ある少年の世界秩序の端に生じたメタファー
おや、また会ったね。あれ、初対面だっけ?
ごめんね、僕は物覚えがあまり良くないんだ。
どちらにしたって君は真面目な人だね。新しいテレビとか買ったら、説明書ちゃんと呼んでから触ってみるタイプだ。
え?字が違う?ああごめんごめん、同じ発音だから紛らわしいよね。
さて、君がここに何を期待して来てくれたのかはなんとなく分かるんだけど、多分思ってたのと内容違うと思うんだ。
真面目な君のことだからちょっと混乱してるかも知れないけど、大丈夫、気にしないで。
これからやってもらうことは別に、説明が必要なほど複雑な事じゃないんだ。
それじゃ、始めようか。
よし、それじゃあそこの水晶を覗いてもらえるかな。
ほら、君達こういうの好きだろ?
そこに凡庸な青年が見えるはずだ。
彼の名前は田中奏太。
一見どこにでもいる青年だ。
身長175cm 体重72kg。ちょっと髪がだらしないが、そこはまぁ多めにみてやってくれ。
趣味は…後程紹介しよう。
君たちにしてもらいたいのは…そう、彼を見守ってもらいたい。
何せ彼の日常は甚だ忙しいんだ。
忙しい…という表現が厳密に正しいかは正直分からない。とにかく、彼の生き様を見守って…そうだな、たまにはアドバイスしてやるのも良いだろう。
そんな感じで頼むよ。
…え?意味がわからないって?まぁ、大丈夫さ。
僕はこれから用事があるし、もうここには戻らない。たぶんね。
それじゃ、よろしく頼むよ。
諸君に、テンケイノアランコトヲ。