音
『あなたに何かして欲しかったのかも知れない』
"何かして欲しい"
そんなフワッとしたモノに何をすれば良いのか、、
「ふざけんじゃねえ!」
俺はそう開き直った。
この世界で、『助けを求める者』に対して、
"差し出されていない手"を掴む事は、
そう、簡単な事ではない。
ある意味【才能】なのだろう、
俺のひねくれ話はこの返にして。
本題に入れば、
あの人形のせいで俺の右眼が奪われた。
奪われたと言うか、瞑れた。
あるホテルに泊まった。
皆で集まって、騒ぎたかっただけ。
何の努力もしてない。
苦労や責任から逃げて。
友人の成功と幸せを何処かで妬みながら。
そいつらとつるむ。
控えめに言って屑。
いや。
ゴミ。以下だ。
インターホンが鳴った。
「何か鳴った?」
友人1「鳴ったか?」
友人2「隣の部屋じゃねん?」
気になった俺はドアスコープを覗いた。
真っ赤な紅い服。少しボサッとした長い髪。
ゾワッとした。
俺は戻った。
友人1「誰か居た?」
「あぁ、」
2人が話している会話が入って来ない。
友人2「どした?」
言うか言わないべきか迷ったが。
「外に、気持ち悪い女が居た。」
友人1「え。マジ?どこ?」
友人1はドアスコープを覗きに行った。
友人1「うわ。マヂか。キショくね?」
友人2「やめとけって、」
テーブルに座って話を戻すと、
再びインターホンが鳴った。
「まだやってるよ、」
友人2「放っておけよ」
そう言いながらインターホンを覗く。
友人2「居ねえよ?」
友人1「どっか行ったか?
、うわっ!」
「何?」
替わる様にインターホンを覗くと目の前に女が居た。
俯いて、頭部が見える。
後退り動じる俺を通り過ぎ、
友人2がインターホンを覗く。
友人2「何。
何も居ねえよ?」
その間。ずっとインターホンは鳴り続けた。
どうやら友人2には"見えない"様だ。
受け付けに電話する。
「あの、、部屋の前に変な人が居て。」
受け付け「はい、、」
ピンポーン。
ガチャ、
友人1「はぃ、」
受け付け「廊下を見て回りましたが、
その様な方はいらっしゃいませんでした。」
外を見ると誰も居なかった。
受け付け「また見掛けましたら、」
友人2「すいません、、」
友人1「お騒がせしました。」
冷めた。
積もる話もお開きになった。
朝になり起きた時。
枕元に【人形】があった。
「何これっ、」
友人1とお揃いの人形。
友人2には無かった。
友人1「普通にキショイ。
要らね、」
人形はゴミ箱に捨てられた。
俺は手放してはイケナイ気がした。
友人2「持って帰るの、?」
「多分、持って行かなきゃ、
お前は。大丈夫か?」
友人1「無理無理。
何で俺らだけ、笑」
友人2「ぅん。」
気まずい空気の中。
楽しかった"ハズ"の外泊は終わった。
暫くして、友人2から電話が掛かって来た。
「もしもし?」
友人2「アイツ。事故ったって。」
「え?大丈夫なのか?!」
友人2「命に別状は無いらしいけど、」
あの日から暫くもしない内に。
友人1が事故に遭った。
友人2「もしかして、あの人形のせいか?」
「、ぅん。」
友人2「お前。大丈夫か?」
「今の所は。」
友人2「お祓い行った方が良いぜ?
とりあえず、先見舞い行って来るわ。
『お前は先やる事やっちゃえよ』」
「あぁ。」
何処に行けば良いかも分からず。
SNSで漁って居た所。
話を聞いてくれると言う人と会える事になった。
『"あなた達、死ぬわよ"』
「はい。?」
自称霊媒師「これは、【強い念】を感じます。」
「何で俺達が。」
自称霊媒師「あなた達に、
気付いて欲しかったんでしょう。
特にあなたに。」
「ふざけんな。
【死ぬ】
って。」
自称霊媒師「ちゃんとお祓いすれば、
何とかなるかも知れません。」
「勝手にてめえで死んでろや!!」
布にくるんだ人形を叩き投げた。
そんな矢先に、右目を潰した。
仕事中の、事故だった。
霊媒師「お力に慣れずにすいません。
あの人は、"あなた"に。
何かして欲しかったのかも知れない、」
死んでる者と生きてる者。
果たしてどちらの【呪い】が強いのか。
友人1は、強い"守護霊"が護ってくれたと。
俺はお祓いしたから、何とかなった。
それでもだ。
「割に合わない」
人形がどうであれ。あの女がどう関係してるのか。
何故俺達で俺だったのか。
あの時から、
あの時のインターホンの音が時折聞こえる。
友人1もそうらしい。
俺達の。俺の。死を望む音は、
もう直ぐそこまで来ているのかも知れない。
ピンポーン、、




