67話 決戦! ウルティウム・ドラゴン
次話は20時40分投稿予定です
僕たちは有機械惑星セブン・水晶地帯に存在する50層へのゲート前へと転移する。これを潜れば、このダンジョンのラスボスと対面か……。
「よし、行こう!」
「ウン……」
「ラスボスをこえる裏ボスのちから、みせてあげるよ〜」
「頼りにしてるよ、シーちゃん、みんな」
僕たちはゲートを潜り、50層へと向かった。
──そこは、灼熱地獄のような場所だった。空は黒いガスで覆われ、焼け焦げた真っ黒い大地には無数の火山がそびえ立ち、溶岩を吹き出しながら噴火を続けている。
川には溶岩が激しい勢いで流れており、周囲には溶岩の池も複数確認出来た。
「火山惑星ネーザ……まるで地獄のような星だ……」
僕は思わずつぶやいた。信じられない熱さに酸素もない。かなりのデバフがかかった状態で戦うことになりそうだ。
「あっついね〜、酸素もないし、すこしダルくなっちゃうよ〜」
ローザは羽根をパタパタさせながら暑そうにしている。その横でラクシィはアース・レコードを操作していた。
「ボクの調べた感じでは大気成分は硫化水素が主成分みたいだよ、その他は未知の成分。あとでサンプルを採取したいな〜」
硫化水素って、相当な毒物じゃあなかったっけ? さっきからの気持ち悪さはそれのせいもありそうだ。ラクシィは端末をしまうと、イルミはつぶやいた。
「ア……」
「どうしたんだ、イルミ?」
僕はイルミに聞いたその時、地平線の彼方から赤い光が見えた。その瞬間、巨大な熱光線が迫り、僕たちを直撃する。
「うわっ!?」
「きゃあ!?」
真紅の熱光線は僕たちを余裕で飲み込み、周囲の大地を消し飛ばし、その余波で無数の地割れを発生させる。
そして僕たちのいる直撃地点に半径500キロもの大爆発を引き起こす。それは惑星の地形をも変えかねないほどの威力だった。
「くっ……みんな、大丈夫か!?」
「ボクは大丈夫だよ」
「うん、わたしもへいきだよ〜」
「少し熱かったけど……ワタシも……ダイジョブ……」
「よーし、なら、今度は僕たちの番だな!」
良かった……みんな平気そうだ。僕は欠損した指を隠しながら、みんなに反撃を促す。……そして、ものの数秒で欠損した僕の指が再生し、完全に元通りになる。
やはり、恐ろしいほどの再生能力と耐久力だ……。自分の体が再生するのを見たのは初めてだけど、本当に凄い……。
気が高揚してゆく、その勢いのまま僕たちは赤い光が見えた場所へと飛翔し向かってゆく。そこには、黒い大地に鎮座している何かがいた。
「いたよ〜、あれがダンジョンのラスボス、ウルティウム・ドラゴンだよ」
「ウルティウム・ドラゴン……」
それは全長50メートルはある巨大なドラゴンだった。形はファンタジーでおなじみの姿にそっくりで、その体は黄金色に輝き、真っ赤なオーラをまとっていた。
ウルティウム・ドラゴンは僕たちの方を向き口を開け、前方に真紅に輝く光球を創り出した。
「さっきの光線か! そう何度も当たってやれないさ!」
「シーちゃん、みんな! 散開して攻撃しよう!」
「ウン……ジャア……ワタシは後ろに回り込むよ……」
「んじゃ、わたしは真上からから、こうげきするね〜」
僕たちは高速で飛翔しながら散開する。ウルティウム・ドラゴンは僕に向かって真紅の熱光線を発射してきた。
でも、この早さで動き回れば当てられないだろう……と思ってたら、僕の動きに合わせて偏差射撃ってやつだろうか、それをしてきたので、またもや僕は光線の直撃を受けてしまう。
「避けられないんだったら、耐えてみせる!」
僕はエクスオール・レイキャリバーで全身を覆うように防御する。今回は真横から撃たれたため、爆発は地平線の彼方で引き起こったようだ。
僕はエクスオール・レイキャリバーを両手で構え、ウルティウム・ドラゴンへと突撃する。
「当たれぇっ! ギャラクシオン・バスタァァァァッ!」
僕は全長100メートルの巨大光刃をウルティウム・ドラゴンへ渾身の力で振り下ろす。確かな手応えを感じ、僕はヤツを一刀両断にしたという確信を持った。
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