第18話:システムの心臓部、陥落
物語の枠組みを突き破った俺が辿り着いたのは、無機質な白に覆われた『階層:ゼロ』。
そこは、無数の世界(物語)を管理し、調整する「システム」の心臓部だった。
「……何だ、ここは。俺たちが必死に生きていた世界は、ただの『文字列』の集まりだったのか」
周囲に浮かぶのは、膨大なデータの奔流。
その中心で、巨大な光の球体――『システム・コア』が拍動していた。
『警告:不正アクセスを確認。個体名『アルス』。貴様は存在してはならないバグだ。今すぐ初期化を実行する』
コアから放たれたのは、全ての物質、魔法、概念を無に帰す「消去コード」。
だが、俺はそれを素手で掴み取り、スナック菓子のようにバリバリと噛み砕いた。
「バグ? 初期化? 勝手な言葉で俺を定義するな。俺がこの世界の『唯一の真実』だ」
「【全権掌握:システム・ハイジャック】」
俺の指先から流れ出した黒い魔力が、光り輝くコアを侵食していく。
白かった空間が、俺の怒りと魔力の色である「極光の黒」に染まり変わる。
「あ、あああああ……ッ!!」
俺の玉座に埋め込まれたゼノンとプリシラの魂が、システムの書き換えによる衝撃で絶叫する。
彼らは今、この宇宙全ての情報が脳内に直接流れ込むという、神ですら発狂する拷問を受けていた。
「安心しろ。お前たちの席はまだここにある。世界がどう変わろうと、俺の足元からは逃がさない」
俺がシステム・コアを完全に握り潰した瞬間、多次元宇宙の全ルールが俺の意志一つに同期した。
【通知:システム・オーバーライド完了。管理者権限を個体名『アルス』へ譲渡します】
【現在より、全宇宙の法則は『アルスの思考』に準拠します】
「……よし。これでようやく、俺の『本当の復讐』の準備が整ったな」




