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12/29 二話目
あのラーちゃんを助け出した後、私の環境は変わってしまった。
というのも、あの女性を尋問した末、色んな情報が見えてきた。隣国で戦争を起こしたいと行動している開戦派にあの女性は所属しているらしい。口が硬そうな女性からどんなふうに情報を聞き出したのかは分からないが、そのあたりは流石魔法師団の尋問係というべきか。
攫われていった魔法師団の団員はその魔力を魔法実験に使われているんだとか。人体実験って怖すぎる。
国を通して抗議を行い、攫われた魔法師団の団員を取り返すため交渉を行うらしい。上手く行ってくれればいいが。
それでその情報の公表が行われたのだ。
それにより、私が頑張ったってことが魔法師団の中でも知られたのだ。
正直、コネ入団ではないってことを周りが分かってくれたことはとても嬉しいのだけれども、それでこんなに注目を浴びるなんてことは私は望んでいなかった。こんなに注目を浴びてどうするの!! って感じの注目を浴びているの。
そう言うのが嫌だから、相変わらずこそこそしている。隠密魔法を使ってこそこそしていれば、私が此処にいるって皆分からないし。
「ノーヴィス」
「ノーヴィスさん」
注目されて、人に囲まれてしまうのでそれが嫌で一人でいたらタチークさんとノノアンさんが私の元へとやってきた。
もしかしたら探してくれていたのかもしれない。
「囲まれて大変そうだな。この魔法師団で行方不明者が出ていたなんて」
「それをノーヴィスさんが解決するのに貢献したというのは素晴らしいことですわ。まだ完全に解決したわけではないにしろ、攫われることがなかったのはノーヴィスさんの手柄と言えるでしょう」
タチークさんとノノアンさんに褒められた!
褒められることは嬉しいけれど、美少年ショタと美女に至近距離で褒められるとなんか場違いな気持ちになる。というか、やっぱりこのポジションってもっと可愛い子の場所じゃない? ってバカなことを考えてしまうのである。
「ラーちゃんは友達ですからね。ラーちゃんを助けるために頑張ったのです! あとリーラちゃんとシエル君も手伝ってくれましたから」
「それも気になったんだが、エブレサック家の双子とは仲が良いのか?」
「あの二人が仲よくしている人ってそんなにいないと思うのだけど……」
「学園で仲良くなったんですよ。丁度、アイルアさんのことで色々あったので」
私がそう言うと、アイルアさんの出来事を知っているからか「ああ」という顔を二人はした。
同じ学園に通っていた子たち以外にも、しっかりあの出来事は広まってるんだなと思ってしまう。うーん、アイルアさん、新天地で噂とかで大変なことになっていないといいけど。今度、会いに行ける機会があったら会いにいってみようかな。
っていうか、あの出来事、私はそんなに目立ってないはず……。少しは目立ってるけど、どちらかというと、ルビ先輩とか、フィル先輩とかの方が目立ってたしな。ああ、でもそれもあって私がコネ入団だって噂されていたのもあるか。
「リーラちゃんとシエル君がいてくれて助かりました。二人がいなかったら私だけだと対応できなかったかもしれません」
私は二人にそう言いながら本当に二人がいてくれてよかったと思った。
リーラちゃんとシエル君と言う存在がたまたま此処にいてくれたからこそ、こうしてラーちゃんを助け出す事が出来た。私一人だったらあの女性の対応が難しかったかもしれないから。
私は友達に恵まれているなぁとそんな気持ちになって思わず頬が緩む。
「……エブレサック家の双子と仲が良いのだな。付き合っているのか?」
「へ? 私とシエル君が? ないない。シエル君とは普通に友達だよ。たまに会う程度の」
っていうか、リーラちゃんシエル君も愛が重い感じがあるから、もしシエル君が好きな人がいるっていうのならばもっと愛がにじみ出ていると思う。私は学園で友人になったから仲良くはなったけれど、本当にそれだけだしね。
「そうか」
「そうですよー。それよりも交渉、いつあるんでしょうね?」
とりあえずシエル君と私が……っていうのはあり得ないので別の話をする。
交渉を行うとは言っていたけれど、いつになるんだろうか。捕らえられている人がいるというのならばはやめに行った方がいいとは思うのだけど。
「いつかは分からないな……」
「そうね。もし交渉が行われるのならば、私も手伝いをしたいわ。仲間がそんな目に遭っているのならば助けなければならないもの」
「そうですよね。是非助けるのに貢献したいですよね」
折角だから助けるための手助けをしたい。まぁ、私は隠密系ばかりに特化しているから、手助け出来るか分からない。多分、待機だろうなー。
と、そう思っていたのだけど私も隠密魔法が得意だからということで交渉の場に行くことになった。




