いつも通り?(登校)
俺達の通う高校の名前は戒冥館高校という。
由来は分からないが、何故こんな字になったかは以前説明したとおりだ。
俺達とはもちろん、俺と森羅のことだ。
俺の誕生日は2月17日だが、森羅は2月18日。つまり俺達は二卵生双生児なのだ。
俺の家から学校までは約20分。ほぼ毎日森羅と一緒に登校しているのだが・・・。
何故か通り過ぎる若者たちの殆どが俺達を振り返る。おそらく理由は森羅にあるのだと思うが。
正直言って森羅はそこら辺のモデルなんかと比べても遜色がないほど美人だ。これで素のままなのだから恐ろしい。
しかしよく分からないのは、同姓である女性の多くも振り返るのだ。
確かに森羅は美人だが、同姓まで振り向かせるまでには行かない気がする。
俺の感性がズレているのだろうか?
ま、いつもの事だし考えていてもしょうがない。
「ねえ、どうなの?兄貴」
っと、考えていたら森羅が何か言っていたのに全く気づかなかったようだ。
「悪い。少し考え事しててよく聞いてなかった」
「もう、今日の夕飯は何が食べたいかって聞いたの!」
「ごめんごめん。そうだなぁ。偶にはイタリアンな奴はどうだ?」
「ん、確かナポリタン用の材料があったと思うから、それでいい?」
「ああ、期待してる」 森羅は色々な特技を持っている。料理や音楽。スポーツもそれなりに出来るし勉強に至ってはここら一帯で三番目に偏差値の高い学校でありながら常に学年順位一桁(殆ど五位以内)をキープしている。
正直言えば、劣等感を感じたのは一度や二度ではない。
ま、そんな物を感じたのも既に昔のこと。今となってはありのままを受け入れている・・・と言うより、俺達を比較しようとする一番身近な人間が居なくなったことが一番の要因だろう。
おっと、また考え事に集中してしまった。森羅がかなりご立腹な様子だ。
「兄貴・・・人の話ちゃんと聞いてる?」
「わ、悪い。またちょっと考え事してて・・・」
「はぁ・・・兄貴って昔から考え事とか多いよね?いつもどんなこと考えてるの?」
「いや、ちょっとな」
確かに、俺は深く考え込んで周りの話を聞き逃すことが多い。だが、今日のように自分の周りのことなんかだけを考えたりするってのもあまりしない。何についてかって言われると・・・
「強いて言うなら、この世界について・・・かな?」
「何?哲学的なこと?兄貴には似合わないって」
哲学的・・・ね。どうなんだろうか?正直言って、俺の持論なんかただのガキの戯言なんじゃないかとしか思えないが。
「ま、そんな難しい感じじゃないんだけどね」
「そうなんだ」
今回はそういう事じゃなかったのは内緒だ。お前のこと考えてたなんて恥ずかしくて言えんわ!




