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第34話 依頼の内容

前話のあらすじ!!


・Bランクモンスターは敵ではない!

・貴族からの初依頼!

・よ、よんだいきぞく!?

 ……え?どういうこと?



 四大貴族への推薦!?



 なんで!?



 俺たちが勇者だってバレてるの!?



 その時、不意にジダンさんが言っていたことを思い出した。



『貴族には気を付けるんじゃ』



 という一言だ。



 これは罠……なのか?



 罠だとしてそれは俺たちが勇者だと確信して言っているのか?




 それとも鎌をかけているのか?




 いや。そもそも俺たちが勇者だと知られていたとしても、なんで四大貴族のことが出てくるんだ?王国が何かを企んでいることを知っている人は少ないし、そこに四大貴族が絡んでいるということは推測でしかない。



 俺はユーリスさんの顔を覗き込む。しかし、その表情はさっきまでと変わらない。優し気な笑みを浮かべているだけだ。



 何か裏があるのか……?



 俺がそう考えていると隣にいたルナが小声で声をかけてきた。



(あの、この人は嘘は言っていないし、信頼していいと思います)

(そうなの?)

(はい……分かるんです。私のスキルで……)



 スキルで分かるというなら本当なんだろうけど……



 とりあえず依頼の内容を聞いてみるか。



「依頼の詳しい内容を聞いてもいいですか?」



「ああ、もちろんいいよ。その鉱山は様々な鉱石が採取できることで有名だったんだけど、五年前の魔王復活の際に辺りにモンスターが蔓延ってしまって採取が中々出来ない状況になってしまった。だから基本的に冒険者に依頼し、採取してもらっているんだけど、ある冒険者が鉱山の奥で奇妙なモンスターを発見した。そのモンスターは鉱石を食べていたらしいんだ」



「え!?鉱石を?」



「ああ。そのモンスターの名前は『ミスラス』。鉱石を食べることで自分の力にし、新たに鉱石を生み出すことができるらしい。ある冒険者がそのモンスターが生み出した鉱石の一部を持ち帰り、調べたところ特殊な鉱石であることが分かった。今回の依頼はそのミスラスを討伐し、鉱石の入手。または倒せなくても鉱石を入手してくれればいいよ」



 なるほど。そういことか。



 オリハルコンやアダマンタイトを取ってきてくれって言われるよりいいけど、ただ鉱石を食べるモンスター、ミスラス……か。



 そんなモンスターはその鉱石の力を取り込んでいたり、めちゃくちゃなほどの防御力を持っていたりするっていうのが定番なんだよな。



 でも、別にそのモンスターを倒す必要はない。鉱石を取ってくればいいだけだ



「分かりました。その依頼を受けます。ただし、報酬の方の要求はこの依頼を達成してからお伝えします」



 こう言っといた方がいいかな?貴族に興味があることを透かしてしまうよりかは曖昧にしておいた方がいい。



「分かった。じゃあ、よろしく頼むね」



 話は終了し、俺たちはさっそく東にある鉱山に出発した。


















 イクシオンの街を出てから一時間ほどが経過し、荒野から景色が変わりどんどん岩肌が露出してきた。



 そう言えばユーリスさんのことをルナは嘘をついていない、信じていいって言ってたけどそれはルナのスキルの《感知》か《感情感覚》の力なのかな?聞いてみるか……



「ルナ。ユーリスさんが嘘をついてないって言ってたけど、それはスキルで分かったのか?」



「はい。私のスキルの《感情感覚》は相手の感情を感じ取ることができるスキルです。それにより相手が嘘をついているのか、悪い考えを抱いているのかが分かります」



 なるほどな、そういうことか。



「あの方が何を考えているのか詳しくは分かりませんけど、少なくとも悪い人ではないのは分かります」



「詳しくは分からないか……ミスラスの鉱石を使って何をするんだろうな」



「う~ん……普通に考えて武具や魔道具を作る、とかかな?」



「普通に考えるとそうだけど、わざわざ貴族がその素材を入手するために動くかな」



「珍しい鉱石なんですよね?なら、収集目的とか?」



「それもあり得るな……」



 コレクターとかだったら何としてでも手に入れたいと思うだろうし。



 とにかく今まではゲームやラノベ、中二病時代の知識が役に立ったけど今回のミスラスと言うモンスターは全く知らないモンスター。



 《妄想再現》で何を再現したらいいのか。どんな支援や耐性をつけたらいいのかしっかり考えないとな。




 現在の俺の装備は、


【黒竜の剣】

 効果:《炎属性攻撃強化》《斬撃攻撃威力上昇》《切れ味向上》


【黒竜のコート】

 効果:《炎熱耐性》《斬撃耐性》《低威力攻撃無効》


【黒竜のズボン】

 効果:《睡眠耐性》《麻痺耐性》《毒耐性》




 で、唯香の装備は、


【黒竜の杖】

 効果:《火属性魔法攻撃強化》《魔法威力増加》《魔力消費削減》


【黒竜のローブ】

 効果:《炎熱耐性》《風属性耐性》《低威力攻撃無効》


【黒竜のショートパンツ】

 効果:《混乱耐性》《麻痺耐性》《毒耐性》




 最後にルナの装備は、


【黒竜の爪】

 効果:《爪攻撃威力上昇》《素早さ上昇》《刺突攻撃上昇》


【黒竜のローブ】

 効果:《炎熱耐性》《風属性耐性》《低威力攻撃無効》


【黒竜のショートパンツ】

 効果:《混乱耐性》《麻痺耐性》《毒耐性》




 お、おう……



 さすが黒竜の装備。改めて見ると付いている効果が凄いな。



 ともかくこれを軸にしながら考える。



(相手は鉱石を食べて力を蓄えているモンスター。恐らくゴーレムなんかと同じで斬撃が利きにくいんだろうな。だけど……ミスラスなんて名前がついているモンスターなら……)



「あっ!見えてきましたよ」



 俺がそう考えているとルナが目的の鉱山に着いたことを知らせてくれた。目の前にはむき出しの岩々からなる大きな山。その中を人が通れるように舗装されているのがここからでもわかる。



 ここが通称「灰色の鉱山」か。



「よし!行くか!」


「うん!」「はい!」



 俺たちは貴族、パープルトーン家当主からの依頼を達成するために鉱山の中に入った。

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