表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/19

黎明の空 第二話

ピッピッピと、セットした目覚ましで短い睡眠から目を覚ます。時刻は6時。


私はまず、洗面台に向かった。メイクとかは前の高校の校則で禁止なのでしたことはない。新天地、心機一転と言うことで、母に切りに行かされた髪の毛を整える。もともと、かなり長めだった髪を肩に少しかかるくらいまで切った。頭は軽くなり、整えるのも楽でいい。何よりドライヤーの時間が半分になったのが嬉しい。


真新しい制服に袖を通す。前の学校ではリボンだったが、転校先の学校はネクタイ。父にネクタイの結び方を教えてもらい、苦戦しながらもなんとか結ぶことができた。別に目が悪いわけではないが眼鏡をかけて準備完了。


母の送迎で、転校先の高校に向かった。私が元々通っていた高校とは少し規模は小さく、最近建てられた学校らしい。でも、学校の入り口には全国大会出場とかの祝幕が飾られていた。部活が有名な高校みたいだ。


生徒用ではなく、職員用の玄関から学校内に入る。出迎えてくれたのは教頭先生で、校長は不在らしいが、校長室に案内された。


「今日からよろしくお願いします。」


母が教頭先生に頭を下げる。


「はい。わかりました。」


年はいっているが、爽やかな印象。きっと女子生徒からの人気も高いだろう。そんな教頭先生は、私の方を見ていう。


「今日からよろしくね。佐藤さん。教頭の小坂です。何か困ったことがあったらなんでもいっていいから。」


私は小さな声で、「はい」と応えた。


そのあとは、詳しい校則とか、注意事項の説明だった。驚いたのは、基本的にスマホの持ち込みはO Kで授業中も使用可とのこと。調べ物はその方が早いからだとか。ただし、マナーモードにすることが条件らしい。あとは、部活は強制的に入らなければいけないということ。でも、別に幽霊部員でもいいとのこと。集団で分ける時に便利だから、強制にしていると説明された。もちろん、部費はない。


「うちの高校は私立高校だから、ちょっと特殊なカリキュラムもあるから、最初は戸惑うけど慣れればだいぶ自由に生活できると思うよ。制服も、学校に来たら体育着に着替えてもらっても構わないから。」


だいぶ自由な校風らしい。最近、問題になっているブラック校則とはかけ離れた学校みたいだ。私は、一通り話を聞き終えたら、校長室を見渡した。他の高校なら歴代の校長の写真が遺影みたいに飾られているところだが、それはなく、校長の趣味だろうか、めちゃくちゃ分厚い本が並べられていた。


「気になるかい?佐藤さんは本を読むのが好きって聞いていたから、うちの校長とは話が合うかもしれないね。ここはできてまだ、5年だから、校長も若くてね。年は私より20も若い。本が好きで、仕事そっちのけで本を読んでいることもあるくらいだから。経営者としてはとても優秀なんだけど、そこが玉に瑕でね。本が好きな佐藤さんなら、きっと話が合うと思うよ。今度、会ってみてほしいな。」


教頭先生の年齢はわからないが、見た感じ50前半くらい。30歳くらいで校長先生をやっている人がいるなんて、驚きだ。


「そろそろ時間だから行こうか。担任の先生との話もあるだろうから。」


私たちは校長室を後にして、担任の先生が待っている応接室に向かった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ