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第12話:神々を塵に変える指先

空を埋め尽くす「外なる神」たち。一つ一つが銀河を滅ぼすほどの質量と魔力を持っている。

 だが、今の俺にとって、それは空を舞う羽虫と変わらない。


「下等な生命体よ! 我ら宇宙の理を乱す罪、その身で贖――」


 神の一柱が放った、太陽系すら蒸発させる極大魔法。

 俺はそれを、鼻先でフッと吹き消した。


「……五月蝿いと言っているんだ」


 俺は座ったまま、右手の指をパチンと鳴らした。


「【概念抹消:神性崩壊ゴッド・デリート】」


 瞬間。

 空を埋め尽くしていた数万の神々が、何が起きたか理解する暇もなく「パシャッ」という音を立てて弾け飛んだ。

 血が流れるのではない。彼らの存在そのものが、この宇宙の記憶から消去され、ただの「光る塵」となって降り注ぐ。


「ひ、ひいいいっ!? 神様たちが一瞬で……!?」


 下水の中でその光景を見ていたゼノンが、恐怖で精神を完全に崩壊させた。

 かつて彼らが崇めていた絶対的な存在が、俺にとっては「指を鳴らす手間」にすらならない。


「さて、塵の掃除は終わった。……次は、この宇宙の『外側』を整理しに行くか」


 俺は玉座から立ち上がった。

 ただ立ち上がっただけだ。

 だが、俺の膝が伸びた瞬間に発生した衝撃波で、この惑星を囲んでいた衛星軌道のデブリがすべて粉砕され、宇宙が磨き上げた鏡のように綺麗になった。


「プリシラ。お前はそのまま歌っていろ。俺が戻ってくるまで、一秒でも休んだら……お前の時間を『逆行』させて、赤ん坊からやり直させてやる。もちろん、記憶は保持したままな」

「ひっ、はいぃぃ! アルス様は、アルス様は絶対なりぃぃ!!」


 俺は空間の膜を素手で引き裂き、宇宙の「さらに外側」へと足を踏み入れた。

 そこには、俺のような『覚醒者』を監視する、時空の番人たちが待ち構えていた。

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