラユキ?」


「シラユキ様? か、固まっちゃった? でもこれはメアリーにもフランにも言える事だよね。あの二人も普通に恋愛するなら男性とって思って、ああ、フランは結婚してるんだっけ。それでもシラユキ様が大好きだからキスもそれ以上もできちゃうと思うのよねー」


「私もそうだな。シラユキとなら何でもできる」


「あ、うん、それは私も。一応私もシラユキ様の愛人候補に入ってるらしいし?」


「まだキス以上はするんじゃないぞ? この子を傷つけることは絶対に許さんからな」


「分かってるって、シラユキ様が望まなければ何もしないわよまったく……。たった数日で見事なまでにお母さんになっちゃったねアンタ」




 シアさんは女の人が好きなんじゃなくて、私が好きだから女の人が好きなように見える?

 確かにそう考えると納得、かな? でも私は子供なんだけどな……。たった二十歳の子供にそんな恋愛感情は持たないんじゃ……、あれ? シアさんってロリコン疑惑なかったっけ? はっ!? 私ってもっと子供の頃から告白されまくってたよ!! それに、キャロルさんも見た目は子供、合法ロリだよ!!


 あれ? でもそうなると私が好きだから女性趣味に見えちゃうって言う前提が崩れてきちゃうな……

 シアさんがロリコンだと考えると全て綺麗に納まる気がする。ロリコンだからキャロルさんを弟子にしてHもしちゃったり、ロリコンだから子供の私を好きになって女性趣味だと周りに誤解を……、いやいや、誤解じゃなくて……


 シアさんはやっぱり小さな女の子が好きなのか……?

 ああ! 違う! 違うよ!! 確かにそう考えると謎は全て解けたって言えるんだけど……、シアさんは私にはっきりと言ってくれたじゃない。

 女性にも男性にも恋愛的な興味は無いって、あの時自分の命を懸けてまで真剣に答えてくれたんだよね……




「どうしよう、私、分かっちゃった。ううん、本当は初めから分かってたんだよね。でも、シアさんの事を信じきれてなかったんだ……。私、最低のお姫様だよ……」


「シラユキ様!? ど、どうしてそうなるんです? うわ、見て分かるくらい落ち込まれてる!! ど、どうしようガトー?」


「任せろ。まったく、お前もまだまだだな。まあ、そのナリでは無理か……、と、これでよし。ほら、シラユキ、私の膝の上に来い」


「え? あ、うん、ちょっと慰めてほし……、なんで胸はだけてるの!?」


「ああ、なるほどね。確かに私の胸じゃシラユキ様を慰めて差し上げる事はできないか……。くう、相変わらずいい形の胸してるなあ。今日はちょっとシア姉様の胸に吸い付いてみよっと」


「あああ、キャロルさん見ないで……、でも凄く落ち着く……、癒されるううぅぅ」







続きが全然書けない!

何とか週1更新はしていきたいですね……


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