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第38話 夜の出来事

前話のあらすじ!!


・ユーリスさんに感謝される

・何か企んでそう

・よ、よる……?


※この話には性的表現が含まれています。苦手な方はご遠慮ください。また、今回の話を読まなくても本編を読むのに影響はございません。

 ―――夜。



 それは闇夜に紛れ悪を打つ(とき)



 ―――夜。



 それは暗黒の儀式を行う聖なる(とき)



 ―――夜。



 それは二人の男女が甘い夜を過ごす性なる(とき)









 ……って!




 ちがーーーう!!!



 何言ってんだ!?俺は!



 と、とにかく!お、おお、落ち着け!!



 そう落ち着け!クールだ!クールになれ!!



 そう言いながらバクバクと鼓動をする心臓を落ち着かせ、自分の部屋のベッドに腰掛ける。



 ――この後……ここで……



 って!



 何想像してんだよ!!



 まだそうって決まったわけじゃないだろ!!



 ただ夜に俺の部屋に来るだけだろ!何を期待してんだよ!



 いや、でも、唯香は今や俺の彼女だ。だから何をしてもいいのでは……?




 …………



 いや!待て!!



 ここで無理やり唯香を襲って嫌われでもしたら……



 あああぁぁぁあ!!



 どうすればいいんだよ!!




 ―――コンコンコン



「はい?!」



 やべー、緊張しすぎて声が上ずった。すぐにドアに行き、開けると唯香がいた。



「こんばんは。入ってもいい?」



「う、うん。いいよ」



 俺の返事を聞き、唯香が部屋に入ってくる。お風呂上りなのかいい匂いがして、その白い肌が……



 って!!違う違う!!!



「そう言えばル、ルナは?」



 言ってから気付く。女性の前で他の女性の話をするってデリカシーなさすぎだろ!



 しかも部屋に入ってきた直後だぞ!これラノベ主人公とかだと「もう!信じらんない!」とか言われてビンタされるパターンじゃん!!



「疲れてたんだと思う。もう寝ちゃったよ」



 唯香は気にする素振りも見せずにそう言った。



 聞いて良かったのか?



 と、とにかくまずは座るか。お、落ち着け~、落ち着け~。



 そう自分に暗示をかけてベッドに腰掛ける。すると、その隣に唯香が座った。



 いや!そんな近くに来たら変に意識しちゃうだろ!



 匂いとか体温とか吐息とか……



 とにかくヤバイ……心臓がとんでもなくバクバクしてる。



 ど、どうするんだ!?これからどうやって!?



「ようやく……だね」



「あ、あぁ。ようやく第一の目的はクリアかな」



 Sランク冒険者のティアナさんとイクシオンの街の危機を救い、Bランク冒険者として確かな力を示し、貴族の人からの信用も得た。



【冒険者として活動し、信用を得る】という目的はこれでクリアだ。あとは王国の内情や悪いことを企んでいる貴族の情報を調べ、悪事を掴み、暴く。



「あと少し。でも、ここで油断していると俺たちのことがバレる恐れがあるからここからは今以上に慎重にいかないといけないな」



「うん……それで……私は役に立ってるのかな?」



「え?」



「今回の依頼で感じたんだ。私って二人の邪魔になってるんじゃないかなって……私が敵の攻撃を受けちゃったから春樹くんも危険な状態になって……ルナも必死で私を守ってくれて」



 唯香が凄く辛そうに、苦しそうに言う。



「ルナと仲良くなれたのは嬉しいけど……でも、私が足手まといになってたら……言って、欲しいな」



 不安になっているんだ。今回の依頼でミスラスの攻撃を受けてピンチに陥る状況を作ったことに対して。



 だったら、それを払拭してあげないと。唯香はゴーレムとの戦いのときに俺を助けてくれたんだ。だから、今度は俺が……



「大丈夫だよ。唯香には凄く助けられてる」



「…………ほんと?」



「うん。ほんと。パーティーにおいて回復・支援が行える人がいるっていうことがどれほど戦いに影響を及ぼすか……」



 ゲームなんかでのパーティーには回復役はほぼ必須だ。ヒーラーがいるだけでメンバーは安心して敵に攻撃を行えるし、バフ・デバフがあれば自分たちより強い相手にも優位に立ち回れる。



「唯香が毎回支援を行ってくれているから安全に敵を倒せているんだ。俺やルナが強く見えているのは唯香のおかげなんだよ」



「でも、支援や回復は春樹くんも出来るよね」



 まぁ、《妄想再現》でスキルを再現できるからな。



「うん。でも、そうなると俺が攻撃出来る機会が少なくなっちゃう。そうなると倒せない敵も出てくる。俺が攻撃に集中できているのは、間違いなく唯香のおかげなんだ」



「そう、なんだ」



「うん。だから……ありがとう。唯香。いつも助かってるよ」



 そう言って唯香の頭を撫でる。ゆっくりと優しく、感謝を込めて……



「―――っ!!」



 顔を赤くしながらも嬉しそうに俺の方に体を預けてくる。しばらくそんな幸せな時間が経過した。



「……ありがとう!春樹くん!なんか元気出た!」



「どういたしまして」



「じゃぁ……もう行くね」



 幸せな空間の中、これからのことを考えていた時に唯香からお別れの言葉を聞いてマヌケな顔をしてしまった。





 …………



「……え?」



 そして、そんなマヌケな声を出してしまった。



「え?」



 唯香からきょとんとした返事を聞き、気付く。



「あっ!いや……」



 なんだよ!部屋に来たいってこれを相談するためだったのかよ!ものすっごい期待しちゃったじゃん!!



「……え?あっ!えっと……もしかして期待しちゃった……?」



 俺が思っていたことを唯香は理解したようだ。顔を赤くし、そう言う。それを聞き俺も顔を赤くする。



 いや!仕方ないじゃん!!



 俺だって健全な男子高校生だぞ!!好きな人とそういうことをしたいって思うのは当然じゃん!!



 今までは王国のことがあったからなるべくそういうことを避けてきたけど、一歩進展したし……さ。付き合ってもう二ヵ月になるんだし、そろそろ……



「……いよ」



「え?」



「いいよ……その~、春樹くんがしたいなら……」



 いいのか……?本当に?



「い、いいの?」



「う、うん」



 顔を赤くしながらそう言う唯香を見て我慢できなくなった俺はゆっくりと近付き、キスをする。



「……んっ」



 凄く柔らかくて暖かくて気持ちい。しばらく普通のキスをした後、一度唇を離し、もう一度キス。今度は口を少し開け、舌を唯香の口内に侵入させる。



「……はぁ、んぁ」



 そんな色っぽい声が唯香から出てくる。



 やばい……めっちゃドキドキする。



 今までキスはしたことあるけど、ここまでドキドキしたことはない。もう、唯香のことしか考えられなくなる。



 キスをしたまま右手を唯香の左肩に、左手を右手で握って唯香をそっと押し倒す。



 ベッドに倒れこむと一旦キスを止めるために唇を離す。



「はぁ……はぁ……」



 唯香がトロンとした表情で俺を見る。



 やばい、めっちゃ可愛い。



「はるき、くん」



 握っている手をぎゅっとしてきてそう呟く唯香。心臓が飛び出しそうなくらいドキドキする。



 触りたい。



 唯香をもっと触りたい。



 そんな感情が俺を支配する。



「さわって、いい?」



「うん……」



 唯香の返事を聞き、右手を唯香の胸に持っていく。



 やばい……手が震えてる。



 好きな女の子の胸を触る。今までそんな出来事に出くわしたことないからめちゃくちゃ緊張してる。



 でも、触りたい。



 震える手で胸を触り、揉む。



「あっ、やぅ」



 感触は柔らかい……のかは服の上から、しかも下着もつけているから正直分りずらい。でも、胸を揉んでいるというこの光景、そして唯香の声でさらに興奮してくる。



 もっと……触りたい。



 唯香が寝間着として着用している服のファスナーを下におろし、インナーを捲り上げる。すると、綺麗なお腹が現れた。



 優しくお腹に手を置き、撫でる。



「ふぁっ」



 柔らかく、すべすべしたお腹。唯香の体温が手から俺に伝わる。さっきよりかも温かいな。



 そのまま手を上に。膨らんでいる部分に手を置く。



 バクバクと心臓が鼓動する。ついに唯香のおっぱいに直に触れるんだ。



 ブラジャーの中に手を入れ、優しく触り、揉む。



「んっ……ぁ……ふぁ……あっ」



 柔らかい。凄く柔らかい。



 すべすべで弾力があって触り心地がいい。



 ずっと触っていたい。



 しばらく触っているとおっぱいの中心に硬いものがあるのに気が付いた。



 俺はその部分を摘まむ。



「ふぁ!」



 唯香の体がビクンとしてひときわ大きな声が出た。でも、それは拒絶している声ではなく快楽の声。



「あっ……はぁ……」



 やばい……俺も……



「唯香。その、俺も触って欲しい……」



「えっ……?」



 唯香に触りたい。そして触って欲しい。



 だから……



「触って……」



「う、うん」



 そう言い、唯香が手を俺の下腹部へと近付ける。



 そして、触る。



 ―――モニュ



「っ……」



 ズボン越しだから手の感触は分からない。でも、自分じゃない手。唯香の綺麗で柔らかい手で触られているのかと思うと凄いドキドキする。



「はぁ……はぁ……」



「あっ……はぁ……あぁ」



 お互いに触っている部分を揉み続ける。



 これから先に進んで……そして、唯香とエッチするんだよな。



 そう思うと緊張と不安が押し寄せる。が、したい。



 唯香とエッチしたい。



 そう思った時、唯香が異変に気が付いた。



「あ、あれ……」



「…………え?」



 そして俺も遅れて気付く。



 そう、俺のアレが大きくなってないんだ。



 いや、その表現は適切じゃない。正確には少し大きくなっている状態。いわゆる半立ちの状態。



 普通好きな女の子の胸を揉んで触られている状態だとすぐに大きくなる。でも大きくなるどころか、唯香が触るのを止めた途端、急激に萎んでいく。



 ―――あ、あれ……



「え、え~っと。もしかして私下手かな……それとも魅力がない?」



「ち、違う!そんなことない!めちゃくちゃ気持ちよかったし、興奮してる」



 けど、肝心のアレが大きくならない。



 凄く微妙な空気が俺たちを支配する。



「えっと、今日はここまでにしない?明日も早くに起きなきゃいけないから私も春樹くんも早く寝た方がいいと思うし……ね?」



「う、うん……ごめん」



「ううん。私は大丈夫。また、今度続きしよ」



 そう言い、唯香は服装を整えて、ドアの方へと向かう。



「じゃぁ、おやすみ」



「おやすみ」



 唯香が部屋から出て行ったあと俺は膝から崩れ落ちた。




 ―――あああああ!!!やっちゃったーーーー!!!



 なんで立たなかったんだよ!!!なんで大きくならなかったんだよ!!!



 せっかくのチャンスだったのに!!!



 こうして俺の初体験は失敗に終わった……














 ―――パタンッ



 と、私は部屋に戻ってきて扉を閉め、座り込み、思ったことは、



 ―――あああああ!!やっちゃったーーーー!!!



 ということ。



 微妙な雰囲気になったときに急に恥ずかしくなり、慌てて部屋を出てしまった。あんな急に出て行って怒った、呆れられたとか思われちゃったかな。




 あああ~。あの時、もう少しだけしようって言えば良かったかな~。



 でも、春樹くんにエッチな女の子だって思われたくないし~。



 私だって好きな人とそういうことをしたい。エッチをしたいって思うのは男の子だけじゃない。



 でも、春樹くんのアレ、大きくなってなかったし……



 私って魅力ないのかな?



 そんなことないよね?だって胸も平均以上はあるし……



 そう言って自分の胸に手を当てる。すると、思い出してしまった。春樹くんに触られた時のことを。



「―――っ!!」



 凄く気持ちが良かった。好きな人に触られるのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。



 スッと手をそのまま下に持っていき、ズボンに手を入れパンツを触る。



(やだ……めちゃくちゃ濡れてる……)



 こんな状態じゃ寝れない。でも、春樹くんの部屋に行くのは今日は無理。



 あ~、どうしよう……



 この後、どうしたかは私からは言いません。絶対に言わないからね!!

緊張しすぎると立たないよね……うん、春樹どんまい……

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