75話 ちょっとしたミステリー話
「おはようイルミ、ああ、ちょっとしたミステリー話をね」
「ミステリー? ワタシも聞いてみたい……」
イルミは僕が座ってる畑近くの切り株に腰を下ろし、一緒に座る。
「ええ、それはですねー……」
ウンブラはさっき僕に言ったことをイルミにも説明する。
「オオ〜、ナルホド〜、モナドがダンジョンのみで使える力というより、地球がモナドを無効化する性質を持ってるんダネ……」
「ええー、その認識で間違いないと思いますよー」
イルミは興味深そうにうなずく。ラクシィにも聞かせたかったが、ここ最近、またアース・セイバーズに足を運んでおり留守がちなんだ。
「それも、サイコ・メトリーってやつで得た情報なのかい?」
「ええ、そうですー、細部までは保証出来ませんが、大まかには合ってる自信はありますよー」
ウンブラは雑草を引っこ抜きながら答えてくれた。
「ちなみに、何者が地球にそう仕組んだんだのかな?」
僕は興味本位で聞いてみる。
「実のところ、それは分からないですねー、あるタイミングで地球に結界が施されたのは分かるのですがー」
「ン……最初から……ソウナッテなかったのカナ……?」
イルミは僕に寄りかかりながら水色の髪をいじっている。
「ですですー、取得した情報によると、超常の力によって引き起こされた形跡や物体が世界各地に遺されているんですよー、観光名所や遺物という形で。これは逆説的に、原初の地球は超常現象が起こり放題のカオスな惑星だったという証明になりますー」
にこやかな笑顔で楽しそうに講釈を垂れるウンブラ。今更だが、けっこう話好きなんだな。
「ナンカ……少しウルサそうな時代な気がするネ……」
「うるさいなら可愛いもんで、少々キツい世界だったような感じですねー」
体操座りの姿勢で頬杖をつきながらイルミは呟き、ウンブラは軽い口調で返す。しばらく雑談を続け、僕はちょっとした疑問をウンブラに投げかけてみる。
「ウンブラは、この家に取り憑いてたけど、この家に住んでた誰かだったりするのかい?」
「いやー、覚えてないですねー、気が付いたら、この家に居ましたから。生前おれが誰だったかは不明ですし、あまり気にはしなかったですー」
あまり過去にはこだわらないのかな? そう考えてると、ウンブラは僕に聞いてきた。
「ところで、シオンさん、話は変わるのですがー」
「ん? なんだいウンブラ?」
僕は少し前のめりになる。
「天田国広とシオンさんって、親戚だったりしますー?」
突拍子もないウンブラの問いに僕は一瞬思考が停止してしまった。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます!
少しでも、面白そうだったり、先が気になると思っていただけましたら、
ブクマと★★★★★を入れていただけますと、モチベーションアップして励みになりますし、とても嬉しいです!
広告下から入れられますので、よろしければお願いします!




