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「タチークさん、どうしたんですか?」

 私は隠密魔法を使っているにもかかわらずタチークさんに話しかけられたことに驚いてしまった。もしかしたら今まで誰にも悟られずに移動出来ていると思っていたけれど、タチークさんには私の居場所が悟られていたのだろうか。

 それにしてもタチークさんは相変わらず綺麗な顔をしている。美しい青髪のショタっ子。そんな人が目の前にいると思うと、落ち着かなくなるよね。美男美女は観察対象で目の前にいる対象だってイメージは全くないから余計に落ち着かない。

「というか、私が隠密魔法を使っているのによく分かりましたね?」

 隠密魔法は私の得意技で、タチークさんにこんな風に見つかるとは思わなかったのだけど……とちょっとショックを受けてしまう。

「ああ。ノーヴィスのことを探していた」

「私のことを?」

 私のことをタチークさんが探していたということに驚く。

 タチークさんから探されてしまうなんて、私は美形ショタっ子の機嫌を損ねてしまうようなことを何かやらかしてしまったのだろうか。タチークさんは真面目な人だし、私が気づかないうちに何かを起こしてしまったということは十分にありえる。

 私は背景で、私はモブで、私は脇役!! だというのに主役級の美しい顔を持ち合わせているタチークさんの機嫌を損ねてしまうようなことをやってしまうなんて……!! とそんな気分になる。

「タチークさん!! 私、何かしましたか? タチークさんが探しに来たってことは私、何か粗相を起こしてしまったってことですよね!?」

「いや、なんでそうなる」

 私が確信したように叫べば、タチークさんは呆れたようにそんなことを言う。呆れ顔も美形は得だよね。どんな表情でさえも綺麗なんだもん。

「え、違うんですか?」

 なら、どうしてタチークさんがわざわざ私を探しに来るのだろうか。タチークさんにとってみれば、私はその他大勢だと思うのだけど……。

 そんな私をタチークさんが探しに来るというのが意味が分からない。

「――何で、そういうことでしかノーヴィスを探さないと思うんだよ」

「え、だってそういうことでしかタチークさんが私を探すことなんてないと思ったから」

 私がそう言えば、なぜか溜息を吐かれた。私はまた何かをしてしまったのだろうか。……タチークさんに嫌われたらちょっと嫌だな。美男美女は笑っている方が絶対良いもん。まぁ、怒れるタチークさんもきっと美しいけど!!

「ノーヴィスは何処に行こうとしていたんだ?」

「ヴァルのところです」

 そう答えたらタチークさんの目が細まる。なんだか、今日のタチークさんは少しだけ様子が変だ。何かあったのだろうか。

 というか、そうそう、縁談が来たことをヴァルに相談しないといけないのだ。タチークさんに呼び止められて、頭から消えていたけれど……縁談の事を思い浮かべて頭が痛くなってしまう。私はそういう悩みとは無関係に入れると思っていたんだけどなぁ。

 そんな風に思いながらタチークさんを見る。タチークさんは何の用事で私を呼び止めたのだろうか。

「……なぁ、ノーヴィス」

「なんですか?」

 タチークさんは意を決したように私の目を真っ直ぐに見て、私のことを呼ぶ。タチークさんは真剣な表情も良いね。眼服眼服と、ほくほくとした気持ちになる。

「実家から手紙が届いていたんだろ。縁談について書いていなかったか?」

「え、なんでタチークさんがそのことを?」

 タチークさんは私の元へ手紙が来ていたことを知っていたらしい。でも何でそこに書かれていることが縁談が来ているという話だと分かったのだろうか。

 まさか、タチークさんはエスパーか何かなのだろうか。それとも頭が良いからそういう想像が出来たのか。

 綺麗な顔をしたショタっ子で、加えてこれだけ有能とか、本当にタチークさんってヒーローの素質あると思う。誰か可愛い子か綺麗な子か、そういうヒロイン見つけていちゃいちゃしてほしい。タチークさんはいちゃいちゃしている時にはどんな表情を浮かべるんだろうね?

 私はそんなことを考えると、タチークさんが恋人を作った時が楽しみになった。タチークさんが恋人を作ったら是非とも観察したい。同僚として紹介されちゃったりしてっも楽しそうだよね。うんうん、妄想が広がる。

 そんな妄想をして縁談が来たという事実に対する現実逃避をしていた私に、タチークさんは驚くべきことを口にした。

「俺も、ノーヴィスに縁談を申し込んだからだ」

「What?」

「は?」

「ああああ、ごめんなさい。え? 今なんて? 私の耳が悪くなったのでしょうか、タチークさんが私に対して縁談を申し込んだって聞こえたんですけど?」

 思わず地球での言葉を口にしてしまって、タチークさんには怪訝な顔をされてしまった。

 それにしても私の耳が悪くなったのかな? タチークさんが私に縁談を申し込んだとか聞こえてきたんだけど。ありえないよね? 美形ショタっ子で魔法師団に入団出来るような将来有望な美しいタチークさんが私に縁談を申し込むとかありえないよね?

 うんうん、私の聞き間違い――、

「いや、聞き間違いじゃない。俺はノーヴィスに縁談を申し込んだ」

 ……って思おうとしているのに断言された!!






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