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 ラーちゃんが無事でありますように、私はそれ願いながらリーラちゃんとシエル君と一緒にラーちゃんの部屋へと向かう。リーラちゃんとシエル君が傍にいるからか、目立っている。二人とも美男美女だからなぁ。学園で二人の事をこそこそと見つめていた時は、こんな風に二人と共同作業をすることになるとは思いもしなかった。本当に人生って不思議だ。

「ラーちゃん!! いる?」

 ラーちゃんの部屋をノックして、私は問いかける。

 返事はない。

 中にもしかしたらいないのだろうか。それとも寝ているのだろうか。私の大事な友達は無事なのだろうかと、焦りの気持ちがわいてくる。中にラーちゃんがいるのかだけでも確認出来たりするだろうか。

 ドアを破ってもいい? 後から違ったとしても説明すればラーちゃんはきっと許してくれるだろうし……。って思ってドアノブに手をかけてみれば、鍵を開けてもないのにカチャと開いた。元から空いていたらしい。

 ラーちゃんの部屋の中に、人影はない。

 だけど、私はその部屋の中を見て思わず「うわ」と声が漏れた。

 中にはいくつものぬいぐるみが散乱し、その周りには糸や布、綿などが散らばっている。いたるところに散らばるそれは、明らかに異常であった。

 こんな状況に部屋がなっているというのに、ラーちゃんは普段通りの日常を送っていたというのだろうか。明らかにおかしな部屋で。肝心のラーちゃんは此処にはいない。

「これは……色々おかしいわね。変な魔力の流れもあるし……。ヴィーアの友人もいないのも気になるわ」

「はっ、そうだ! ラーちゃん探さないと。もしかしたらタチークさんの時みたいにどこか行こうとしているかもしれないし! この部屋については、ヴァルに報告するとして――」

「リーラ、ヴィーア、ちょっと待て。この部屋の魔力が動いている」

 リーラちゃんの言葉に私が慌てれば、冷静なままのシエル君にそう言われた。魔力が動いている? と言われて、一旦自分を落ち着かせようと息を吐く。そして魔力の流れを意識する。ああ、確かに動いている。なんか転々とした魔力が、存在している――ってこれは……、ぬいぐるみ?

 そう気づいた時、転がっていた幾つものぬいぐるみが動いた。

「リーラ」

「ええ」

 私が動きよりも先に二人は動いていた。魔力を操って、とびかかってきたぬいぐるみたちを拘束した。凄い。流石。

 私はラーちゃんがいないんだってことで慌ててたし、リーラちゃんとシエル君ほど素早く魔法を使うことは出来ない。こういう二人の凄さを見ると、この二人は本当に天才なんだなと思った。

「わぁ、流石、リーラちゃんとシエル君!!」

「ヴィーア、感心してないでここの部屋の主を探しに行った方がいい。この部屋がこの状況で、家主がいないっていうことはこのぬいぐるみを操っている者が感づかれていることを知っているということだ」

「そうね……。ヴィーアの友達がどうなっているか分からないわ。ヴィーア、貴方、人の魔力を探索することが出来るでしょ?」

「うん!! この部屋の魔力からラーちゃんの事探れると思う。ちょっと待って」

 私は頷いて、この部屋に馴染んでいる魔力をもとにラーちゃんのことを探す。っていうか、此処、他の魔力も微かに残ってる? もしかしたらぬいぐるみを操るほど大きな魔法をその操っている人が行ったからか微かにその人の魔力も残っている? そっちから探すべきかと一瞬思うが、それよりもラーちゃんだと首を振る。

 ラーちゃんは私にとって大切な友達だから。私と友達になってくれた優しい子だから。—―だから私はラーちゃんのことを信じてる。行方不明にさせている側だなんて思えない。

 ラーちゃんの魔力を探ると、ラーちゃんは移動しているようだった。

 っていうか、ラーちゃんの傍にこの魔力の主もいる? ってことはラーちゃんを連れ出しているってこと?

「リーラちゃん、シエル君!! このぬいぐるみ操っている人、ラーちゃんを連れ出してるかも!! 追いかけないと」

 私は慌てて二人に言った。

「じゃあ追いかけるか」

「じゃあ、シエル。私はこのぬいぐるみを見張ってるわ。このままにしていて勝手に動いたら困るもの」

「頼む」

 と、そんな会話がリーラちゃんとシエル君の間でなされ、私はシエル君とラーちゃんを追いかけることになった。

 ラーちゃんはもう一人の魔力の持ち主と共に素早く動いている。っていうか、もうすでに魔法師団の建物から出ちゃってる。急いで距離を詰めないとラーちゃんが攫われちゃうし、私も追えなくなっちゃう!!

 

 ということでシエル君と必死で追いかけて、ラーちゃんの姿を見つけた。

「ラーちゃん!!」

 私が声をかけてもラーちゃんは振り向かない。私の言葉に反応を示したのは、ラーちゃんの隣にいた女性だった。

 魔法師団の中で何度か見た事がある。ただ交流をしたことはない。茶色の髪の女性が、「あらあら」と困ったように口を開き、私とシエル君を見ていた。





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