70話 宇宙光を秘めし者
次話は21時30分投稿予定です
『イルミナリィ・ヴァルトール──無限にも等しい宇宙光を秘めた不死身の超生命体。破壊不能の水色に光り輝く霊的コアを体内に持ち、肉体が消滅しても10秒ほどで完全に再生するため絶対に倒されることがない。また、あらゆる次元において力を失わずに活動可能な性質を有し、様々な行動で永続的にステータスが上昇していく。ちなみに飢餓や窒息状態に陥ることがない』
「こ、これは……?」
イルミの開いたグラマトンを見せてもらい、僕はつぶやく。ローザの持っていた超神というモナドにそっくりだ。そう思った矢先、僕は違和感を感じ、グラマトンを開きモナドを確認する。
「ロックされてたはずのアドヴェントのモナドが外れている……でも、イルミは変わらずここにいる……と、いうことは……」
この事実は、イルミは完全に独立した存在へと進化したことを証明するものだった。
「力が、沸いてクルヨ……分かる……ワタシはローザと同じく、独力で存在出来るようにナッタンダ……」
イルミは僕を見つめながら笑顔でつぶやく。僕もイルミを見つめ返す。
「まさか、こんなに早く実現出来る日が来るなんて僕は思わなかった。少しは恩返し、出来たんだろうか?」
「ワタシを連れ出してくれた時点で、ムシロ、ワタシの方がシオンに恩があったんだけどネ……」
「はは、あれだ、お互い様ってやつかもな」
黒いガスに覆われた空、溶岩の海が広がる地獄のような星の上空で僕とイルミはお互いを見ながら笑い合う。
色とりどりの粒子は、まだ周囲を漂っており、地獄のような景色を神秘的に飾ってくれていた。
ラクシィはアース・レコードを握りながら嬉しそうに声を出す。
「やったよ、シーちゃん、みんな。本部から連絡が入って、噴火の気配が完全に止まったって!」
「な、なんだって!? やった……! 阻止出来たんだな、僕たち……」
「ほんと〜! イエ〜イ、わたしたちのだいしょうりってかんじだねっ!」
ローザは握った右拳を上げながら羽根をパタつかせている。
「……ミンナのおかげで、ワタシも……完全な存在になることが出来たよ……アリガトウ……」
イルミは僕たちを見ながら感慨深く微笑んでいる。
「も〜う、イルミちゃんったら〜、そんなにほめると、わたしうれしくてはしゃぎまくっちゃうぞ〜、いつもの100ばいくらいで」
「ひゃ、100倍はいくら何でも騒がしすぎる……僕としては、3倍くらいで手を打ってくれると助かるんだけど……」
「んんっ、むり〜」
「そんなーっ!」
ローザははしゃぎまくり、僕はそれにツッコミを入れながら、いつも通りの他愛ないやりとりを楽しむ。
「あっはは、さあ、帰ろうよみんな、ボクたちの家へ」
「ああ!」
僕は時空間転移を発動させ、満足感を抱きながら自宅へとみんなで帰ることにした。
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