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「よし、終わったー!!」
「お疲れ様、ヴィー」
ちゃちゃっと相手をどうにかするために行動した私は、全員拘束し終わると隠密魔法を切った。ちなみにヴァルは私が何かやっているかというのが分かっていたからか、私が隠密魔法を切るとすぐにお疲れ様といってくれた。
ヴァルも私のこと、完全に知覚出来たわけではないと思うのだけど、それでも私のことを平然と受け入れて、それが流石だなと思う。
急に隠密魔法を解いた私に対して、ヴァル以外の人たちは驚いた様子を浮かべていた。
「……こ、これは君がやったのか?」
「はい。私がやらせていただきました。魔力を感知することが出来たので」
「そうか……。とても助かった。ここで君たちの誰かが亡くなるということがあれば国際問題に発展していたからだろうからな」
そんなことを言われて、確かにそうだよなーと、どうにか出来てほっとした。
国際問題になったりしたらややこしいもん。私は元日本人としてもっと平和的になんでも解決したいと思うから。
それにしても本当にヴァルに何もなくて良かった。私が一番安心しているのは、ヴァルが無事でいたことだ。私がこの場に居なくても、ヴァルは危険な目に遭わなかったかもしれないけれど私が幼馴染の危険をどうにかできたと思うと本当に良かった。
「今回はどうにかなったが、我が国と友好関係を築きたいというのならば開戦派をきちんとどうにかしてほしい」
「……言われるまでもない」
「この捕らえた連中への尋問にはこちらの国の者を参加させてほしいのだが。そちらの国では、開戦派がどれだけ入り込んでいるかも分からないだろう」
ヴァルが言う事も尤もだと思う。こういう交渉の場でさえ開戦派が入り込んでいるぐらいだもんね。それだけ開戦派の力が強いということだろうし。戦争反対派の勢力がどれだけいるのかもこちらからは分からないし。
というか、本当にややこしい問題だと思う。国家間の問題とか色んな人がいるから。私はぶっちゃけそういう問題に対しては弱い。だからこそ、大人しく国際問題についても考えてくれているヴァルに任せておこうと思う。
ヴァルが話を続けている間、私は手持無沙汰になりながら、周りに対して魔力を練る。捕らえた連中は魔法を使えないようにしているから大人しくはしているけれど……、他に人がいたりしないよね? というか、この人たちってどういう情報を持っているのだろうか。
というか、開戦派ってそもそも開戦して何を望んでいるのだろうか。混乱を望んでいるのか、開戦することによって何か開戦派に得なことがあるんだろうけど。
平和な方がいいなーって思っている私にはさっぱり分からないけど色んな人がいるもんなぁ。
さてそんなことを考えている間に、ヴァルの話が終わったらしい。
一先ず、捕らえた連中の尋問には魔法師団からも人をやるらしいけど、それは一度国に戻ってから魔法師団の上の人たちに連絡してから決めるんだって。そんな風に言っていた。
まぁ、隣国の人たちもすぐに捕らえた連中を移送したりするような人員がいないみたいだ。なので、その人員が到着するまでだけ私たちの滞在時間も伸びてしまったけどね……。私はさっさと帰りたかったのだけど、このまま折角捕らえた人たちがまた自由の身になったら困るし。
うー、でも私って荒事嫌いなんだよね。魔法師団に所属しておきながらこんなに臆病なのはどうかなーとは自分でも思うのだけど、臆病なのは慎重だってことではあるんだけどさー。
さっさと帰ってのんびりしたいけれど、捕らえた連中が逃げ出して開戦しても困るんだよね。私は荒事は嫌いだけど、もっと大きな荒事に繋がるなら些細なことぐらいなら我慢してでも頑張ろうと思う。
「ねぇ、ヴァル、戦争にはならないよね?」
戦争なんて正直嫌だ。人が死ぬと思うだけでも恐ろしくて、そんな恐ろしいことが起こるのだと思うと身震いがする。私は魔法師団の所属だから、もし戦争になったら否が応でも戦争に参加しなければならない。
だって私は魔法師団所属で、民間人の盾と剣にならなければならないのだから。
「ヴィーの活躍は無駄にならない。少なくとも戦争を開戦するのを引き延ばしは出来た。ただまだまだ隣国の開戦派の勢力は衰えてはいないだろう。ただここからはあっちがどれだけその勢力を衰えさせるかだろうな」
「あー……隣国のことだしね」
隣国のことだからこそ、私たちではどうにもできないことがあるのだろう。ややこしいなという気持ちを感じながら、ヴァルと会話を交わすのだった。
その後、隣国の増員の人たちが来たあと、魔法師団の本部に帰ることになった。




