表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/51

30

「ヴァル!! やっぱり私、ラーちゃんのためにも無茶したいんだけど!!」

「……駄目だって言っただろう」

「ヴァルが心配性なのは知っているよ。私の事を思って心配してくれていることも。だけど、私は魔法師団の一員なの。ヴァルが過保護なのは知っているけれど、私はちょっと無茶したとしてもラーちゃんがどういう状況なのか知りたいの」

 隠密魔法を行使して、ヴァルの執務室に突撃した。

 タチークさんと話してみて、説得を試みてみようって思ったから。ヴァルが心配性なのも知ってる。私を心配して、幼馴染として大切にしてくれているからこその言葉だって知ってる。でもたとえそうだったとしても私は動けないことがもどかしいと思う。

 ラーちゃんが関わっているかもしれないっていうのがあるのらば、私は何をしてでもラーちゃんを助けたいって思うから。

「私も魔法師団の一員だよ!! 少しぐらい無茶をするのも仕方がないことでしょう。何より魔法師団で行方不明者が出ているなんて大問題だし、解決するためには迅速な対応をした方がいいと思うし。私はラーちゃんのお友達って立場なんだから、ラーちゃんに近づいても不自然じゃないし」

 何も分からない状況で怪しい人間に近づくのが問題だっていうのは分かる。分かるんだけど、それでも私は迅速に対応したほうがいいと思う。ヴァルはどちらかというとちゃんと準備をしてから行動を起こすほうだけどさ、考えなしに動いたからこそ上手くいくことも当然あると思うから。

 っていうか、ヴァルは昔から思っていたけれど、私に対して過保護すぎるのよ。

「ヴァルは私に対してすっごく心配性だけど、私はもう子供じゃないんだよ!! だから、お願い。ちゃんと失敗してもどうにかなるように準備はするから」

 私は子供ではないのだ。魔法師団の一員として働いているのだ。ヴァルに入れられた魔法師団だけど、入ったからには責任をもって働きたいのだ。

 ヴァルは私の言葉に無言になった。

 なんて答えようか悩んでいるのかもしれない。私はヴァルの言葉を待つ。

「……無茶をしないって誓えるか?」

「その場にならないと分からないよ。ラーちゃんが大変だっていうのなら私はやっぱり無茶してしまうかもしれないから」

 行動を起こすためには、無茶をしないって誓うべきなのかもしれないけど私はヴァルに嘘はつきたくなかった。っていうか、昔からヴァルに嘘をつくのはなんか嫌だなって思うんだよね。幼馴染として仲よくしているからっていうのもあるんだけど。

 だから学生時代、アイルアさんの騒動が起こるまではルビ先輩と仲良しなことヴァルに話していなかったけれど、もしヴァルにルビ先輩と仲良いのかって聞かれていたら隠せずに話してしまったと思う。

「……はぁ、全くヴィーは本当に」

 ヴァルはそう言って、少しだけ顔をゆがめて、口を開く。

「探りを入れることは許可する」

「本当!? ありがとう、ヴァル!!」

「でも色々と準備をしてからだな。せめて何かあった時にこちらで動けるように整えてからだからだ。ぬいぐるみの分析もまだ終わってない状況だしな」

 そんな会話をしていたら、執務室の扉がノックされる。ヴァルに視線を向けられて、隠密魔法を思わず発動させて存在感を薄めて隠れることにした。

 ヴァルが許可を出せば、魔法師団の魔法師が二人の男女を連れてくる。って、リーラちゃんとシエル君じゃないか。二人ともどうしたんだろうか。仕事の話? と思いながら私は思わず「リーラちゃんとシエル君!?」と声をあげそうだった自分の口を押える。

 魔法師団の人が下がって、ヴァルとリーラちゃん、シエル君だけが残るとヴァルが声をかけてきた。

「ヴィー出てきて構わないよ」

「あれ、ヴィーアいたの?」

「どうして、隠れてたんだ?」

 リーラちゃんとシエル君だしいいかなとヴァルの言葉に姿を現せば、二人に驚かれた。それにしても天才の二人にも知られないように魔法が使えるのは私にとっての自慢だ。

「ちょっとヴァルと話があって此処にいたんだけど、こっそり来たから隠れてたの」

「相変わらずこそこそしているのね」

「ヴィーアらしいが……」

 それにしてもリーラちゃんとシエル君は何でここにきたんだろう?

「サラガントさん、これが依頼されたものです」

 そう言って、リーラさんは、持っていた袋を差し出した。

 何かヴァルが依頼をしていたらしい。

「それにしても傀儡の魔法に抗う魔法具を依頼するとは、何か問題でも起きているのか?」

 ……行方不明者の問題を解決するためのものを王立魔法研究所に頼んでいたようだ。二人がわざわざやってきたのって、魔法師団の方で何が起こっているのかというのを聞くためかもしれない。二人とも若くして王立魔法研究所で出世しているから。

 学生時代から名を馳せていた天才だから当然といえば当然なんだけれど、凄いなと思う。

 

 感心している私の前でヴァルは簡単にリーラさんたちに魔法師団で起こっている問題について話し始めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ