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 「足手まといにはなるなよ」

 魔法師団の見習いとしての仕事に駆り出される事になった私である。目の前には冷たい表情を浮かべた少年一人……。

 名前はジーンス・タチーク。

 私の同期の中でも攻撃魔法の使い手としてちょっと有名な男の子である。

 さらさらとした青い髪を持つ、ショタである。年は私と同じ年なんだけど、正直年下にしか見えない。そして美しい。なんだろう、美しいショタって可愛いよね。もう美少年も大好きな私としては遠くから眺めていたい。

 正直美しい人たちの事は、かかわるよりも眺めていたい私なのだけれども、魔法師団に入団して、同期として働かなければならないわけでそうもいっていられない。

 それにしても相変わらずコネ入団した駄目な奴って評価が覆らない悲しい事情。入団して一か月しか経ってない状況だと見習いとしてしか仕事がないし、本当私の大得意な暗躍系の仕事がないんだよー!

 そもそも私の得意な魔法って、あんまり目立たないんだもん。攻撃魔法とかだとこう、がっと一発でわかるし派手だけどさー、そういうのは元日本人の身としてあんまり得意じゃないし。

 それにしてもタチークさん、凄い綺麗。こんなに綺麗な男の子がいるとか、流石乙女ゲームの世界だよね。って改めて思うよ。この世界って顔面偏差値が妙に高い人多いんだよ。見ている分にはすばらしくてニヤニヤが止まらないけれど。

 「……聞いているのか? ノーヴィス」

 「あ、はい。頑張ります!」

 観察対象に含めたいぐらいの綺麗さに思わず固まってしまって、慌てて答える。

 タチークさんがこいつ大丈夫かって目を向けてくる。ああ、また失敗した。此処でもう少ししゃきっとしとけば周りからの評価も少し変わる気もするのだけど、正直観察対象に出来そうな子とか見るとテンションがおかしくなっちゃうんだよね。だって綺麗なショタだよ? 年下にしか見えない綺麗な男の子とか、観察してニヤニヤしたい。

 ちなみに私とタチークさんが二人で何をするかというと、見回り。王都の中を見て回るの。まだ入団してそんなに立ってないから王都内の見回りなんだけど、そのうち魔物の討伐とかにもいかなきゃになるんだって。ヴァルが言ってた。

 それにしてもあれだよね。こんなきれいな男の子と一緒に見回り当番とか、益々お姉様方とかに距離を置かれそうだよ! ただでさえ、ヴァルと仲良くしているからって遠巻きにされているのになんという不運。自分の不運を呪いたいよぉお。

 思わず頭を抱えたくなるけれど、そんなことするとまた変な奴だって目で見られちゃうから一生懸命しゃきっとした表情を目指して、タチークさんの後ろをついていく。

 魔法師団の制服を身にまとって、王都の中を歩いているとそれなりに注目される。魔法師団って、一種のエリートだからね。ああ、私がエリートの魔法師団に入団とか本当全然考えてなかったのになぁ……学生時代は。

 王都は比較的に治安が良いのだけど、裏通りもあって、そっちは少し治安が悪いの。そこも含めて見回りをするから少し気合いを入れなきゃなんだよね。まぁ、魔法師団の制服着ている存在を襲ったりとかはまず少しでも頭が働ければ皆しないけれど。

 タチークさんを追いかけて歩いているわけだけど、私とタチークさんの間には会話は一切ありません! 元々タチークさんが無口って噂だし、私みたいなコネ入団って噂されている人と喋る気もないのだろうと思うと悲しくなってくるよ! ああ、でもあれだよね、こういう無口な人って、特別な人の前では一生懸命喋ったりするんだよね。ああ、そういう展開とか大好き! もうタチークさん、すっごい観察したくなってきた。観察して、無口な美形ショタが心を許していく様を見たい。超見たい。

 うーん、でも観察していたら優秀なタチークさんにはばれちゃうかな? でも見たいなぁ。そういう展開凄く見たい。魔法師団に入ってから観察対象を何人か探しはしたけれど、流石にばれちゃうかなとか色々考えてあんまり観察できてないんだよね。そもそも新人で色々覚える事もやることも多いからあんまり暇ないしね!

 そんな事を考えながらタチークさんについていく。じーっとタチークさんを見る。見回りの担当が同じだから、至近距離で見ていられるっていうのはいいよね。正直私としてはこんな至近距離ではなくて、遠くからじっと、かかわらずに見つめていたいって思うのだけど。

 「……なんだ」

 「なんでもないです!」

 おおっと、見つめすぎてしまったらしい。怪訝な顔して見られちゃっているよ! でもそういう顔でも様になっているのは流石美少年。綺麗な顔立ちしている人ってどんな表情していても様になるよね。

 タチークさんは私の言葉に「そうか」とつぶやいてまた前を向いた。

 あんまり見つめすぎないようにしなければなぁ。変な子だって思われてしまうからね。

 そんなこんなで観察しすぎないぐらいちらちらみながらついていった。

 何も起こらず平和だといいなぁと思っていたのだけれども、

 「ひったくりよ!! 誰か捕まえて!」

 ひったくりに遭遇してしまった。

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