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 「はぁ、今日もなじめないぃいいいい」

 寮の自室の中で、思わず私は叫んでしまった。

 防音になっているから、外には聞こえないけれども寮で叫ぶ変な人みたいになっている気がする。なじめないのが辛い。

 魔法師団での仕事はちゃっちゃっとやっているけれどさ、仕事は順調だけどさ、その中で人間関係が順調じゃないって……、仲良くできないのが悲しいよ! 

 一緒に働く仲間に距離置かれているってなんともいえない寂しさがあるよね! 働く上でさ、人間関係って重要だって私は今すっごく実感しているよ。

 何かを達成できたとしても誰とも喜びを共有できないとかなんだよ!

 食事も一人でさびしく食べるんだよ!

 職場っていう、社会人にとって長時間過ごす場所で一人で過ごすって辛いんだよ!

 うがああああああ、仕事は楽しいんだよぉお。魔法とか前世でなかったものについての仕事とか、すごくわくわくするんだよぉおお。でも、でも! ぼっちは辛い。

 ヴァルと一緒にいるっていうのもひとつの手だけどさ、ヴァルと私じゃ立場違うしさ、しかもヴァルと一緒に過ごすとか絶対に今のぼっちが悪化する! そもそもそれって根本的な解決になってないし。

 魔法師団のローブを脱ぎ捨てて、ベッドの上に寝転がる。

「……私は魔法師団のみんなと仲良くしたいんだけどなぁ」

 というか、好んでぼっちになろうとする人なんていないと思う。少なくとも私は「一人で生きて生きたいの」というようなことはないし、「人といると疲れる」とかそんなのもないし、どちらかというと人と話すのはすきなのだ。

 それがほとんど人と絡めない……! ぼっちとか悲しい。悲しすぎる。

 この問題は私的に早急に解決すべき重要な問題なのだ。命にかかわるとかではないじゃないかといわれるかもしれないが、私は今の状況が嫌だ。どうしても嫌だ。というか、嫌過ぎる。うん。だから解決しなければならないのだ。

 とはいえ、解決するためにどうするべきか。

 ヴァルは……正直ヴァルにかかわらせるとますます状況は悪化することは間違いなしだろう。私も馬鹿じゃないからそれくらいわかる。だから、ヴァルに手伝ってもらうというのは愚策。やっぱ、自分自身でどうにかするしかないのだけど……。

 手っ取り早くは、私がコネで入ってないんだよーって証明することだけど……。

 正直私の得意分野は裏方の魔法だ。こそこそとすることは大好きだ。乙女ゲームを鑑賞するためにと磨きまくったため、そういう点に関しては自分でも自信がある。だけど、正直入ってばかりの魔法を使った実技とかでは、私が得意な分野はあまりないのだ。そもそも入ってすぐなので、危険な仕事もそこまで回されてこないし……。実戦でならまだそういう魔法使いやすいんだけどなぁ。

 あと私そういう魔法は得意だけど、攻撃系の魔法とかそこまで得意なわけでもないし、それもあって余計にコネって見られているんだよね。

 うがあああああ、話しかけてもスルーされたりもするし。虐めか! 私にやめてほしいーって思っている悪意がビシビシ伝わってくる……。

 いや、まぁ確かに、私もコネで入ってきたって感じの人いたら嫌な気持ちにもなるけどさー。というか、前世でも権力に物を言わせた人って破滅する物語が多かったしさ、嫌われるのもわかるけどさ。でも悲しいんだよ!

 ベッドの上でばたばたしてしまう。

 なんだか、人間関係がうまくいかなくて最近ストレス発散に寮部屋でいつも叫んでしまう! ここが防音で本当によかったよ! 防音じゃなかったら部屋で叫び声を上げる変な人だってまた距離置かれてたよ!

 それにしてもどうするべきかなーと今度は枕を抱きしめてごろごろする。

 「んー、実力を見せるなら誰もいないと思われた場所から出現してみるとか? でもいきなり現れて話しかけてくるとか不審者? うぅう、逆に距離を置かれそうだ」

 正直気づかれないように背後から何かをするとか、そういう方法はできるけど。いきなりそんなことしてもおかしいし。向こうは私を嫌っていたり、コネかよって目で見ていても私は少なくとも仲良くしたいと思っているしなぁ。

 よっぽどアレな人ならともかく、別に悪い人たちではないんだよね。観察している限り。そう、観察はしているの。仲良くするためには、その人を知るべきだろうと思って。同期の人たちを知っていこうと……でもこれすごいストーカーっぽい。

 好きな食べ物とかも把握しだしたけど、いきなりそれについて話ふっても明らかに何で知っているのって感じだよ。しかも、引かれそうだよ。

 ……んー、少しずつでいいから仲良くできたらいいんだけどなぁ。

 などと私は考えながら相変わらずベッドの上でばたばたするのだった。

 ぼっち脱却への道は長いようでため息が出た。




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