47話 少年だった存在との再会
次話は21時10分投稿予定です
しばらくすると、不思議な振動音が鳴り響き、少しして急に音が止んだ。どうやら、交番に何かがやってきて停止したらしい。
「ご、護送車両で連行されるんだろうか……?」
僕はネガティヴな発想ばかりしながら、休憩室の襖を見つめる。足音が近づき、とうとう襖が開けられた。
「やあ、久しぶりだね、シーちゃん」
僕たちの目の前に現れたのは、想像していたゴツい大男とは似ても似つかない可愛らしい銀髪の少女だった。
その銀髪は肩まであるセミロングで、目は大きくパッチリとしており、エメラルド色の瞳を持っていた。服装は白とピンクを基調とした半袖とミニスカートで学生服を思わせるデザインだ。
この子も顔立ちはとても整っていて幼く、肌はイルミとローザよりも白めでとても綺麗だ。背と体つきは、ちょうどイルミとローザの中間で、活発で気さくな雰囲気と、どこか不思議な印象を受けた。
「あ、あの……どこかでお会いしましたっけ……?」
僕はしどろもどろになりながら目を泳がす。
「ぷっ……あはははは! 相変わらず面白いねシーちゃん。昔と全く変わってなくて嬉しいよ」
銀髪の少女はお腹を押さえながら涙目で大笑いをしている。昔……? 会った……? ダメだ、思い出せない……。
「ねね、シオンくん、この、すんごく可愛い子、しりあい?」
「コレハ……強大なライバルの雰囲気を感じるよ……ジェラシーとワクワクという感情がワタシの中に溢れてくる……」
イルミとローザもやってきて銀髪の少女に興味津々のようだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ……今思い出すから……」
くっ、こんな可愛い子で、しかも銀髪なんて普通有り得ない髪色……会ったら忘れるはずが……だが、やはり記憶が……待て、シーちゃん?
僕をそう呼ぶ人間は、記憶では一人しか存在しない……。
「ま……まさか……広瀬楽士君、なのか……?」
僕は震え声で呟く。
「覚えててくれたんだね、嬉しいよ! 懐かしいな……そう名乗ってた時期も確かにあったなぁ……」
銀髪の少女は懐かしそうに僕を見つめる。
「ちょ、ちょっと待って……男の子じゃあなかったっけ……?」
「いや〜、それがね、とある事情で銀髪になった時、性別まで変わっちゃってさ、まあ、ボクも色々あったんだよ〜」
銀髪の少女はあっけらかんとしながら、とんでもないことを口走る。
「な……なん……だと……? 」
男の子だったのに女の子になったと……? え……ウソだろ……?
「クスッ……かなり面食らってるようだね。まあ、いいや、それじゃ、改めて自己紹介させてもらおうかな」
銀髪の少女は微笑み、腰に手を当てながら自己紹介を始める。
「ボクの名前はラクシィ・トム・ゼルファー。アース・セイバーズ特殊任務遂行部隊長にしてSランクのオブリオンをしてるんだ、これからよろしくだよ」
ラクシィと名乗る少女は微笑みながら僕に握手を求めてきた。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます!
少しでも、面白そうだったり、先が気になると思っていただけましたら、
ブクマと★★★★★を入れていただけますと、モチベーションアップして励みになりますし、とても嬉しいです!
広告下から入れられますので、よろしければお願いします!




