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眠るんじゃねえぞ



 山に入る前にはいつものように二人、ふもとの番神ばんがみ様にお参りして、そこからつるぎ山のみえる峠にでてむこうをながめ、うすく曇った空だが剣山の頭もみえ、風もあまりないから今日は雪はないだろうとじいさんが言った。


 それが、山にはいってしかけた罠をみてまわり、めずらしく三つ目をまわっても何もかかっていないのにじいさんが、むう、とうなったとき、白いものが落ち始めた。


 五つ目の罠も空なのを見届け、猟師たちみなでつかう山小屋へむかうころに、雪は小さく軽く降っていたのが大きく重みのあるかたまりになり、この季節まだ黒い地面をのこしていたところまで、あっというまに白くぬりかえてしまったのだ。





 じいさんが小屋に置いてあったかんじきをつけると、鹿の毛皮の腰巻をとってわたしてきた。


「これを敷け。だが、眠るんじゃねえぞ。火をたやすな」


 できるか?ときかれて、うなずく。


 みのかさをつけた年寄は、もう子どもをふりかえることもなく暗くなりはじめた真っ白な外へと出て行った。





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