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ミミが開いた青い扉の裏側には、やはり赤い扉と同じ様に文字が刻まれていた。


下に降りたフェルナンドがそれを読み上げると、一同の顔には驚きが走った。


そこには、以下のような一文が刻まれていたのだ。


『青き鍵、第二の鍵。始まりの湯の底を開くもの。ユガルタ深くへと続く扉を守る鍵』


「……………」


ユガルタの迷宮……その入口付近を調査した学者達の説によれば、建造されてから千年は経過しているという。


温泉魔導師ロジ・マジによって、雪妖ヴィシュメイガが、迷宮の最下層に封印されたという言い伝えが、三百年前の話である。


それ以前のユガルタがどのような場所であったか、今や知るものは誰もいない。


正確に言えば、長命な大魔導師の中には、把握しているものがいるのかもしれないが、そのような者達は、もはやあまり現世との接点を持ってはいないだろう。


先出の学者たちからは、何かの墓所ではないのか、いや魔界の入口があるのではないか、など諸説が飛び交っていたが、いかんせん、迷宮の中に入れない以上、どれも決め手に欠ける空論にすぎなかった。


「何はともあれ、さすがにこの先は危険そうですよね…」


ブランの言葉に、答えられる者はいない。


「とりあえず、一度ロビーにー」


ポッテヌが言いかけたその時である!!


「た、た、た、助けてください!!」


黒い礼服を着た中年男性が、ブラン達のいる部屋に転がりこんできた!!


「ミックさん!!」


ちょうど、梯子を登り浴槽から顔を出したミミが声を上げる。


その男が、先ほど湯〜ゲルンに逃げ込んだ時、ニコライの周りにいた使用人の一人であることを、ブランは思い出した。


男は、恐怖に満ちた表情のまま、一番近くにいたポッテヌにとりすがった。


「ロ、ロビーに魔物がっ!!旦那様がぁ!!」


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