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第14話 罰は共に過ごす一夜!?




「わたくしが何を言おうとしているかわかるわね? リリー」

「……申し訳ございませんでした」


 レイノルズ邸に戻ってすぐ。

 リリーはユースティシアの前で謝罪した。


「ユースティシア様が静止したにも関わらず、私情と私怨を理由に暴走したこと、ここに謝罪させていただきたく存じます」

「…………」

「罰はなんでも受けます」

「……なんでも?」

「なんでも」

「絶対に?」

「絶対に。ユースティシア様に誓って」

「……」


 二人だけの静かな時間が流れる。

 リリーは黙ってユースティシアの言葉を待つ。


「わかりました」


 数分後、ユースティシアは口を開いた。


「命令です」

「はい」


 そして、思いもしないことを言った。


「リリー。あなたには罰として、今夜、私の部屋に来なさい」

「はい。……はい?」


 リリーは意味がわからず聞き返す。


「服は貸してあげます。あっ、さすがに下着類は……。そのへんは準備しておいてくださいね、リリー」

「……え」

「? なにか」

「いえ、あの、その……」


 つまり、リリーの言いたいことは……


「今夜、私はユースティシア様と夜に、就寝をともにするということでしょうか……?」

「男女の“まぐわい”ではありませんよ?」

「そっ、それはわかってます!!」


 思わず大きな声が出た。

 リリーにもある程度知識はあるのだ。

 しかしいざ言葉を聞くと恥ずかしくなる。

 ただそれだけだ。


「さ、早く行きなさい」

「っ、失礼します」


 リリーは足早にユースティシアの部屋を出た。


(……ユースティシア様と一緒に……。いや、でもああいう意味じゃないって言ってたし……とっ、とにかく準備しなきゃだよね、うん)


 リリーは思考を切り替えることに成功した。

 しかしできなかった者が一人いた。


(あああああ〜〜っ!!)


 ユースティシアだった。

 ユースティシアは今更、自分の言葉に羞恥心を抱いていた。

 声を出して叫ばない点においては褒められるべきであろう。

 貴族としての教育が役立っている。


「……嫌われた、かな」


 ポツリと一言つぶやいた。

 リリーへの罰として自分の部屋で一夜を過ごすよう命じたユースティシア。

 そうしたのには二つ、理由がある。


『少なくとも私は、ユースティシア様を一人の女性として、恋愛対象として、愛しています』


 まず一つ目。

 この言葉が頭から離れないこと。

 この言葉の真意を聞かなければ、きっと離れてはくれないだろうから。

 そして二つ目。

 これは、ユースティシア自身が自分の恋心を、想いを寄せているかを知るためだ。

 長い間絡まり続けたこの想いに、答え合わせをしたい。

 そのためには二人だけの時間が必要と判断したため、ユースティシアは今夜、リリーと共にいることを決めたのだ。


(……ここまできたんだもの。やるしかないわよね)


 もう、後戻りはできない。


『自分の気持ちに、正直に生きてね』

『正面から向き合った方が案外スッキリ綺麗に終えられるものですよ』

『少なくとも私は、ユースティシア様を一人の女性として、恋愛対象として、愛しています』

(……わたくしは…………)


 時間は止まってくれない。

 ユースティシアが自分の想いの名を知るのは、もうすぐだ。



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