表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/14

サムライ


「嫌だろうが、おれとてすきでここに来たわけではない。道に迷ってしまってな。山でうかつに歩くと、ひどいことになると思っていたら、この小屋がみえた。てっきり人はいないものかと思ったのに・・・・。おまえ、いくつだ?」


「・・・じき、九つになる」


「名はなんという?」


「・・・・」


「なんだ。言えないのか?」


「あんたが山のあやかしじゃねえってわかったら言う」


「アヤカシ?なんだ、おまえ、一人で残されて心細いのか?」


「あんた、お侍だろ。 ―― そんな刀まだぶらさげてるのは、ザントウってやつか、アダウチっていうのしかいねえから、『かかわるな』って、じいちゃんが言った」

 男が腰にさした二本の刀をにらむ。


「ふん、おれの、・・・まあ、いい。おまえには、アヤカシもサムライもおなじということか。それなら、―― 」

  侍の目が、こどもをとおりすぎたむこうにそそがれた。



『  おまえ、おれのことそのアヤカシだと、おもったな? 』



 その声にぞっとしてこどもがあわてて振り返ると、むこうにもうひとり、 さむらい が立っていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ