第6話:神殺しの秒読み
空の割れ目から姿を現したのは、巨大な黄金の目だった。
この世界の創造主、聖神アルテミス。
その眼光一つで、並の勇者なら魂ごと消滅する神威が放たれる。
「愚かな人間よ。分をわきまえよ。その力、私が回収して――」
「うるさい。喋るな」
俺は、ただ言葉を発した。
それだけで、言霊が物理的な衝撃波となり、黄金の目に真っ赤な亀裂を入れた。
「な……!? 神である私の言葉を、力でねじ伏せただと……!?」
「回収? できるものならやってみろ。今の俺は、1ミリ動くだけでこの宇宙の質量を超えているんだぞ」
俺は、足元で震えているゼノンとプリシラを、ゴミを見るような目で見下ろした。
二人はあまりの恐怖に、もはや声も出せず、失禁して白目を剥いている。
「見てろ。お前たちが縋っていた『神』とやらが、いかに無力か教えてやる」
俺は一歩、空中を踏みしめた。
足場にした空気がダイヤモンドよりも硬く圧縮され、爆音とともに俺の体は神の目前へと到達する。
「消えろ、管理者」
俺は、ただの「突き」を繰り出した。
魔力もスキルも使わない、ただの筋肉の動きだ。
ドゴォォォォォォォォォォォォッ!!!
神の領域が、ガラス細工のように粉々に砕け散った。
創造神の叫び声すら聞こえない。
俺の一撃は、神の肉体だけでなく、神という『概念』そのものをこの宇宙から抹消した。
【通知:世界の管理者が消失しました。次期管理者をランダムに選出します……】
【エラー。エラー。個体名『アルス』のステータスが無限大のため、システムが崩壊します】
「システムが壊れる? だったら、俺が新しいルールだ」
俺がそう呟いた瞬間、俺の右手に『世界の核』が凝縮された。
「さて……次は、どの星を掃除しようか」




