84話 のんびりとした朝
84話は5日の21時10分投稿予定です
「オハヨ……シオン……」
「おはよう、イルミ」
右手にオタマを持ち、胸まである水色のツーサイドアップをいじりながら、パッチリとした目を眠そうにし、水色の瞳で僕を見つめてくるイルミ。
以前あげた白の半袖シャツを、いつものようにワンピース代わりに着こなしており、やはり相当気に入ってくれたのだと改めて実感させてくれる。
身長は153と、ラクシィとローザより気持ち小柄だが、女性的なラインはちゃんと出ていて整っており、うん、やはり凄く可愛い。
「ソ、ソンナニ見つめてくれると……ワタシ、嬉しくてドキドキしてしまうよシオン……」
イルミは顔を赤らめ、手を組みながら照れている。
「うぉっとと、見つめてたのがバレてしまった」
「んも〜う、シオンくんのえっち〜」
「そ、そういうつもりじゃ……」
ローザにもからかわれながら朝っぱらからラブコメ感全開な感じで今日が始まることとなった。ラクシィとウンブラも食卓に姿を現す。
「おはよ〜、シーちゃん。今日の朝ご飯は味噌汁と卵焼きと納豆、そしてステーキだよ」
「わ、和食かと思ったらステーキが乱入してきたな……でも、この組み合わせも僕は嫌いじゃあないなー」
ステーキといったら、佐々木さんとこのステーキ最近食べてないなあ、今度行ってみようっと。
「和と洋の融合、これからは多様性の時代ってやつらしいですよシオンさんー」
「た、多様性ねー、よくは分からないけど、まずは、いただきます」
「「「「いっただきまーす」」」」
僕たちは雑談しながら朝ご飯を食べていく。イルミはパソコンをどんどん使いこなしていき、ローザはテレビゲームにハマってるようだ。
ウンブラの畑の様子も順調らしく、もうすぐ収穫出来るとのことで、やっぱりレインボウ・ストーンのおかげで成長が早いんだろうと思った。そしてウンブラは手もみをしながら僕に話しかける。
「そうだ、シオンさん。ちょっとお願いがあるのですが……」
「どうしたんだい、ウンブラ?」
「実は、じょうろやクワとかの農具が古くなって今にも壊れそうなんですよー、もし良ければ新しい農具が欲しいなーと思いましてー」
「お、良いよー、少し食休みしたら近くの花屋さんに買いに行こうか」
「ありがとーございますぅー」
ウンブラは嬉しそうに体をくねらせている。確かに小屋にあった農具は古かったもんな。
「ワタシも行こうカナ……最近、パソコンに夢中になってアンマリ外に出なかったカラ……」
イルミはジュースを飲みながら僕に寄りかかってきた。
「よし、じゃあ一緒に行こう」
僕はイルミの頭を撫でながら答えると、ローザはこめかみを押さえながら悩ましい表情をしている。
「う〜ん、わたしもいきたいけど〜、きょうはラクシィちゃんとおでかけするからパスかな〜」
「うんうん、今日はボクとローザとで映画を見に行く予定でね〜」
「へー、どんな映画かが気になるなー、帰ったら聞かせてもらおうかな」
「良いよ〜」
ローザとラクシィは雑談しながら映画を見に出かける。花屋さんが店を開けるまで時間があるので、イルミとソファーに座り、居間でテレビを見ながらのんびり過ごすことにした。
「シオン、コレを見て欲しい……」
「お、どれどれ……」
アース・レコードを操作しながらイルミが見せてきたのは、2018年に起こった富士の樹海での消失事件についてだった。
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