表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
63/101

63

「白魔術師のレイロック……だと?」


『ええ』


「白魔術師」とは、結界などの防護魔法や、治癒魔法を得意とする魔術師達、広義では、神官や司祭なども含めた者たちの総称である。


そして「レイロック」とは、先日フィンの首都ヨルムを混乱に陥れた、死人の扱いに長けた、闇魔術師である。


つまるところ、この闇の魔術師は、経歴詐称をしてガロンに接触を試みてきたというわけだ。


『このような吹雪の中、わざわざ連絡をとらせていただいたのは、ぜひあなたにご助力したいと思いましたからで』


「俺に??」


怪訝な顔で応じたガロンだったが、どうやら自分に危害が加えられることがないとわかり、先ほどよりは警戒を薄めた様子だ。


『ええ、実はかねがねあなたの事は存じていましてね。機会を見て、お会いしようと思っていたのですよ』


「………会ってどうするつもりだったんだ??」


『いやぁ、私は道楽で、あなたのような「夢」をお持ちの方の支援をしておりましてね。これをお渡ししたいなと思っていたのですよ』


レイロックの言葉が終わると同時に、カラスの首がガクガクと震え始めたかと思うと、その口から何か黒い玉のようなものが吐き出された。


「これは……何なんだ??」


『私たち白魔術師に伝わる強力な呪的アイテム……これを身につけることにより、おそらくあなたの失いかけた「夢」を今一度とり戻し、新たな人生を歩む事ができるでしょう』


「何だと??」


ガロンもそれなりにはしたたかな男だ。

目の前に転がっている玉をうさんくさそうに見ると、そのまま嫌疑の表情をレイロックと名乗る鳥の方へと向けた。


『もちろん、無理にとは申しません。これをお持ちになるかはあなた次第』


疑いの目などわかっていたとばかりに、カラスの口が能弁に動く。


『それでは、私はこれにて失礼いたします。私の慈善事業をこころよく思ってない連中も多いので、長居は禁物でしてな』


「おい、ちょっと待ー」


『では失礼…』


「おい!!待て!!」


『…………』


ガロンの呼びかけもむなしく、カラスの首はコトリと机の上に倒れ、もはや全く動いたりしゃべったりする事はないようだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ