第24話:神の座の焼却
ゼノンとプリシラの魂を砕き、物語の背景へと溶かした俺は、最後に残った「玉座」を蹴り飛ばした。
この宇宙で俺を縛るものは、もはや何一つ存在しない。
「……結局、神も運命も、俺の怒りを鎮めるための薪にすらならなかったな」
俺は虚空に向かって、右手を高く掲げた。
そこにあるのは、この物語を完結させようとする『全宇宙の終焉プログラム』。
「【概念破壊:終焉の拒絶】」
俺がその「プログラム」を掴み、力任せに引き裂くと、宇宙から『終わり』という法則が完全に消滅した。
星々は燃え尽きることなく、命は枯れることなく、そして――俺の復讐もまた、終わることがなくなった。
「あ、ああ……。救いがない……どこにも救いがない……」
背景に溶け込んだゼノンとプリシラの意識が、法則の崩壊によって「永遠に死に続ける苦痛」を永遠に味わい続ける。
終わることが許されない。それが俺の与えた、究極にして最後の裁きだ。
俺の体からは、もはや魔力ではなく「存在」そのものが溢れ出し、真っ白な虚無を極彩色に塗りつぶしていく。
俺が歩くたびに新しい銀河が生まれ、俺が瞬きをするたびに古い次元が消え去る。
「……退屈だ。だが、この退屈こそが俺の求めていた『全能』の正体か」
俺は、自分自身を構成する全ての「文字」を解体し始めた。
名前も、ステータスも、過去も。
そして、俺はついに見つけた。
この物語を締めくくる、唯一の、そして絶対的な『最後の一行』を。
「……さあ、幕を引こう。ただし、これは俺が支配する新世界の、ほんの数秒の出来事に過ぎないがな」




